かりんとう日記

禁煙支援専門医の私的生活

喫煙率を深く考えてみるのも面白い

2023年08月28日 | 新喫煙防止教室
小学4年生からの喫煙防止教室後の質問がもうひとつ。

⑥ タバコを一番吸っている国はどこなのか?日本は?
タバコを吸っている人のわりあいを「きつえん率」といいます。
WHO(世界保健機関)が2023年5月に発表している数字をみると、世界で一番きつえん率の高い国は「ナウル」という南太平洋にある小さな国です(男女合わせた平均値は48.9%)。
日本の喫煙率は世界で89位です(20.1%)。
中国25.6%、韓国20.8%、インド27.2%。アメリカ23.0%、ロシア26.8%
タバコを吸う人はだんだんと少なくなっていて、いまでは50%をこえる国はひとつもありません。
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喫煙率のデータは色々あるが、国別の数字を単純に比較する場合は、WHOのデータを用いる。

驚いたことに、WHOの喫煙率データは2020年版以降、男女別の数値を掲載しなくなった。

ここにもジェンダーレス化の影響?
社会健康問題に対する対策のなかで、タバコ対策の優先順位が昔よりも低くなってきているがゆえに、平均値のみの発表に業務縮小されている、といったことではないことを願う。

医学の世界では、やっと「女性特有の健康課題」といったことが意識され始めたところである。
当然、女性の喫煙についても、背景は男性のそれとは異なるので、禁煙治療の際の専門的アプローチのしかたも、男性と女性とでは変える必要がある。

諸外国の喫煙率の男女差は、女性の社会進出度が高い北欧などでは昔からあまり差がない。
中学や高校生だったら、こういったことを考えてみてもらうことも面白いと思う。

喫煙率という視点で、実は色々なことが見えたり、考えたりできる。
#拡張型喫煙防止教室



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