とことこ日記~リタイアな日々

透析しながら、歌舞伎に映画、コンサート。
日々に感謝しながら、おまけの人生楽しみたい。

文楽菅原伝授手習鑑 国立小劇場 2020.2.18一部

2020年02月29日 | 古典芸能
時代物浄瑠璃全5段の名作
今回の文楽はそのうちの3段目に当たるもの。
ちなみに、2週前に歌舞伎座で観たのは、初段と2段目後半。
考えると江戸時代の観客さんすごいですね。いったい何時間かかるんでしょう。
歌舞伎もそうだけど、一日中やってるみたいです。出入りできたのかも。
*ちなみに個人的に気になっていた、文楽菅原伝授手習鑑を調べて最後に記しました。

第一部
昼の部
吉田社頭車引の段
佐田村茶筅酒の段
同 喧嘩の段
同 訴訟の段
同 桜丸切腹の段


車引の場面は歌舞伎で単独でよくかかるので何度も観ています。なんか顔見世みたいに扱われますね。
佐田村の段も、歌舞伎で時々かかりますが、一部だったりします。
ちょっと名前が違うし、どうなんでしょう内容も少し違うのかな。そこわかっていません。

ただ、文楽が先なので、できればしっかり見たいものです。
有名な、寺子屋は両方観てます。
文楽は、人形が動くし、大夫が語るので、わかりやすいのと、
感情移入は自然にできると感じています。
歌舞伎はリアルなのできついんですね。特に子役が可哀想で。


*文楽菅原伝授手習鑑を調べてみました。
太字が今回のです
ちなみに2月に歌舞伎座で観たのは✙です
二段目の後半は合わせて「道明寺」となっています。

初段  大内の段
     加茂堤の段✙
     筆法伝授の段✙
     築地の段
二段目 道行詞甘替
     安井汐待の段
     杖折檻の段✙
     東天紅の段✙
     承相名残の段✙
三段目 車曳の段
     茶筅酒の段    
     喧嘩の段    
     桜丸切腹の段
四段目 天拝山の段
     北嵯峨の段
     寺入りの段
     寺子屋の段
五段目 大内天変の段

全部聴いたら何時間なんでしょう

二月大歌舞伎 昼の部 2020.2.4

2020年02月08日 | 古典芸能


十三世片岡仁左衛門二十七回忌追善狂言
菅原伝授手習鑑すがわらでんじゅてならいかがみ

仁左衛門が管丞相を務めるということで行ってきました。
が、実は5年くらい前(平成27年3月)に、観に行ってることが分かって、
そういえば観たな・・仁左衛門の管丞相で
ただ、他の出演者が多分全員違います。印象とか記憶に影響しますね。

加茂堤

物語の発端。天皇の弟と道真の娘の出奔が描かれる

筆法伝授

仁左衛門が静かな演技、というかほぼ座っている。それで存在感がすごい
やっぱり道真だわ~って貫録。

道明寺

この場は、そうそう観たことあると思ったけれど、だいぶん印象が変わっているんです。
その大きな要素は、道真の伯母覚寿役が、玉三郎だというところでしょうか。
覚寿が主役かと思うくらいの存在感。演技も良い。
白髪のお婆さんなんだけど、美しく凛としてる。

以前に観たときは、単に道真と木造像の入れ替わりの話?かという印象でしたが
人間の家族の物語としても、非常にわかりやすく感じました。やはり玉三郎すごいです。

仁左衛門も、木造像役の時は少し歩き方がぎこちなく、
それで以前観たときは、体調悪いのか?なんて勘違いをしました。

大悪人役の歌六の貫禄。小悪人役彌十郎のおおらかな可笑しみ。
勘九郎が桜丸と奴の二役。華があるし演技も面白い。
大変見ごたえのある舞台を楽しみました。
仁左衛門ファンが集っているんだと思いました。年齢層も高め。
時節柄不安もありましたが、セキもあまり聞こえず、静かな観客席。

菅原伝授・・は、菅原道長(管丞相)の伝記をもとにしてるといわれますが
今回演じられたこの前半は、道真の人柄が分かって興味深いです。
後半はスピンオフともいえる、部下の息子の三つ子の物語で、全然違うお話みたいですよね。
「車引」と、「寺子屋」は、よく単独で演じられることが多いですね。
私など、全体の話が見えないなあと感じてました。
平成27年の時は、昼と夜で通し上演だったのを観たのですが・・
まさに猫に小判。
まあ、歌舞伎は考えすぎずに楽しみたいと思います。


壽初春大歌舞伎 新橋演舞場2020.1.21

2020年01月23日 | 古典芸能
今月3回目の歌舞伎です。
やっぱり新年は歌舞伎を楽しみたい

新橋です。海老蔵座長公演
夜の部へ。

一、神明恵和合取組かみのめぐみわごうのとりくみ
め組の喧嘩

何度か観たことはあると思います。顔見世みたいなかんじ。
今回は通しっぽい流れなのが分かりやすくて、良かったです。
ただまあ、いつも感じる、それって命かける喧嘩の理由ですか?ってかんじがね。
時代変わって、共感はしにくいです。

海老蔵・勘玄君での親子のやりとり、とか
大詰めの大立ち回りはすごく迫力あって面白い。
とりあえずは鳶も相撲取りも引き下がるという、
暗くない幕切れといい、お正月にはぴったりでしょうね

今回花道の横の席を取れまして
顔も姿も美しい、海老蔵がばっちり見られました。
大きな目を活かしての演技とかも
・・すごいわ
客席も、おお~うつくしい~ざわざわ~
それはありがたいのですが
花道を、鳶の若衆が全速で駆け抜けるのが怖くて
長いはしごを抱えて走る方もいますし
冗談でなくへたすると大けがしそう。

二、新歌舞伎十八番の内
雪月花三景せつげつかみつのながめ
仲国

平家物語を背景にした舞踏劇。話はよくわからない。新たな台本とか。
むすめのぼたんさんが美しく踊り、すっぽんから出て、奈落に消えて。
海老蔵が豪快に華やかに舞いました。
海老蔵の踊りちょっと面白かったです。躍動的。新しい感じがしました。振付藤間勘十郎。


昼の部も興味あったけど、体力考えて。
秋元康の新作を遣ったようですね。
で、これがやや評判悪いみたい。
まあ新作歌舞伎は難しいですよね。
それに、実は海老蔵は人気もすごいけど、その分アンチがいるのよね。
なので、評論は無視。自分で観てから考える。
私も正直、海老蔵の気になるところはあるんだけど
とにかく、決意と行動力はすごいし、ひたすら美しい。
なにしろ歌舞伎の看板ですので、応援しようと思っています。
団十郎の襲名が間もなくで。まだ若いのに大変だなあと思います。
でも団十郎になれば、今より発言力が強くなるのかも。
そうなれば、活動しやすいかも・・。


今月はお正月公演でもあるので、国立、歌舞伎座、新橋演舞場を楽しみました。
客層がだいぶ違います。
国立は地味かな。男性も多いし。
歌舞伎座はやはり華やか。年齢層が一番高い。
演舞場は、海老蔵だからだと思うけど、若い元気な女性でいっぱいな感じで、
出待ちの人垣がすごかったです。

寿初春大歌舞伎 2020.1.14

2020年01月15日 | 古典芸能


やっぱりお正月ムード・・と言いたいとこですが、もう落ち着いてる

一、醍醐の花見

ご存じ秀吉が栄華の頂点で催した花見の宴。
親子や兄弟役者が揃って、華やか。
淀殿役で、福助登場。
台詞は通ってるんですけど、動きは少なかった


二、奥州安達原
袖萩祭文 そではぎさいもん

浪人と結婚して家を出た娘が盲目になり娘を伴って、実家に現れる。
その袖萩を、雀右衛門。
目を瞑ったままで三味線を引きます。
良いところが出て、こういう可哀想な役はぴったりです。
元が文楽なので、語りで悲しみを浮き彫りにします。
泣いてる観客も多く、私もぐずぐずしました。子役が可愛い。
まあ理不尽なんだけど、父親と娘が同時に自害してしまう前半を堪能。

後半になると、かたき討ちや家の再興のお話。
芝翫や勘九郎が豪華な衣装で格好よく魅せますが
なんだか話が難しく、感情移入は止まり・・
ちょっと疲れました(体調不良)。


