よかったら読んでいってください!

空想と現実逃避とちょっと真面目

赤い実たちのラブソングを読んで男の子について考えた。

2020-11-07 17:06:54 | 水木杏子(名木田恵子)先生作品について
小学生の頃から、「机上の恋愛」が大好きなわたし。

リアルな男子より、物語の中のメンズの方が数段好きだった。

物語の中のメンズは、すね毛もなければ、部室(ぶしつ)の匂いの汗もかかない。

エロ本も見なければ、おならもしない。ズルなんて、絶対しない。
それどころか。

いつも「愛」のためとか「正義」のために戦っている。

だから、私は学生の頃から、同じことを考えている女子仲間とずぅっと一緒にいて、リアルな同級生男子からは「鎖国」していた。

もちろん。
リアルの、あこがれの先輩男子もいたけど、やっぱり「空想の中」でだけ、キラキラ輝いている感じだった。

近づいていって、現実を知りたくない、っていうような。


だから。


わたし、「男子」について、たぶん誰より知識がない。

男兄弟もいないし、父親も養子に入るような男子エキスの乏しいタイプだし、彼氏もずぅっといなかった。


それなのに、うちには、「息子」がやってきた。

だから、小さな時から彼がやることなすこと、私にとっては、意味不明のオンパレード。

寒い冬の日に、水たまりにバシャバシャわざと入ったり、ダンゴムシをポケットに入れたり。
脱衣所で、下着もトレーナーも別々に脱がずにいっぺんに脱いだり。

うん○とかおち○○ん、で大ウケしたり。

バカなんじゃないの❓


何千回もそんなことを思っちゃう。


と、同時に。


男の子って、ピュアだなぁ~😆って思うことがある。


女子よりピュアかも⁉️って。


悪い言い方をすれば、やっぱりバカ⁉️(笑)


そんな「男の子のピュアさ」を書かせるとNo.1なのは、やっぱり「水木杏子(名木田惠子)先生‼️」


なぜだか、本当に、男の子の素敵さを物語にできる作家❤️

キャンディキャンディに出てくるメンズたちは、みぃ~んな素敵❤️


唯一の悪役男子、ニールだって、水木先生は、「もっと素敵に書いてあげたかった」と思われていたそう。
本当は素敵なのよ~と。(マジか⁉️)

そんな水木杏子(名木田恵子)先生の名著を読みました❤️


またまた素敵な物語だった~♥️


「赤い実たちのラブソング」

赤い実はじけた、に出てくる小学生のその後のお話。

みんな30歳になっている。

15編、それぞれが人生を生きていて、それぞれの物語がある。


なかでも。きゅーん❤️と男子のピュアさ、とか、それを理解する女子の素敵さを感じたのが、「ちょっと好み」という1編。

雨宮美鈴、30歳は、大学の先輩だった裕貴と結婚している。

裕貴は、明るくて楽天的。笑うとやさしさが全開になって、その笑顔から心地よい風が流れてくるようなタイプだった。

それが気に入って、美鈴は積極的に裕貴にアプローチしたのだったが、証券会社に就職した裕貴は、すぐに退職してしまう。


美鈴が仕事から帰宅すると裕貴は、屈託のない笑顔で迎えてくれる。
夕食を作ってくれたり、お掃除をしてくれたり。

会社の面接も受けているみたいだけど、落ちても笑顔の裕貴。

30歳をすぎたら仕事を辞めて、子育てしているはずだったのに、と美鈴はイライラしてくる。
私の稼ぎをあてにしているの⁉️くらい思ってしまう。

やさしいと思っていたけど、優柔不断。おおらかでなく、いい加減。

そんな風に感じて顔を見たくなくなる。

まだ30歳。やり直すなら、早い方がいい。


そんな時。仕事帰りに乗った電車の中で、車両の端の席に深くうつむいて座っていた若い男に目を止める。

紺色のスーツ。白いシャツが清潔そうで、柔らかそうな前髪が顔を隠している。
太い首筋から広い肩にかけてセンチメンタルなムードが漂っていて、美鈴は、「ちょっと、好みかも」って感じるの。


そう思った瞬間、美鈴は自分にあきれて吹き出してしまう。

なんと、その若い男は、顔も見たくないと思っていた裕貴だった。

そして。

その裕貴の姿は、いつも美鈴に見せている、能天気な姿とは違って、暗い表情。

ぼんやりと下方を見つめているその眼差しの暗さに美鈴は心をつかれる。

裕貴は、美鈴に暗い表情を見せたくない、そう思って家の中では明るくつとめていたのだった。

そういえば。

裕貴は、大学院で社会科学を学びたいと思っていたのに、美鈴が結婚をせっつき、大学を卒業し就職したことや証券会社で心底疲労した表情で帰宅しても美鈴の愚痴を聞いてくれたりしたことも思い出す。


