私の好きなものといえば。
落語JAZZ歴史街道歩き
落語と歴史街道は深くつながりがあるからいいとして、JAZZ・・・?
と思われる方は多いと思います。私もそう思ってました。
しかし、三つとも見事に共通点がありました。
温故知新
「古きを温め、新きを知る」まさにこの3つはそのとおり。
説明は要らないぐらいに簡潔ですので、省きます。
また、
「落語は、人間の業(ごう)の肯定である」というのは故.立川談志師匠の名言ですが、これもJAZZにも歴史街道歩きにもまったく同じことが言えます。
「業の肯定」・・・。やっちゃいけないことや、世間で認められないこと、「えー、あんたそんな人間?」といわれそうなことも「しょーがねぇな」で認めてあげてしまうこと。付け加えるなら笑って許してあげること。
立川談志師匠の言うとおりです。うん。
歴史街道を歩いていると、当時の人々の旅の様子や旅の仕方なんぞを思い浮かべたりして「まー・・・しょうがないんじゃない?(^^;」と思うことは非常に多くあります。
当時は男性同士で連れ立って旅をすることが当たり前でしたが、それもそのはず、宿場ごとに必ずいる飯盛り女やその土地の遊郭で夜のお遊びをするのがとっても楽しみだったからなのですねぇ。
しかも「お伊勢参り」の帰りには、「精進落とし」とか言いながら三大遊郭のひとつ「古市」(伊勢神宮内宮近くの遊郭)で遊ぶのが当たり前になってましたし。
日本人って本当はおおらかだったのです。堅いのはお武家様で、庶民は底抜けに明るくておおらか。
「東海道中膝栗毛」の「やじきたコンビ」だってそうだし、あの方たちは元々男同士のカップルですし。
男同士のといっても、そんなに特別なことでもなく「陰間茶屋」という茶屋には女装した若い男の子(役者の卵)が普通にいました。
女形の勉強として、身体を売っていたのです。
喜多さんもその一人という設定。
「まあねー、そーゆーもんなんだから、しょーがないなぁ(^^;」って笑うしかないじゃない。
実際、物語では楽しい道中だから笑えるんですけど。
Jazzに関してもそうですよね。
「いつも酒飲むと暴れてしまって・・・ごめんなさい」という侘びのしるしのバラの花束(酒とバラの日々)。
「アタシの彼はあっちこっちの女の所へ行ってしまって帰ってこない。だからアタシはタバコ吸って、ブラックコーヒー飲んで、彼の帰ってこない部屋でうだうだと待ち続けるの」(ブラックコーヒー)
「あたしたちラブラブなの。週末はふたりっきりで、誰にも邪魔されずにお茶飲んでハッピーにすごしましょう。朝は目覚めのシュガーケーキ焼くわ」(リア充な妄想の「二人でお茶を」)
「しょーがねぇなぁ(^^;そんなときもあるよ」って認めちゃうでしょ。
やはりジャズ・落語・歴史街道。庶民に愛されるものは共通な魅力があったのですね・・・。
なんだか妙に腑に落ちた私なのでした。
ところでちょっと話題は逸れて、コアではないJazzの話。←なにせ詳しくないのでコアな話など出来ない。
Jazzの魅力は人それぞれ感じ方が違うものでしょう。
その曲が作られたときの作曲者の状態も考慮しながら、その曲の持つ雰囲気を、自分のやり方で楽器を鳴らして歌い上げていく。
これぞ温故知新。
Vocal場合、歌詞が後からつけられることのほうが圧倒的に多いですが、その歌詞を落語のように「今、ここでそれは起きているんだ」という臨場感たっぷりに歌ってくれたらもう、聴いているこちらは感動しまくりです。
そーゆーボーカリストに出会ってしまうと「今まで聴いていたボーカルはなんだったんだ!」ぐらいのショックを受けてしまいます。
落語と同じ「名人」の域なのですが、これは落語とジャズ両方を聴いている人にしかわからないのかもしれないです…。
余談ですが、そんな名人に昨年11月、出会いました。
平麻美子さんという、ニューヨーク在住のボーカリストです。
11月の帰国ツアーの際、マスダカイロが早く終わる日に袋井でライブがあると知り、行ってきました。
スモーキーな歌声、迫力もたっぷり、たちまち引き込まれる世界観。楽器のソロのように、心に響く温かなスキャット。
すべるような出だしでサラリと歌う「Take Five」。
カーメン・マクレエばりのテンポなのですが、歌は完全に彼女のもの。
す・・・すごい!!(@_@;
とワタシの目は見開かれたままになってしまったのです。
なのにお客さんは非常に少なかったのが残念。(都会ではこんなこと考えられないようです)
しぞうかの皆は平麻美子さんの凄さをあまり知らなかったからなのか、平日のライブだったからなのか、袋井のとっても交通の便が悪いところだったからなのか・・・全部かもしれない(^^;
袋井駅からタクシーで1,700円ぐらい・・・遠いヨッ!車持ってない人間だって居るんだ(T_T)/
ライブが終わるのが23時過ぎることを考えて掛川に宿を取った私ですが、タクシー代も宿泊代もまったく気にならないくらい、彼女の歌はスゴかった。
ジャズの歌は古いものが多いのに、今ここで起きているかのように演じることができる女性ボーカリスト。そしてまるで自分にもそれが起こっているかのように錯覚してしまう、ものすごい臨場感。
彼女の歌は魂が揺さぶられます。
今年の帰国ツアー時(あるかな?)にはもっと盛り上がりたく、ここに宣伝してしまおうという目論見なのです。うはは。