何となく、急にロードランナーの話を書きたくなったので書く。
すんげぇガキの頃に、エポック社のカセット式じゃなかったビデオゲーム機を買ってもらった事はあるんだけど、なんかそれ付けたらテレビが調子悪くなった事もあって、ずーっとテレビゲーム機とはご無沙汰だったワタシ。まあ、一番の理由は家がボンビーだった、って事なんだけどな。
いずれにせよ、知人がファミコンを買ってもらう、ってのを自慢気に話すのを聞きながら、別にそれでどーだ、と思う事もなしに、テレビゲームとは基本的に縁が無い生活を送っていた。
それはさておき。
ある時、知人の知人のアパートを訪ねた事があった。いや、何かイベント的にやるバンドの打ち合わせがあって、知人にキーボードやってくれ、ってんでまぁ、気持ち的にはお助けな気分で参加したのだ。そういう立場じゃないとエゴがぶつかりバンドってのは臨時であろうと上手く行かないのを良く知ってたからだ。
そのアパートにはファミコンとファミコンカセットがあった。もう既にファミコンは古くなってたんだが、何の気なしにファミコンを触らせてもらって、それでやってみたソフトが、今更ながら知ったハドソン製のロードランナーだった。
クッソ面白くてビックリした。「なんだこれ」とか思って、今更ながらファミコンの「面白さ」が分かった。
そもそも、「パソコン生まれのゲーム」なんつーのもやったのは多分人生初めてだったんじゃないか。それ以前だと、アーケードゲームはまぁ面白いのかもなぁ、ってボンヤリ思ってたんだが、性能的にチャチなパソコンで産まれたゲームが「ドギモ抜かれる程面白い」とか想像もせんかったのだ。そしてそれまでは、ナムコは知っててもハドソンなんて知らんかったのだ。
と言うのが「ファミコンのゲームと面と向き合った」最初の体験だったのだ。まぁ、それまでも知人がファミコンのベースボールを買ったり、新ジャンルのゲーム、RPGと言うのに嵌ってる(つまりドラクエだな)、ってのは聞いてはいたんだけど、基本的には無関心だったのだ(不思議な事に、当時の知人が解説してくれたお陰なのか、RPGなんぞやった事なくても、一種「ルールのあるごっこ遊び」なのだ、と言う余計な知識だけは増えてしまってた)。
それなのにロードランナーは面白かった。単純なルールでやるこたぁ決まりきってんのに、面白い。すっかりハマってしまってバンドの打ち合わせなんざ上の空であった(笑)。まぁ、お助けなんだから別にイイんだけど(笑)。言われたことをハイハイ言って弾いてりゃ良かっただけ、って役割だったんでな。
とまぁ、ファミコンに開眼させてもらったロードランナーなんだけど、先にも書いた通り、これはファミコンオリジナルのゲームではない。元はApple IIのゲームである。そしてハドソン以外の移植も異様に多いのだ。
ぶっちゃけ、ハドソン版が一番「プレイしやすい」感触で多分最高傑作なんだろうけど、色々とここで各版を紹介してみようかと思う。
・PC-9801版(1983年10月30日リリース):
システムソフトによる移植。Apple II版をベースにしながら配色をよりカラフルにしている。
なお、一般的にはPC-9801と言うのは、80年代後半に出てきた、って印象なんだけど、実は83年には既に存在していた。そしてターゲットは当時からビジネス分野だったのだ。
と言う事は、ゲームソフトそのものがあまり存在してなかったので、この時期に98版としてゲームソフトがリリースされてる事自体が珍しかったのである。
それだけ「売れる」と言う自信があったのだろう。ビジネスパーソンにも「知的なアクションパズル」はアピール出来る、って思ったのかもしれない。
・アーケード版(1984年7月リリース):
こんなモンがあった、なんて割に最近まで知らんかった。そもそもゲーセンも滅多に行かなかったしな(知人に誘われた時付き合いで、って程度だった)。
メーカーはアイレム。ファミコンのハドソン版ロードランナーとほぼ同時に市場に登場してる。
・ファミコン版(1984年7月20日リリース):
ハドソンによる移植。大傑作。なんだかんだ言って一番プレイがしやすい。
動きや穴を掘る「感触」とか、一番手に馴染むように作られてるのではないか。
単なるベタ移植ではないのだ。
・SEGA SG-1000版(1984年11月リリース):
セガのプラットフォーム向けにこんなん出てたんか、ってのも割に最近知った。
下請けだったコンパイルが移植を担当してたそうだが、Apple II版に結構忠実に作られている。・・・いや、作られているが故にパッとしない。パッとしないからファミコン版に勝てないのだ。
ビッミョーな動きとかに違和感アリ。いや、原作に近いんだけど、単なるベタ移植だよね、ってのがこのSG-1000版に対する感想なのである。
