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Retro-gaming and so on

The Day I knew LISP

どーも、若くてピチピチな俺様、です(爆

さて、最近マイナー言語であるLispを弄りっぱなしなワタクシですが。
最近では、ポール・グレアムのエッセイにはじまるLispブームは一段落ついたような気がする。
Python人気は加熱したがLisp人気はさほど上がってもいない。
もっとも、Lispの知名度はかつてよりは高まってて、一応、プログラマやプログラマのタマゴ達には、使わないにせよそこそこリスペクトを受けてるような気はしてる。

ところで、Lisp自体をポール・グレアムのエッセイで初めて知った、と言う人がここ20年くらいでは結構多い気がする。それだけ影響力が大きいエッセイだった、と言うのに異論を挟む余地はないだろう。
しかし僕の場合は。
実はそれより以前から・・・ぶっちゃけプログラミングをやったことが無い時期からその名前と存在と用途を知ってたのだ。

僕はピチピチなんで、あんま年代をバラすような事を書きたくなかったのだが(笑)、実は僕がLispの存在を知ったのは、かつて、NHKで流されてた子供向け情報番組、「600 こちら情報部」から、だった。
ちなみに、当時はまだ、子供は必ず塾に通う、と言う習慣が無い頃で、夕方5時台〜夜8時台くらいは子供向け番組ラッシュだった。この時間帯は学校から子供が帰ってくるなり、遊びから帰ってくる辺りの時間帯で子供番組天国だったのだ。
夕方5時くらいからはアニメや特撮の再放送、そしてその後6時に入るとNHKでの「子供向け情報番組」、その後6時半辺りからは人形劇が放映されて、7時台に入ると民放各局で新作のアニメが流れる、と(今みたいに深夜帯なんて無かった!)。そういう子供向けの娯楽時間帯だったのだ。
そう、「600 こちら情報部」と言うNHKの番組は、当時のそういう世相が反映されてた番組だったのだ(当時、人気だった「ゴダイゴ」のスタジオライブなんかもやってて、かなり先鋭的な番組だった)。
そして、科学大好きなクソガキ向けに色んな特集も組まれていた。確か、シンセサイザーの存在とか、今は亡き冨田勲の存在なんかをクソガキに知らしめたのもこの番組だったと思う。
他にも、コンピュータグラフィックスとは何か、と言うような特集もあり、当時「最先端のコンピュータグラフィックスで90%以上作り上げた」と謳われた(実際はんな事無かったのだが・笑)ディズニーのトロンを取り上げて子供達に紹介したのもこの番組だったと思う。
とにかく、毎日「新しい」「ワクワクする情報」を取り上げてた番組なのだ。
そしてコンピュータが身近でなかった時に、コンピュータで何が出来るのか、と言うのを紹介したりもしてくれたのだ。
それでガキどもは「SF的な未来像を想像して」ワクワクしてたもんだ。

そんな中で、ある時、この番組で「人工知能」と言う概念を紹介された。当然クソガキはロボット大好きだからな。「人工知能?コンピュータが考えたりするんだ!」と衝撃を受けた事を覚えてる。そのテの事を大学では研究してんだ、と。
若い人は知らんかもしれんが、実は「人工知能」ってのは最近出てきた概念ではない。このブログでは何度か指摘してるが、大学では「パソコンが無い」時代から研究してるトピックなんだ。
そしてその回で説明してた大学の先生が「Lispと言うプログラミング言語で研究してます」と言ったのだ。

「Lisp?すげぇ!(名前だけは覚えておこう)」

となったのだ。
当時の黎明期のパソコン(マイコンって呼んでた・笑)ではBASICなる言語処理系が走ってるのは知ってたが、大学の研究室ではLispなんて「すげぇ」言語が使われてるんだ、とか思ったのを覚えている。
確かその回で、

「Lispはインタプリタなんで遅いんだけど、それで研究してます。」

みたいな事言ってたんだよな。
それで具体的にLispって言語はインタプリタであるBASICの遠い親戚で、でも人工知能なんて研究するようなプログラミング言語なんだから「かなり難しい言語なんだろうな」とか思ったのだ。
うん、勘違いなんだ。実際はLispはBASICより簡単な言語で、「難しい議題を研究するには簡単に扱えるプログラミング言語じゃなきゃいけな」かったんだけど、クソガキにはそこまで想像する事が出来なかったんだ。
大体、そういう概要を、その大学の先生はチラッと語っただけなんだけど、実際Lispがどんな見た目なのか、とかそういう情報は残念ながら開示されなかった。
要するに大学の、マイコンじゃないデカいコンピュータではLispと言うインタプリタを使って人工知能を研究してる、と言う概要しか分からなかったんだな。
そして「Lispは遅い」「Lispは人工知能用言語」だとか、いわゆる「Lispに関する誤解」もこの時に刷り込まれたんだ。

その後もその番組が終わってからも、しばしば(持ってない癖に)パソコンの知識を仕入れたりしてた。そんな中で僕の知識として知ってるプログラミング言語はBASIC、C言語、Pascal、Lispの4つだった。どれも使った事は無かったけど、僕の中ではある種「四大プログラミング言語」だったんだ。

正直言うと、ポール・グレアムのエッセイを初めて読んだ時の僕の反応は、

「え、今どきLispなんざ使ってるヤツがいるんだ!」

ってなモンだった(笑)。いや、マジな話。
1990年代から2000年代に入った辺りで「人工知能」とか一時期全然聞かなかったんだよな。
だからとっくにLispなんざ廃れた、とか思ってた。「一回も見たことがなく、概要しか知らないプログラミング言語」Lispをいまだに使ってるヤツがいるんだ、と。
最初に感じたのは驚きで、でもポール・グレアムの文書を読むと「他人を説得しようとする熱さ」を感じた。
正直言うと、大学の夏期講習でプログラミングを取った事はある。C言語だ。
でも当時の僕の感想では「うわ、俺はプログラミングに向かない」と言うモノだったんだ。
当時通ってた大学では、僕が取る前まで、入門用の言語としてはPascalを教えてた筈なんだけど、タイミングが悪く、初級用言語にC言語が降りてきたんだな。
それで、Apple Macintosh等と言うバカなPCを買ってた為、大学で使ってる開発環境が使えない。結果、クソ暑い最中、夜中まで大学のコンピュータ室に留まりながら大学の宿題を解いてたのだ。
もうマジで「暑い」ってんで死にそうになってて、そういうトラウマ的な経験も相まって僕に対するC言語の印象は最悪なのである。何かスプライト使って車の画像を動かす、なんつー事もやってた筈なんだが、残念ながらこの授業はパスはしたんだけど、何をやったんだかサッパリ覚えていない。あまりにも悪夢のような経験なんでアタマの中から消し去ったのだ。
そんな「プログラミング嫌い」の僕をポール・グレアムのエッセイは動かしたのだ。「ここまで言うならものの試しにLispをやってみようか」と。
そしたらLispとはどういうわけか相性がそんなに悪く無かったんだよな。

一つの理由として個人的にはExcel関数を使いまくってたんで、「関数」と言う操作方法が分かりやすかった、って事があるんだろう(VBAにはそんな事を感じたことはないが)。
いずれにせよ、ここで初めてガキの頃に知ったLispと言うプログラミング言語と初めて邂逅したのである。
ただ、Lispと言う言語の存在を、ポール・グレアムのエッセイで初めて知った、と言うわけではないのである。
ありがとう、600 こちら情報部!ありがとう、NHK!
ってな話である。
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