三、素襖落すおうおとし

一昨年の松緑のを観て以来でした。
松羽目物のおおらかさとおかしみで楽しい演目です。
型も違うようですが、松緑と吉右衛門のキャラの違いは大きいでしょうね。
別物に見えました

松緑は豪快にきちんと演じててすごく良かったんですよ。
で、吉右衛門は洒脱というのか、余裕の可笑しみなんですね。
ただ息切れてらっしゃいました(遠くからはわからないと思う)。お疲れ様。


四、天衣粉上野初花河内山
くもにまごううえののはつはな こうちやま

白鷗の幸四郎時代からの当たり役ともいえそうです。
表情や台詞のいい方で、裏の顔を垣間見せるという感じ。
表情が見えるお席だったので、楽しかったです。
吉右衛門が甥の幸四郎と演じたのも観ていますが。
まあ似てるから・・ちょっと違いが判らない


全体にお正月公演らしい豪華さ。満足しました。








初歌舞伎 国立劇場 2020.1.9

2020年01月12日 | 古典芸能
今年の初舞台は国立劇場です。

通し狂言菊一座令和仇討きくいちざれいわのあだうち
このところお正月は菊五郎座長の菊五郎一座の狂言です
南北原作で、有名なキャラクターが時代を超えて出てきて、なかなか面白いお話でした。
それに、国立ならではの、通しというとこが嬉しい。



お正月気分になりますし、男性客も多いです。
ただ、歌舞伎座には華やかさで負けてるかな

菊五郎一座と言えば、菊五郎、菊之助はもちろん
松緑、時蔵、團蔵とか、楽善、彦三郎、亀蔵親子とか、右近、梅枝
萬次郎、片岡亀蔵とか、役者がそろってます。
松緑の息子の左近くんも出演。声変わり終わったのか青年声になってました。
13・4歳かな(体はまだ小さい)


菊之助は綺麗な若武者で、それはそれでいいんだけど、物足りないと思ったら
女性に間違えられたのを利用して、廓に身売り・・当たり前にさすが綺麗で、嬉しい。

申し込む段階で、ダブル花道とは知らなかったので、いつもの花道よりの席にしてたので
両方の花道に、菊之助と松緑が同時に出てきたり、同時の引っ込みあり。
とてもわくわくして、かっこいいんだけど
・・左見て右見て、左、右・・忙しい~
真ん中の後ろが、観やすいだろうなあ。

ほぼ最後の立ち回りがやっぱり楽しい。
さて、お家騒動から、かたき討ちの話になるんですが、この後はまたの再会に・・
という展開がお正月らしい。
お正月恒例の、手ぬぐい撒きもありましたが、取れず。
これ難しいですね。自分に飛んでこない限り、手を出せない・・



十二月大歌舞伎夜の部 2019.12.10

2019年12月12日 | 古典芸能
先週に続き歌舞伎座へ


やはり先週に近い客層(純粋歌舞伎ファンぽい)
賑やか。わいわい。

今回もお席の近いおふたりと少しおしゃべり。
どちらも玉三郎の追っかけだそうで、特にお一人は全国公演を追いかけてるそうです。
後ろのお客さんも、玉さん目当てで、一つ目は寝てるかもなんて(悪意あり


一、神霊矢口渡しんれいやぐちのわたし
頓兵衛住家の場

極悪人、渡し守頓兵衛を松緑。
純愛に生きる、初心な娘お舟を梅枝。

松緑良かったです。
個性が強すぎて、正直前半のしっとり感を損なわないか不安でしたが、
ぴったりの悪役でした。動きが大きくてこういう話に合います。

梅枝がまた期待以上。いつもは凛とした印象ですが、かなり色っぽい。
少しお話した方の見立てで、玉三郎が指導してるから似てきた・・と。

この話は、浄瑠璃が元なので、動きが派手。
分かりやすいしこういうの好き。
多分後ろの方も寝てなかったと思います

ところで、この舞台絶対観てると思うんですが、記録もカタログも見つからず。
そのときも面白いなあと思ったんですが。

二、本朝白雪姫譚話ほんちょうしらゆきひめものがたり

ご存じグリム童話を、歌舞伎化
これが予想以上、すごく良かったです。

原作に忠実なストーリーを、巧みに日本化して実によく出来てる。
個人的には新作歌舞伎で最高に好きです。
まず、脚本がよく出来てると思います。
音楽も違和感なく、ちゃんと長唄で、新しく作ったようです。
玉三郎考証の衣裳も素敵でした。

