5歳か6歳の頃だと思う。
「お習字」という言葉を大人から聞かされ、一度聞いただけでは音として覚えることもできなければ、もちろん意味も理解できなかったときの自分の感覚を記憶している。
それはまるで大人になった今、外国語を耳にしている感覚そのものだ。
だから、小学生に話をする時は、なるべくわかりやすい言葉を使うようにしている。
ワタシのタバコの授業で一番難しい言葉は、「受動喫煙」だと思う。
それがどれだけ危険なことであるかということを理解してもらうのと同時に、単語としてもきちんと覚えてもらいたいので、小学3、4年生にも教えている。
受動喫煙をしているひとの皮膚温度も喫煙者と同様に低下していることを示すサーモグラフィーの写真を見て「ヤバい、コワイ」と驚いている子どもたちに
『このヤバいことをなんと言うかというと、ちょっとむずかしい言葉だけど、じゅどう・きつえん、といいます』
「じどう・きつえん?」
『ちがう。じゅ・どう・きつえん』
「えっ? じゅうどう?」
『ちがうよ、じゅうどうじゃない、じゅどう!』
「じゃどう?」
ここまできて、9ー10歳児にからかわれていることに気づく(笑)
『ハハハ(笑)オーケー! じゅうどうでもない、じどうでもない、じゃどうでもないよ。じゅどうきつえんね! 覚えたね!』
依存症の原因であるニコチンは、「(笑顔の頬を指差し)ニコッ、(そして下腹部を指差して)チンッ」というジェスチャー付きで覚える。
これも、子どもたちのアイディア。
覚えてくれれば、少々のおふざけはオーケーなのだ。
今日は、ひょっとしたら前世で仲良しだったんじゃないかと思いたくなるような3年生の男の子と会った。
その子に笑顔で見つめられると、不思議とすごく愉快な気持ちになって、お腹の中から笑いが溢れてくる感じ。
たしかに、教室には天使が飛んでいた。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます