随分とアッサリしたタイトルだがしょーがない。そういうタイトルのゲームなんだ。
この「ピンボール」。後期X68000のデスクトップ環境であるSX-Windowに付録として付けられたゲームだ。しかしながらX68000ユーザーにとってはそこそこ人気が高い模様。
今ではOSへのソフトウェアバンドル、なんつーのは珍しくないが、この当時、「このパソコンでは何が出来るのか」を知らしめるデモとして、そこそこ重要な戦略的意義があった。・・・とは言っても、X68000は結構不思議なマシンで、当時世界レベルで見ても最高峰の色彩能力があるにも関わらず、OSはデフォで白黒だし、このゲームも白黒で、これじゃあMacintoshに影響を受けたとか言うガセが流れるのもしゃーない気がする(※1)。
恐らく、X68000開発技術陣はある意味アタマが良くって、GUIのガワ程度でX68000のリソースを割かせるのを快く思ってなかったんじゃないか。主戦場はあくまでソフトウェア、と言う頭の良い割り切りが垣間見れる(※2)。
さて、このピンボール、開発自体はSHARPでもハドソンでもなく、エス・ピー・エスというあまり聞き慣れないメーカーだ。しかし以前紹介したPC-9801用将棋ソフト「棋太平」や、X68000用グラディウスを移植したメーカーでもある。
ピンボールの操作としては、笑っちゃう事にマウスだけ使う(笑)。左ボタンが左フリッパー、右ボタンが右フリッパー、と言う、今考えれば「はぁ?」って言うような操作体系だ(笑)。
しかし、ぶっちゃけて言うと、Windowsが出るまでの2ボタンマウスのインターフェースって実は決まってなかったんだよ(笑)。ソフトによってマウスボタンの「役割」が変わる、なんつーのは90年代前半まで良くあった話で(笑)、Apple Macintoshは1ボタンマウスを広めたけど、2ボタンマウスの「2個目のボタン」を何にするか、パソコン市場じゃあまだ良く分かってなかったんだ(笑)。これ、マジな話(笑)。
従って、「何か懐かしいな〜」とか思った次第である。マル。
※1: 個人的には、むしろCommodore Amigaを意識してたんじゃないかと思う、と言うのも以前書いた通り。Apple MacintoshではそもそもOSはObject Pascalで組み立てられていて、X68000とは基盤からして全く違うと言える。
一方、Commodore AmigaもX68000も、OSを書く中心言語としてC言語を選んでる辺り、色々と発想が近い気がする。
※2: その割にはソフトが揃ってない(涙