白雪姫を玉三郎が可愛らしく演じて。
鬼母を児太郎。まあすごく良かったです。表現力というか演技力自在。
鏡の精に梅枝。これもぴったり。
児太郎と梅枝が、まさに鏡写し。

昼の「阿古屋」を彷彿させる、3人での琴演奏有(実際には一部のみ生)

「七人の妖精」。子役がカラフルな稚児姿でまあ可愛いこと。
おなじみハイホーも取り込んで。

それから大事なこと
紗?を使った、舞台がまた素晴らしいのです。
御殿の中から森の中まで、うまく変化させています。


少しネタバレですが、
最後に、鏡の精は実は、母の心の声だった、ということです。
この話、真の主役は、母親だと思います。
すばらしい解釈に納得


玉三郎の追っかけの皆さんももちろん大満足されてました。


十二月大歌舞伎 昼の部Aプロ 2019/12/3

2019年12月03日 | 古典芸能


久しぶりに歌舞伎座へ
とても賑やか。
入ってすぐ客層がちょっと違う気がした。
いわゆる歌舞伎好きな普通の方々が集まってるかんじ。
先々月は着物の方とか関係者?ぽい方が目立ってたんだけど。

今日の昼の部は、玉三郎の阿古屋がありますから、人気があるのは当たり前
写真の酒樽の真ん中に、大入りの札がかかっています。
昨日開幕のせいもあって、売店もおお賑わいでした。


一、たぬき
大佛次郎の新作歌舞伎を中車が主演。
放蕩の果てに急死した男が、焼き場で息を吹き返し
どうせなら冷たい女房と別れて、妾とやり直そうとするところ、
妾に情人がいることが分かり、別人として生きていく・・

面白かったです。感情移入はちょっとですが・・


二、村松風二人汐汲むらのまつかぜににんしおくみ

梅枝と児太郎が、姉妹の海女がかつての恋人を思う舞踊劇を。
この二人は、昨年に続き、阿古屋を、玉三郎とのトリプル上演してます。
多分玉三郎の期待を受け、薫陶中。
すっきりと背も高いし、とても綺麗で情緒あり。


三、壇ノ浦兜軍記
阿古屋

昨年は児太郎のを観ましたが、今年はやっぱり玉三郎。
(児太郎さん可愛くて十分良かったですけど)
それに、松緑が憎まれ役の岩永座衛門を遣るので見たかったんです。
(昨年も玉三郎の阿古屋のときに遣っている)

玉三郎の阿古屋は私は2回目なんですが、やっぱりすごい。
劇場の空気が変わります。すごみが違う。
琴、三味線、胡弓いずれも上手。
特に胡弓は完全に一人で。いい音出てました

今回人気のある玉三郎の阿古屋ということで、上手寄りしか取れなかったんですよ。
それで玉三郎の所作はよく見えなかったんだけど、反対に浄瑠璃や長唄は良く見えて、
そういう音楽陣の働きというのか、阿古屋との掛け合いがすごくいいんですよ。
セッションといってもいいかもね。

岩永はばっちり見えました。目が大きいからメーキャップが映える
所作が可愛くて面白い。笑いが起こってる。

結局観るところが多い。
阿古屋に音楽陣に岩永に
1回では無理。

結論は、大満足。

阿古屋の3人



芸術祭十月大歌舞伎 2019.10.8

2019年10月12日 | 古典芸能
目が覚めた時は疲れが強い感じだったので、
これはもったいないけど、途中から行って途中退席かなと考えてたんですが
起きたら結構元気だったので、初めから終わりまで拝見。

今回は写真ないです
アイフォンがロック掛かっちゃって・・
機種変かな。


一、廓三番叟 くるわさんばそう

廓を舞台に、華やに。
扇雀、巳之助、梅枝

二、御ひいき勧進帳・・(ひいきの漢字が出ない)ごひいきがんじんちょう
加賀国安宅の関の場

今回の私の目当てはこれです
通称「芋洗い勧進帳」
私のその昔、二世松緑の演じるのを見て、はまったきっかけの演目
ぜひ当代松緑のを観たいと思いまして。

十八番勧進帳より早期の作品だそうです。
江戸荒事のおおらかさで、面白い。
武蔵坊弁慶が豪勢な扮装とキャラクターで、
奇想天外な物語です。
二世松緑にまさにぴったりだった。
出から場内を圧倒する貫録があり、格別な愛嬌とおおらかさがあって。