・PC-8801版(1986年1月リリース):
システムソフトによる移植。ちなみに、当時の日本のホビーパソコンの雄であるPC-8801版ロードランナーはファミコン移植より後に発売されている。
ちなみに、2つの版があって、SRと付いてるのはシステムソフトによる移植であるが、もう一つは「国際パソコンセンター」と言う別のメーカーからリリースされていた。
・スーパーロードランナー(1987年3月5日リリース):
ファミリーコンピュータ・ディスクシステム専用ソフト。
アーケード版を手がけたアイレムによる移植。
アプローチはハドソン版に近く、そんなに悪くない。
約半年後に続編の「2」もディスクシステム用にリリースされている。
ちなみに、「スーパー」と付いてるけど基本的にはフツーのロードランナーである。
・ハイパーロードランナー(1989年9月21日リリース):
ゲームボーイ用ロードランナー。バンダイによる移植。
これも「ハイパー」と付いてるけど特にハイパーでもない。
フツーのロードランナーでフツーに面白いだけ。
・ロードランナー 〜失われた迷宮〜 (1990年7月27日リリース):
パック・イン・ビデオによるPCエンジン向け移植。Hu-Card。
基本的にはハドソン型のスクロールを利用した移植になってる。
が、何故か自キャラも敵キャラもゴツくなってる。何故?
・バトルロードランナー(1993年2月10日リリース):
ロードランナー、久々のハドソンからの移植である。PCエンジンHu-Card。
ロードランナーのパーティゲーム化を目論んでいたらしい。
しかし、キャラは往年のファミコン版より寸詰まりになっている。
何故?
・ロードランナーツイン (1994年7月29日リリース):
スーパーファミコン用ソフト。当時「遥かなるオーガスタ」等のゴルフゲームで有名になったT&Eソフトから何故かリリースされた(もっとも古くからのPCゲームファンは「ハイドライド」の名を挙げるだろうけど)。
色々と演出は強化されてるが、基本的にはやっぱり、単なるフツーのロードランナーである。
・ロードランナー レジェンドリターンズ(1996年2月16日リリース):
プレイステーション版ロードランナー。パトラと言う良く知らんメーカーによる移植。
家庭用ゲーム機版のロードランナーはハドソン型の移植が基本席捲してたが、これは基本的にはPC版のような「スクロール無し」移植に戻したようだ。
そのため、全体的にキャラとかはすんげぇ小さく見える。
なお、エクストラ、と呼ばれる拡張パックも存在する。
・Power ロードランナー(1999年1月1日リリース):
任天堂によるロードランナー。ニンテンドウパワー用書き換えソフトとしてリリースされた。
このバージョンだと、ロードランナーは既に人間でさえ無い(笑)。
・ロードランナー3D (1999年7月30日リリース):
バンプレストによるNintendo 64向け移植。割に結構イケる。
ちなみに、ロードランナー原作者のダグラス・E・スミスもこのバージョンが結構お気に入りのようだ。
ロードランナー for WonderSwan (2000年4月20日リリース):
名前が示すように、WonderSwan用移植。バンダイ系のバンプレストが移植を担当してる。
・ロードランナー ドムドム団のやぼう (2000年4月28日リリース):
ゲームボーイ/ゲームボーイカラー用ソフト。エクシングエンタテインメントによる移植。
動物を助けるのが目的、と言う随分とエコなテーマなゲームになっている。
面白さは要するにロードランナーの面白さである。
・ゲームボーイアドバンス版(2003年2月21日リリース):
サクセスによる移植。悪くない移植だが「何故に今更?」感も残念ながらダダ漏れである。
とまぁ、こんなにあって、ここで紹介出来ないバージョンもまだあるのだ。
ゲームとして見ると、古典でかつ面白いんだけど、中には変なアレンジをしてるが為に「あれれれれ?」みたいなのもある。あと、コントローラで動かす時の「感触」が良いとか悪いとかね。
まぁでも、これだけバージョン違いがあれば、「自分だけが好きな」ロードランナーを探してプレイする、ってのも一興だろう。
個人的にはやっぱハドソンのファミコン版が一番デキがいい、たぁ思ってるけどね。
おまけ:
Linux用ソフトでLode Runnerのクローンソフトである。要はパクリだ(笑)。
元々は、デスクトップ環境KDE用のソフトであるが、他のデスクトップ環境でも充分に動く。
ただ、マウス操作が前提でデザインされてるんで、その辺操作性が・・・と見る向きもあるだろう。
いずれにせよ、デキはかなりよい。