病院内でコンサートを開いた。
今回は、プロの方々をお招きして、弦楽カルテットを一緒に弾かせていただいた。
チェロの発表会のときに、数回、カルテットを経験させてもらって、それに味をしめ、たまたま地元が同じであるということもあって、今回、病院でのコンサートの企画をお願いしたら、快く引き受けてくださった。
選曲から、本番までのもろもろの事務手続き、チラシ、プログラム作り、本番当日の舞台セッティングほか、進行役の台本作成まで、裏方仕事をぜんぶやったから、正直疲れた。
しかも、リハーサルは本番当日の1回のみ。
ぶっつけ本番とか、1回のみのリハで本番を迎えるというのは、チェロの発表会のときの慣わしとなっていた。
とはいっても、今回はお客様を前にした演奏会であり、やはり不安だった。
メインは、なんといっても、モーツアルトのクラリネット5重奏曲。
クラリネットのOさんは、弦楽四重奏とあわせるのは初めての経験だったし、1回のみのリハーサルで大丈夫かどうか心配だったけど、素晴らしい出来だった。
先日、師匠に今回の演奏会のことと、この曲を選んだことを報告したら、「最高にいい曲を選んだね」と言われた。
当初は1楽章を演奏する予定だったが、そのことを聞いた師匠が、「え?2楽章はやらないの?」とおっしゃる。
その昔、ドイツの音楽家たちがこの曲を演奏したとき、2楽章でチェリストが涙を流しながら弾いているのを見たことがあるのだそう。
「モーツアルトの作曲ではあるけれど、2楽章の旋律は、まさに神さまの声だね。ぜひ2楽章をやったら?ただし、クラリネットが名手だったらね(笑)」
ということで、まさに神の一声で、2楽章に変更とあいなった。
1楽章の練習をすでに始めてたOさんをその気にさせるのは、意外と簡単だった(笑)
彼女の性格と音色にまさにぴったりの曲だったし、今日のリハーサルでは、たしかにちょっと泣きそうになった。
今回は、もうひとつハードルがあった。
それは、ロングドレス着用ということ。
プロの演奏家の方々にあわせて、私たちアマチュアもロングドレスを着ることにした。
Oさんは、すぐ、可愛らしいピンクのドレスを見つけてきた。
若いっていいわね。
ところが、袖つき(腕を露出するなんてトンデモナイ!)で、気のきいたロングドレスって、なかなかない。
どうにかこうにか見つけて、お直しを余裕を持ってしてもらって、本番を迎えた。
ここだけの話、ニッパーっていうのも、初めて着用。
キモノよりもいろいろ大変だわ。
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