小学生の頃から、「机上の恋愛」が大好きなわたし。
リアルな男子より、物語の中のメンズの方が数段好きだった。
物語の中のメンズは、すね毛もなければ、部室(ぶしつ)の匂いの汗もかかない。
エロ本も見なければ、おならもしない。ズルなんて、絶対しない。
それどころか。
いつも「愛」のためとか「正義」のために戦っている。
だから、私は学生の頃から、同じことを考えている女子仲間とずぅっと一緒にいて、リアルな同級生男子からは「鎖国」していた。
もちろん。
リアルの、あこがれの先輩男子もいたけど、やっぱり「空想の中」でだけ、キラキラ輝いている感じだった。
近づいていって、現実を知りたくない、っていうような。
だから。
わたし、「男子」について、たぶん誰より知識がない。
男兄弟もいないし、父親も養子に入るような男子エキスの乏しいタイプだし、彼氏もずぅっといなかった。
それなのに、うちには、「息子」がやってきた。
だから、小さな時から彼がやることなすこと、私にとっては、意味不明のオンパレード。
寒い冬の日に、水たまりにバシャバシャわざと入ったり、ダンゴムシをポケットに入れたり。
脱衣所で、下着もトレーナーも別々に脱がずにいっぺんに脱いだり。
うん○とかおち○○ん、で大ウケしたり。
バカなんじゃないの❓
何千回もそんなことを思っちゃう。
と、同時に。
男の子って、ピュアだなぁ~😆って思うことがある。
女子よりピュアかも⁉️って。
悪い言い方をすれば、やっぱりバカ⁉️(笑)
そんな「男の子のピュアさ」を書かせるとNo.1なのは、やっぱり「水木杏子(名木田惠子)先生‼️」
なぜだか、本当に、男の子の素敵さを物語にできる作家❤️
キャンディキャンディに出てくるメンズたちは、みぃ~んな素敵❤️
唯一の悪役男子、ニールだって、水木先生は、「もっと素敵に書いてあげたかった」と思われていたそう。
本当は素敵なのよ~と。(マジか⁉️)
そんな水木杏子(名木田恵子)先生の名著を読みました❤️
またまた素敵な物語だった~♥️
「赤い実たちのラブソング」
赤い実はじけた、に出てくる小学生のその後のお話。
みんな30歳になっている。
15編、それぞれが人生を生きていて、それぞれの物語がある。
なかでも。きゅーん❤️と男子のピュアさ、とか、それを理解する女子の素敵さを感じたのが、「ちょっと好み」という1編。
雨宮美鈴、30歳は、大学の先輩だった裕貴と結婚している。
裕貴は、明るくて楽天的。笑うとやさしさが全開になって、その笑顔から心地よい風が流れてくるようなタイプだった。
それが気に入って、美鈴は積極的に裕貴にアプローチしたのだったが、証券会社に就職した裕貴は、すぐに退職してしまう。
美鈴が仕事から帰宅すると裕貴は、屈託のない笑顔で迎えてくれる。
夕食を作ってくれたり、お掃除をしてくれたり。
会社の面接も受けているみたいだけど、落ちても笑顔の裕貴。
30歳をすぎたら仕事を辞めて、子育てしているはずだったのに、と美鈴はイライラしてくる。
私の稼ぎをあてにしているの⁉️くらい思ってしまう。
やさしいと思っていたけど、優柔不断。おおらかでなく、いい加減。
そんな風に感じて顔を見たくなくなる。
まだ30歳。やり直すなら、早い方がいい。
そんな時。仕事帰りに乗った電車の中で、車両の端の席に深くうつむいて座っていた若い男に目を止める。
紺色のスーツ。白いシャツが清潔そうで、柔らかそうな前髪が顔を隠している。
太い首筋から広い肩にかけてセンチメンタルなムードが漂っていて、美鈴は、「ちょっと、好みかも」って感じるの。
そう思った瞬間、美鈴は自分にあきれて吹き出してしまう。
なんと、その若い男は、顔も見たくないと思っていた裕貴だった。
そして。
その裕貴の姿は、いつも美鈴に見せている、能天気な姿とは違って、暗い表情。
ぼんやりと下方を見つめているその眼差しの暗さに美鈴は心をつかれる。
裕貴は、美鈴に暗い表情を見せたくない、そう思って家の中では明るくつとめていたのだった。
そういえば。
裕貴は、大学院で社会科学を学びたいと思っていたのに、美鈴が結婚をせっつき、大学を卒業し就職したことや証券会社で心底疲労した表情で帰宅しても美鈴の愚痴を聞いてくれたりしたことも思い出す。
そして。
美鈴は、裕貴の隣に座ると。
「あなたって、私好みなんだけど、付き合ってくれないかしら」
というと。
ハッとしたように裕貴が顔を上げて。
美鈴だとわかると。
それまでの暗い雰囲気が無くなり、暖かい風がふく笑顔にかわる。
「せっかくだけど、おれには愛する妻がいるんで」
素敵な話~♥️
男子のピュアさ、すごく描いてる。
水木杏子先生、すごい‼️
で、水木杏子先生の作品に出てくるメンズには、キャンディキャンディの中のメンズと同じ空気が流れてる。
だから、物語を読む時は、テリィやアンソニー、アルバートさんを登場させながら読むことにしている❤️
この裕貴もアンソニーをイメージしながら読んじゃった~♥️