とことこ日記~リタイアな日々

透析しながら、歌舞伎に映画、コンサート。
日々に感謝しながら、おまけの人生楽しみたい。

芸術祭十月大歌舞伎 夜の部

2015年10月15日 | 古典芸能
今度は夜の部

 平成27年度文化庁芸術祭参加公演
檀浦兜軍記(だんのうらかぶとぐんき)一幕
 阿古屋(あこや)

 二世尾上松緑二十七回忌追善狂言
梅雨小袖昔八丈(つゆこそでむかしはちじょう)三幕六場
 髪結新三(かみゆいしんざ)


阿古屋


時代物(源平時代)のお話ですが、この「阿古屋」の場面だけが
浄瑠璃でも歌舞伎でも上演されることが多いようです。
平成九年からずっと玉三郎のみが演じているようです
(その前はほぼ30年以上歌右衛門が演じている)

わたくし、その玉三郎の初演を観てるんですよ(えへん)
その初演を観たとき、琴三味線・胡弓を自分が弾くというところにもびっくり。
しみじみとした風情のある舞台でした。

初演は人形浄瑠璃で、歌舞伎ではその浄瑠璃が元になっているということで
舞台に大夫と浄瑠璃三味線がならびます
出演の悪役が人形ぶりで、これがすごく面白い。

今回、奮発して舞台に近いところで観たのですが

まず、花道から出て来るところで、玉さんの息をのむ美しさに涙出そう
演奏も指使いまで見えるのですよ。

まず琴。義太夫との掛け合いで面白い。義太夫もすごく良かった
つぎに三味線。今度は舞台の左手に三味線と長唄が出てきてやはり掛け合い
(長唄は勝四郎さん。声がいいよね)
最後は胡弓。胡弓は玉三郎のみが弾くわけですが、とても上手でした。
胡弓の音がまたいいのよ。この悲しい場面にぴったり。
阿古屋の心情を表しているということです。

阿古屋は遊君(傾城)なので、
打掛着て、大きな帯を前で結んで、しかも大きなかつらですから、
演奏するのは大変。すごく体力もいるわけですよね。
(演奏中は打掛は脱いでます)

菊之助が詮議をする役人役で、また良かったですよ。
まあ美しい。襖が開いて出て来るところで息を飲むというか・・
目をつむって演奏を聴いてるわけだけど、
はじめ硬い表情が、情にほだされた表情に微妙に変化してました。
・・やはり、近くで観ないとこういうとこ分からないですね。

玉三郎は多分晩年まで阿古屋を演じることでしょうが、次は誰だろう
やっぱり菊之助かな・・遣りたい人は多いと思いますけど。

まあ言葉が貧しくて、うまく表現できませんが
とにかく感動。
大げさでなく、生涯最後の観劇でもいいと思いました。


髪結新三

西日がきつくて映り悪し。

二世松緑の当たり役ですよね。
勘三郎(先代も)菊五郎も得意にしてたようで、
ちょっと良い人そうに見えて、実は悪人というところで、
最近の三津五郎、橋之助もよかったです。

松緑は目力があって、小悪人風なので
出てきただけで本性がでちゃう(笑)
そこがいいのかどうか。私はいいと思いました。

正直心配でしょうがなかったけれど、なかなか良かったですよ
滑舌がいいしね。

時蔵、左団次、秀太郎、右之助・・脇が良かったし、
仁左衛門と菊五郎のご祝儀出演で満足度も上がります。


私の「芸術の秋」は大満足


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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
kazさん (ちーた)
2015-10-17 09:33:29
あら~kazさんも初演をご覧になったんですね。
着物が大きいし帯もじゃま(笑)だし、安定させるためにペタンだったのかも。
写真で見る歌右衛門のは、まさにペタンです。
今回はそうでもないような・・体は大変でしょうね。

私も菊之助が一番で、次いで七之助が合っている気がしています。
本当なら福助がちょうどいま遣って欲しい時期ですよね・・歌右衛門襲名にとか最高。まだ発表はないので期待してるんですが、再出演無理なんでしょうか

PD時代は体調に不安もなくて元気でいられたんだけど、どうしてもカテーテル不安がありましたね。
無事回復されますように。
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11月 (kaz)
2015-10-16 21:33:40
阿古屋、いいですね~☆
私も初演、見ています。胡弓がすごく話題になったのを覚えています。
玉三郎が舞台にペタンと座って弾いていたような…。
品を下げないで、できるのは、玉三郎、最近の菊之助、私は、七之助にも期待しています。
福助さんは、お気の毒としか言いようがありませんね。

髪結新三は、わたしもこの間亡くなった勘三郎が好きです。間のよい、巧い役者さんでしたよね。
ああ、夜の部見たかったです。
PDのカテーテルの出口が、炎症気味で、薬をもらったら、少々くらくらして、ガッカリ。
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TAMUさん (ちーた)
2015-10-16 13:42:07
玉三郎の阿古屋初演は平成9年正月。
当時毎年お正月は国立に行くことが多かったので、観ることが出来ました。
その時のプログラムに、若い時から女形として三曲を仕上げるまで稽古し、「お許しを得て」「念願かなって勤める」とありました。

最近の菊之助は玉三郎の指導を受けることが多いらしいですね。菊之助のを観たい。でもまだ当分玉三郎でしょう。

勘三郎は新三のキャラクターとして、ピッタリでしょうね。ワルで愛嬌、色気も(笑)。もちろん芝居上手だし。
話自体が面白いから、どんどん若手にやってもらっていろんな新三も見たいです。

仁左衛門、菊五郎は出て来るだけで拍手もひときわで。どよめきあり。
ぐっと舞台が華やかになるんですよね。

今月は昼も夜も大満足です
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すごいすごい! (TAMU)
2015-10-15 19:41:43
「阿古屋」
玉三郎の初演はいつごろだったの?
やっぱり歌右衛門から教わったのかしらね..?
次は菊之助に伝えてほしいわね...
表情が見えるほど前の席で...! いいわぁ!!!

「髪結新三」
私が観た中では、勘三郎がよかったわぁ!
その、はじめはいい人風で、とちゅうでガラッとワルになるところ、
でも大家さんには敵わないところ...
・・・ワルでも愛嬌がこぼれてね。

松緑は、松緑ならではの色合いで新三を演じたんだと思う。
なんか想像がつくわ...♡
そういうのが歌舞伎のみどころよね♪

仁左衛門と菊五郎のご祝儀出演、知って、キャーと思いました 
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