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Retro-gaming and so on

The Entity

皆さん、強姦してますか?

してるわけねーだろ!!!

と答えた男性陣。
良かった。世の中平和だ。

しかし、例えば男性の自慰ネタとしての強姦はランキングが結構高いらしい。
断っておくけど、自慰ネタで強姦が多い、と言うのと「強姦したい」と言うのは関係がない。
女性の自慰ネタも強姦が高い確率で使われてるらしいが(注: 俺調べ・笑)、とは言っても自慰ネタで使われてる = 「強姦されたい」ではない、ってのは女性陣もそうだろう。
その辺、「ズリネタとして美味しい」と言うのと、実際「したい/されたい」は関係がないのだ。文明人としては当然である。
要するにリアルはリアル、ファンタジーはファンタジーってこった。

さて、ここでちょっと男性側のファンタジーに視点をシフトしてみよう。
何故強姦を実際にしないか、と言うとこれは犯罪であり、やるにはリスクが高いから、だよな。
一方、ファンタジーとしては「誰にも見つからない」「バレなければ」強姦も魅力的だ、と言う事だ。
当然この発想の延長線上に、例えば「透明人間」とか言うネタがあるよな。誰にも見えない。正体が分からない以上、覗きだ何だし放題、と言うアレだ。
例えば往年の・・・80年代的な少年マガジンな漫画で「Oh!透明人間」っつー超絶くだらない漫画があったわけだが。毎週毎週、透明人間になってはヒロインの裸を見に行くだけ、と言うクッソくだんねぇ漫画だったんだが、最悪な事にとても人気があったらしい(笑)。少年誌なんで強姦までは行かないが、「見えなければ何しても良い」的なネタはある意味男性陣にとっては魅力的なんだろうな。


一方、この「男性にとって楽しい」ファンタジーは、女性視点になると世にもおぞましいホラーとなる。
そう、「姿も何も見えない、どこの誰とも分からない男性に強姦される」と言うのはさすがに女性のズリネタにはならんのだ。これでは単に恐怖を感じるだけ、である。ここに男性・女性間には非対称性が生じる。
まぁ、その辺しょーがないんだが、要するにその、「男性の為のファンタジー」を女性側からみたら「ホラー映画になっちまった」と言うのが、端的に言うとこの作品、1982年の映画、「エンティティー 霊体」だ。

ちなみに個人的にはこの映画、いわゆるゴールデンタイムの「映画番組」で観た記憶がない。どっちかっつーと深夜帯で観た記憶なんだよなぁ・・・・・・。
なんつってもネタが「強姦」である。さすがにゴールデンタイムに流すにはためらわれた映画だったんじゃないか。

さて、邦題は「エンティティー 霊体」だが、別に幽霊に強姦されるわけではない。っつーか相手は「幽霊」かどうかも分からない。あるいは「異次元から来た見えない何か」なのか。
いずれにせよその「強姦者」が一体何者なのか、サッパリ分からない、ってのがこの話のミソだ。

そして今回この映画を観直してみたのだが・・・・・・ヒッジョーに優秀な映画だ、って事が分かった。
まずネタとしては「見えない何かに強姦される話」である。と言う事は相手が見えないんだよな(笑)。
いや、何を当たり前の事を、って思うんだろうが、結果どういう映画になるのか・・・・・・SFXさえ「最低限」の映画になる、って事なんだよ。
いやよ、例えば強姦シーンがあるでしょ?って事は女優が1人で「ヤラれる」演技せねばいけないわけじゃん?1人でそれでもたせる、って考えると当然難しい。要するにこの映画では「出演陣の演技力」が何にもまして第一に必要になる。
バケモノが出てくる映画ならSFXなクリーチャー相手に演技、ってんでどーにでもなるけど、「見えない」相手に強姦されまくる、とか結構難しくねぇか。
言っちゃえば、まず、主演のバーバラ・ハーシーの演技が素晴らしいと思うんだわ。たった1人で「強姦される」演技をして映画をもたせる、ってのは相当な力量だと思うんだよね。


だからこの映画、同時期の「SFX映画」に比べると圧倒的に金はかかっていないだろう。「SFXが全く使われてない」ってワケじゃない。しかし、使われるべき場所が物凄く限定されていて、「ここぞ」と言うトコだけ使われてる、って事だ。



この映画は「実話から作りました」と言う触れ込みなんだけど、その辺もどーでもいいと思ってる。上にも書いた通り「男性のオナネタは女性視点だとホラー化する」っつー、言って見ればワンアイディアの映画であり、そしてそのワンアイディアを活かす為に実力派俳優陣がSFXに頼らず「キチンと演技して」恐怖を盛り上げてる、って映画なんだ。
もう一度言おう。「非常に優秀なコンセプトの上に撮られた非常に優秀な映画」だと思う。

