キリ・テ・カナワの『マオリ・ソング』を聴きながら

最近，ジムで走りながら聴いているのがこれ，キリ・テ・カナワが歌うマオリの歌。カナワのソプラノは美しく，遠い青い海と遙かな水平線を思い浮かばせる。時々聞こえるバックコーラスのマオリのおじさん達の野太いかけ声がお茶目だ(笑)。

マオリの歌は初めて聴くのだが，ほとんどハワイアン。だが，こちらの方が少し骨太か（専門的にはどうか知らない）。三拍子系の曲も多く（それでも走れる），のんびりと楽園的な気分に浸れる。昨日ご紹介したゴーギャンの世界とは隣町かも知れない(笑)。もちろん，闘争的な激しい歌もある。

面白いのは'Moe Mai e Hine'という曲で原曲は恋を歌うドイツ民謡。それがオセアニアにも伝播して子守歌になっている。子守歌と言っても死の揺りかごのことらしいから，だいぶ詞が変わってしまっているものの歌としては甘く，優しいものになっている。

それはともかく，暑い夏はカナワの歌声に遙かな大洋と大らかな人々と暮らしを想うのもまたよし，である。

歌うキリ・テ・カナワ（You Tube）

■Maori songs. Hine e Hine, Tarakihi, Moe Mai e Hine, etc. Kiri Te Kanawa, soprano, and Maori groups (sung in the Maori language), Recorded in 1999. EMI Classics, CDC 7243 5 56828 2 6