そして。

美鈴は、裕貴の隣に座ると。

「あなたって、私好みなんだけど、付き合ってくれないかしら」

というと。


ハッとしたように裕貴が顔を上げて。

美鈴だとわかると。


それまでの暗い雰囲気が無くなり、暖かい風がふく笑顔にかわる。

「せっかくだけど、おれには愛する妻がいるんで」



素敵な話~♥️


男子のピュアさ、すごく描いてる。


水木杏子先生、すごい‼️


で、水木杏子先生の作品に出てくるメンズには、キャンディキャンディの中のメンズと同じ空気が流れてる。

だから、物語を読む時は、テリィやアンソニー、アルバートさんを登場させながら読むことにしている❤️

この裕貴もアンソニーをイメージしながら読んじゃった~♥️
















名木田惠子(水木杏子)先生の赤い実はじけた、読みました‼️

2020-10-30 15:52:25 | 水木杏子(名木田恵子)先生作品について
キャンディキャンディファンの同志の方にチラ見せ(笑)され、どうしても読みたくなった「赤い実はじけた」

アマゾンだとお高い‼️ので、図書館で借りてきて一気に読破。
30分もあれば、読めちゃいます~♥️



内容は。

もう、まさに水木杏子(名木田惠子)ワールド❤️

人の心には、誰でも「小さな実」があって、色々なことに出会うたびに色づいていく。

赤い実になるのは、知らずのうちにいろんな「ドキドキ」する経験が色をつけているから???


そして、ある時。

その赤い実がはじけた時に、パッと目の前の景色がかわったような感じがする。

赤い実がはじけるのは、人が心の底から何かを感じた時。恋だけではなく。

いくつになっても赤い実がはじける瞬間があるはず‼️

との水木先生からのメッセージ。

水木先生‼️それは、53歳になってもですか?(笑)


この本の中には、小学生(高学年)のお話が、7編でてきます。

赤い実はじけた

ジョージ

秘密の日記

まぼろしの恋人

な・ぐ・ら・な・い

さよなら藤木くん

好きなものは、、、



この中には、ちょっとつらい家庭の男の子や笑える男の子、いそう、いそう❗って思う女の子がでてきます。

特にきゃ~😆なのが。

「秘密の日記」に出てくる川口浩幸くん❤️


主人公の琴井みどりは、呼び出された、ゆうぐれの児童館の自転車置場で川口くんにキスされるの。

ぶちゅー、でなく(笑)かすめるような。

で、「すごく、、すきだ、、、
って言われるの。

ま、お相手も小6の男子だから、キスしておきながら、泣きそうな顔をして、肩で息をしている感じ。

実は元々みどりも川口くんのことを好き。

夏休みに会いたくなって、児童館まで出かけていく。

そうすると児童館の先生が嫌な感じで2人を見たり、家に川口くんから電話がかかってきて、おねえちゃんに冷やかされたり。
あげくには、児童館でデートしているマセた子がいる、とまで言われてしまう。


みどりは繊細な優しい子で、川口くんを好きな気持ちとまわりの反応に気持ちが揺れるのだけど。


川口くんは。


「今度からこそこそ会うのやめような」
「オレたち、ただ会って話したいだけなのに行き場がないんだ。だからこそこそ会っちゃうんだ。ずっと考えた。オレ、琴井に会いたい、もっと話がしたいんだ。」って言うの。

みどりが私も、っていうと。

「堂々と会おうな、琴井」って。


で、みどりが。

「川口くん、私たちって、マセてるの?」
と、問いかけると。

「マセてるって悪いことか?オレ、そうは思わないけど。」



甘酸っぱい恋~😆❤️


あ~♥️小学生に戻りたい‼️

かすめるようなキスだけの世界に戻りたい~♥️


ま、最近の平成、令和の小学生は、スマホもってるし、ラインやってる子もいるから、この世界は、もう「昭和」のレガシー(小池百合子さん風に言うと)かなぁ~💧





水木杏子先生について研究する(2)

2020-09-16 10:32:51 | 水木杏子(名木田恵子)先生作品について

先日もブログに書かせていただいたように、小説「キャンディキャンディ」の「あの人」はアルバートさんなのか?テリィなのか?を検証するためには、作者水木杏子先生の作品を読むことから始めないといけない‼️とのことで、図書館で借りて少しずつ読むことにしました❤️