あらすじは例によってWikipediaから引っ張ってこよう。

ある夜、ロサンゼルスに住む2人の子持ちのシングル・マザー、カーラ(バーバラ・ハーシー)は自室で就寝中、何者かに強姦されかけたために驚いて起きるが、周りには誰もいない。その後もたびたび、不可解な現象に襲われ続けるカーラは、偶然知り合った精神科医師(ロン・シルヴァー)に相談するが、「幻覚じゃないか」と言われる。謎の現象はなおも起こり続け、ついには息子までもが怪我をしてしまう。困ったカーラは超心理学者を頼り、そして現場を訪れたクーリー博士(ジャクリーン・ブルックス)は、「この謎の現象はエンティティーの仕業である」と断定する。まもなくカーラは、恋人(アレックス・ロッコ)の目の前で全裸に剥かれ、犯されてしまう。 

さて、上のあらすじにも書いてるけど。

全裸に剥かれ、犯されてしまう

この時期、ハリウッド映画でもおっぱいとか乳首出せてたんだよなぁ。
だからこの映画ではまずはバーバラ・ハーシーの生乳が拝める。例によってgooブログはクソなんで、そのスクリーンショットは貼れんがな。



そしてSFXその1。人工おっぱいが出てくる(謎
物語の中盤辺りでやっとおっぱいが揉まれるシーンが出てくるんだけど揉んでるヤツが透明な故、なんつーの?自動揉まれおっぱいみたいなSFXが出てくる(笑)。
写真ホントは貼りたいんだけど、クソgooブログなんで何とか言葉で説明してみっか。



ベッドに横たわってるんだけど、実際はバーバラ・ハーシーはアタマだけベットに作った穴から出してるんだよな。そしてバーバラ・ハーシーの首から下の女体は、恐らくラバー製のものだ。
そして映画スタッフがそのダミー女体のおっぱいの内側から手を開いたり閉じたりすれば、撮影上、おっぱいがあたかも「揉まれてる」ように見えると言う・・・・・・。
多分ね、同時期の映画のSFXに比べても割に古典的なやり方なんだよな。
その割にはこの映画では効果的と言うか・・・・・・。
上のあらすじの最後の「全裸」も、ぶっちゃけラバー製の女体なんだけど、この辺もよく出来てる。SFX比率が少ない映画なんだけど、映画が進むと共に徐々にSFXの露出度が出てきて、最後の「強姦」で、人工女体登場!みてぇな(笑)、非常に効果的な使い方がされてる、と思うのよね。

んでこのバーバラ・ハーシー演じる主人公カーラ・モラン。
もう設定見ると酷いんだわ(笑)。幼い頃は父親に性的虐待を受けていた。父親から逃げたくて16歳でニューヨークへと家出する。そこで同い年の少年と結婚するが、長男を妊娠してるウチにバイク事故で少年は他界。
1人で長男を育てるが、その後、年上の現在の恋人を得る。が結婚せずに2人の娘を得る。今の恋人はあっちこっち仕事で動き定住しない。
とまぁ、不幸な男性関係を呼び込む体質なのかよう分からんわけな。いわゆる低教養のヤンキー娘の行き着く先、と言おうか(だから冒頭、夜間大学に通って授業を受けるシーンが登場してるわけ)。
で、まぁ、彼女の男遍歴が所以で、何かヘンなモノまで呼び込んでしまうと言うか(笑)。そしてその男遍歴のせいで、強姦されたんじゃなくってヒステリーの一種なんじゃないか、と精神科医に診断されるわけだ。


前半1時間は何度か「謎の何かに」強姦されて、でも精神科医にカウンセリングを受けて「それは幻覚だ」とずーっと言われ続けるわけ。家族まで怪我をしてるのに精神科医達は「強姦」を「事実」とは認めてくれない。
後半になって、主人公の親友がやっと「何か得体の知れないモノが主人公を襲ってる」と言う事実を認めてから、主人公周りの事態がちょっと好転してくる。



そして後半戦は大学の超心理学科の連中が、いわば「リアルゴーストバスターズ」としてこの「強姦魔」をどうやって「掴まえるか」と言う話になっていき、同時に精神科医と超心理学者達の対立構図が出てくるわけだ。


SFXその2はその最後半戦で「どうやってその謎の強姦魔」を取り押さえるのか、と言うトコで渋く使われている。




しかし、ホント「SFX少なめなのに」ホラー映画としては極めて良く出来ている、としか言いようがない。
最後の「謎の強姦魔」捕物帳がどうなるのか、と言うのは是非とも自らの目で確かめて欲しい。


ラスト辺りで響く不気味なセリフ、「お帰り、オマンコ」ってのがなんとも嫌な映画ではある(笑)。



と言うわけで、オススメ。
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