瓢簞舟の「ちょっと頭に浮かぶ」

こちらでは小説をhttps://kakuyomu.jp/works/16816700427846884378

映画「敵」

2025-03-12 18:33:11 | 随想
「敵」(監督:吉田大八 2025年1月17日公開)

退院したころには上映が終了してるだろうと思ってましたが、和歌山は2月28日から上映が始まったのでまだ上映中でして、どうにか間に合いました。でも明日には上映終了するのですべりこみセーフってとこです。さすが、あたくしを中心に世界はまわってますな。あたくしがちゃんと観られるように取り計らってくれてます。偉い偉い、褒めてつかわす。

主人公がなんとも俗物で笑える。いや、俗物っていうより、これが人間としてあたり前っていえばあたり前なんですけどね。あたくしにも心当たりはある。だから、主人公を笑いつつ実のところあたくし自身を笑ってる。いやいや、ホント、あたくしも下衆ですわ。高校生のころ筒井康隆を読みまくったせいかしら。
にしても小説を読んだときは、ここまで俗物な感じはしなかったけどなあ。文章だと普通に読んでしまってスルーしてたのが、映像になると俗物感が際立つのかしら。その俗物感が哀しくもあって、笑いながらも切なくなる。

小説の感想として心地好いって書きましたけど、それは描かれ方とともに文章を読む心地好さでもあって、映像で観ると心地好い感じはありませんでしたね。徐々にひどくなる妄想と混乱が狂気をはらみ、それを映像化されると心地好いわけがない。当然ですけど映画と小説は別物です。

なのでラストを変えてあるのかとも思いますが、このシーンを追加することで何を描きたかったのかは、あたくしにはわかりませんでした。ま、どんなことに対してもあたくしの観て取る解像度は低いので映画に限らず解らないことだらけなんですけどね。小説だって勝手な読み方してるし。

映画を観たあとでは小説の読み方も変わるでしょうね。主人公の俗物感に敏感に反応しそうです。死へ向かっての心地好い小説ではなく笑える俗物小説になりそう。






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