万雷の拍手というのは、本当に久しぶりだ。
反田恭平率いる若手演奏家達からなるオーケストラのコンサートに行った。
ショスタコービッチのピアノ協奏曲1番と、マーラーの巨人という、ショパンコンクール第2位の凱旋コンサートとしての意味合いはないと思われるプログラムに興味が湧いた。
ショスタコービッチは反田本人の振り弾き、マーラーを指揮したのは佐渡裕。
結論をいえば、オケが素晴らしかった。
ヴァイオリンは3プルトづつ、ヴィオラ2プルト、チェロ3人、ベースが二人。
管楽器は木管とラッパがダブル、ホルン3人。
演奏者それぞれが素晴らしく、かといってよくあるソリスト集団とは違って、オケとしてのチームワークがとても優れていると感じた。
おそらく、そういうことがやりたかったのだと思う。
地方のホールで金曜日の午後2時開演のクラッシックコンサートが満員になるなんて、そうそうあることじゃないけれど、楽章間も客席から聞こえた咳払いはひとりか二人で、緊張感はステージ上も観客席側も持続し、演奏終了時には、まさに名盤のライヴ録音のような万雷の拍手だった。
ソリストや指揮者がアンコール曲を演奏するために、振り向いたと思ったら、見事にピタッと拍手が鳴り止み、瞬時に静まり返ったのにも実は驚いた。
これまでで最高の拍手だったと言えるかもしれない。
1600人の人たちが、皆等しい大きな期待感を持って聴きに来ているのだなあと、感心した点は、全く予想外の演奏会だった。
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