今日は、その中の、すてきな表紙「ワルツの夏」を読みました。


1989年発行。水木杏子先生のお名前でなく、名木田恵子先生名義ですが、水木杏子先生のことです❤️
私にとっては、永遠に水木杏子先生なのだ~‼️


物語は、10歳になったばかりの少女まさこが、ママからの衝撃的な告白を受けるところから始まるの。



まさこは、この10年間ずっとパパは亡くなった、と聞かされていたんだけど、実は生きていて、そのパパが会いたがっている、と教えられる。



いつも嘘をつくなとまさこに言っているママがこんな大切なことを私に嘘ついていた❗



そりゃあ、腹がたつよね~❗信じていた人からこんな大切な話を欺かれていた、と知ったら。


出ていったパパを許せなくて、まさこを自分だけの娘にするために、死んだと嘘をついて、パパからのプレゼントも隠して渡さなかったママ。


つごうのいい時だけまさこをかまおうとしているパパ。

そんな複雑な気持ちを持ちながらも「私のパパってどんな人なんだろう?パパにあってみたい。」
その誘惑に負けて?夏休みにパパの待つ八ヶ岳近くの山荘にひとりむかう、まさこ。


こういう時って、1番大事なのは、「パパが再婚しているか、どうか?」じゃない?


韓流ドラマなら、たいてい純愛を貫いて独り身ってパターンなんだけど(だから韓流ドラマが好き❤️)まさこのパパはあっけなく?再婚。


そして、小1の娘もいるの。



きっつい‼️


きつすぎ。


わたしなら、行かないなぁ。


パパだけ、とお茶してお話をする、でいいわ。


再婚相手の家族と夏休みに1週間も過ごすなんて、ほぼ拷問。


まさこは、拷問とは言わないけど(笑)やっぱり、ひがんだり(当たり前)、悲しくなったり、腹がたったりするの。



まさこのママは指輪をしていないけど、礼奈のママはしていて、なんとなく心がざわついたり。


礼奈がいつもパパとお風呂に入っている、と知って悲しくなったり。


夕食の時、パパが礼奈の方ばかり見ているのが気になったり。


礼奈にはやさしい声で話しかけているのに、まさこには話しかけない、とか。


パパは、まさこの名前を呼ぼうともしないし。


そして、まさこは何回も来なきゃよかった、と泣きそうになるの。


わかる~‼️



わかるわ、まさこの気持ち。


パパが、自分をどう思っているのか?を知りたいし、どう扱ってくれるのか?も心の中でピリピリしながら、観察してる感じ。


まさこはそんな自分を認めたくなくて、嫌で情けなくて。


「あの人はパパじゃない。
おじさんだ」

って思うことにするの。

「おじさんも、私がどんなふうに大きくなったか、見てみたかっただけなのかもしれない。

パパだと思うから辛いんだ。

礼奈のパパだけど、私には関係のない人」


まさこの気持ちが痛いほど理解できて、涙が溢れました。


と、同時に、さすが水木杏子先生‼️ずぶといハートになってきた53歳をホロリとさせるなんて🍀


パパの気持ちもこの年になるとよくわかる。


10年ぶりにあう娘に会いたくて会いたくて、でも実際に会ったらどうしていいか、どんな言葉をかけたらいいのか、わからない気持ち。


そうだよね~😭わかる~‼️


でも10歳には理解は難しいし、何歳になってもこのシチュエーションじゃあ、理解したくない、かもね。


なかなか歩み寄れない二人なんだけど、まさことパパのケンカをきっかけにパパが病に冒されていて、あと1年も生きていられないことを知るの。


礼奈もいるし、礼奈のママもいて、なかなかパパとふたりきりになるチャンスがないんだけど、ある朝、朝のお散歩に行くパパ見つけ、追いかけていくの。


追い付いてきたまさこを見て、パパが信じられない、といったような嬉しそうな、泣き出しそうな顔をするの。


私、号泣。



そして二人は薄紫のまつむし草の花が咲き誇る草原で、ワルツを踊るんだな~♥️唐突?


それは。


まさこが生まれたのは3月23日で、パパの言う「ワルツの日」


1、23、2、23、3、23がワルツのリズムで、パパは、「3、23」が1番ワルツらしいと思っているからだって。


パパは、まさこが生まれた時に、「おおきくなったら一緒にワルツを踊ろう」と決めていた、ってまさこに言うの。


53歳、再び号泣😭😭😭💦


水木杏子先生の作品って、森や湖や風を感じるシーンばかり。


絵画みたい。


なんて思います🍀