息子は幼稚園からピアノをやっている。
そもそものきっけは。
幼稚園年中の時の学芸会。
昨今、学芸会のお芝居は、希望すれば、みぃ~んなやりたい役をすることができるので。
それぞれの役がうじゃうじゃいたりする。(笑)
息子は、「ピノキオ」のジュゼッペ?じいさん役だった。
もうひとりの男子とふたりで。人気なし(笑)
それが、まあ、ひどい。
ピノキオ役の子供が、やはり主役をやりたい❗というだけあって、劇団ひまわりか⁉️っていうくらいクオリティーが高い6人‼️であるのに対し、ジュゼッペじいさん2人は、2人なのに、0.5人分‼️
息子は、口の中でもぐもぐ台詞を言ってて、まったく聞こえない‼️
声を張れるピノキオと、もぐもぐのジュゼッペじいさん💧
おまけに、見ているこっちが恥ずかしくなるくらいクネクネモゾモゾ😭
いや~ん💧
こんなヘロヘロ男子、カッコ悪い‼️
ということで。
舞台度胸をつけるため、ピアノを習うことにしたのです。
チェロをやっているお友達からピアノの先生を紹介してもらい、レッスンスタートしたのが、学芸会の2週間後。
正しく言うと紹介してもらった先生はスケジュールがいっぱいで、その先生のお友達の先生を紹介していただいたのです。
それが‼️
結果。
すっごく素晴らしい先生なのだけど(笑)
むちゃくちゃ厳しい‼️
まじで。
そのM先生、私と同い年、ものすごくエネルギッシュで、情熱を込めて指導してくださる。
その分、求められることもハードルが高い。
コンクール前は、週5日レッスンに行き、出来が悪ければ、別室でひとりで練習してからもう1度レッスン、なんて日もあった。
1曲弾き終わる前に、止められて、別室レッスンをするように言われ、(一応昔ピアノをやっていた私もどこがどう違うのかわからず)息子と半べそになったことも数知れず。
でも。
そんなに厳しくても続けられるのは。
ミスなく弾けるようになった後、M先生に指導(味付け)、表現をつけていただくと、びっくりするくらい素敵な曲に仕上がる。
楽譜に書かれていないことも指導して下さって、M先生のおっしゃるとおりに弾くと「確かにものすごく素敵になる♥️」
それに。
自分の生徒に対する愛が溢れているのが、よくわかる。
(同行できない時の)コンクールや、学校の合唱の伴奏の当日。
それまでの鬼から想像できないくらい、優しくてキザな文章のメールを朝、くださる。さすが、芸術家‼️
そのメールを読んであげると、息子も清々しい顔になる。
やりとげた、って感じの。
おい、おい、まだ弾いてませんけど、って母は言いたいけど(笑)、気持ちはわかる。
M先生の熱い思いに応えなくちゃ、って気持ちと「先生が太鼓判を押してくれたから大丈夫」って自信が沸いてくる。
本当に素敵な先生。
そして。
小3の終わり頃。
次の4年生でのコンクールの自由曲を何にするか?を先生と話し合っていた時。
M先生は、本来、「歌える曲」がお好きなのだろうけど、息子好みのモール(短調)で速い曲を選んでお薦めしてくださる。
その時、何曲かの候補の中から息子がどちらにするか悩んだ曲が。
モシュコフスキーの「タランテラ」
と
ハチャトリアンの「エチュード」
どちらもメンズの好きそうなかっこいい曲。
その場でM先生の演奏を聴いただけでは即決できず、家に帰ってYouTubeを聴いてみることに。
その時聴いたハチャトリアンのエチュードが、田中大稀くんの演奏。
息子がコンクール用に選んだ曲は、結局タランテラだったけど、彼のエチュードを聴いた息子は、次の発表会ではこのエチュードを弾く‼️と言っていた。
田中大稀くん。
YouTubeの投稿の日付から、もう大学生くらいになったのかな?
ピアニストになってるかな?
とかも思った。
なぜなら。
今、現役で活躍なさっているピアニストさんも昔の、子供の頃の演奏をアップなさっている方がたくさんいらっしゃるから。
YouTubeを追っていくと、ひとりのピアニストの成長が見られる。
しばらく前に聴いて、お気に入りに登録していた田中大稀くんのエチュード。
もう一回聴いて、田中大稀くんのもう少し成長したピアノも聴いてみよう、と思い、彼の投稿してある他の曲を聴き始めた。
まず、私の好きな曲から。
↑これだけでなく、何曲が聴いてみたのだけど。
あれ?
って思い始めた。
普通、投稿した日が古くても、段々と日付が新しくなっていき、本人も成長した様子が見える。
小学生が、中学生に、そして高校生に、みたいに。
でも。
この田中大稀くんは、成長した姿も幼い姿も全部9年前くらいにまとめて投稿されていて、その後のYouTube投稿がない。
このくらい上手い子なら、ピアニストも夢じゃないのに、ピアノ、やめちゃった⁉️
そう思いながら、見続けていると。
彼が、病気で亡くなっていることを知ってしまった。
正直。
私が、ここで彼について詳しく書くのはちょっと違うかなと思うし、知り合いでもないので、それ以上は書けない。
ただ。
もっともっと弾きたい曲があっただろうなぁ、と思うと涙が止まらない。
彼のピアノ演奏がこんなにも人の心をうつのは、彼が幼い頃から抱えきれないくらいの悲しみや辛さと共に人生を歩んできたからだと感じた。
もちろん、悲しみだけでなく、たくさんの愛や幸せを感じているから、彼のピアノは、どこまでも澄みわたっていて、繊細で美しいのだと。
私は、子供の頃ちょろっと習っていたレベルだし、「耳」も持っていない。
だけど。
もしお時間があれば、彼のピアノ演奏を聴いていだけたら、と思って今日は書きました。
他にもたくさんアップなさっているので、ぜひ聴いてみてください。