客席で、迫力がない・・という声がありましたが、いわゆる勧進帳と比べたら、それはね・・
演出も演技も違いますから・・

今の松緑にも合った作品だと思うので、どんどん自分を出していったらいいと思う。
とりあえず、満足しました

三、蜘蛛絃梓弦 くものいとあずさのゆみはり

片岡愛之助さんが五変化で頑張りました。
小姓、太鼓持ち、座頭までは問題なく、最後の蜘蛛の精も上手でした
途中の傾城だけは、ちょっとね・・。

顔が綺麗なら女形ができるかというと、違うということでしょうね。
何度か美男の海老蔵の女役を観たことありますが、どうしてもちょっと・・と思っちゃうのと同じですね。
顔が綺麗でも骨格が男顔、女顔があるみたい。もちろん体格も。
年齢が上がれば自然に見えるかもです。

ここでジャニーズに例をひくと
・・(ジャニーズならわかるよって方向け)
堂本光一君が昔日本舞踊で女性になったときは、まさに綺麗な女の子になってたけど
美形の滝沢君が、何度か女形をしてたけど、残念なかんじだったの


四、江戸育お祭り佐七

私は2回目の、菊五郎の佐七です。
たくさん若い人を出せるので、それなりに面白かったです。
菊五郎の孫の眞秀君、楽善の孫の亀三郎君の二人で、「お軽勘平」の所作を可愛らしく。


全体に明るい舞台なので楽しく拝見しました。
ただ、長いですけどね。
今回も隣の方と歌舞伎話をすこしさせていただきました。
その方は、次週夜の部もと。玉三郎の元気なうちに観とかないとって。

私は今月は昼の部のみ。
来月は、観ないことに。
夏バテがようやく収まってきてますので。


秀山祭九月大歌舞伎夜の部 2019.9.3

2019年09月12日 | 古典芸能
初代吉右衛門を顕彰する秀山祭(しゅうざんさい)ですが、
今年はその父である三世歌六の百回忌追善としても催されています

私は夜の部のみ

一、寺子屋一幕

個人的には苦手な演目です。
主君の子の身代わりに自分の子を犠牲にする、不条理
吉右衛門の松王丸は、家の芸というべきものらしいです。
菊之助が松王丸女房で。これがとっても魅力的。

福助が出てきて、2歩ほど歩きました・・
それ見て涙出そう。
思い出しても、顔見せた、立った、歩いたでそのたびに拍手喝さい。
私だけでなく応援してるファンは多いと思います。

義太夫に、7月に人間国宝となった、竹本葵太夫さんが出てました。さすがにいいです。

二、勧進帳

これが本日の一番のお楽しみです
仁左衛門の弁慶は多分初めて観ます。
当たり前に、美しいし、格好いい。
踊りも台詞ももちろん、最後の六方での引っ込みまで完璧
ケチをつけるなら迫力は少々・・とはいえ75歳。
十分に素敵。これが、芸というものでしょう。
知盛はもう遣らないと決めた仁左衛門ですが、
弁慶は遣れる、遣ると考えているんですね。

幸四郎が、富樫でなかなかよかった。声が通る。
義経に孝太郎。

今回の勧進帳は、仁左衛門と幸四郎の、ダブルキャストです。
高齢役者の対応もあるだろうし、世代交代や若手教育の面でも、とてもいいと思います。

義経は孝太郎。
富樫は、幸四郎と錦之助でダブルキャストです。
ということは、幸四郎は日替わりで、弁慶と富樫を遣るんですね。


三、松浦の太鼓

三世歌六が初演して、初代吉右衛門に継がれて、「秀山十種」のうちに定まってるとのこと。
今回は、三世歌六百回忌追善狂言のひとつで、当代歌六が主役のお殿様。適役。
歌六の弟又五郎が、大高源吾。
東蔵が、宝井其角。

演者が揃って、まとまってるし分かりやすいし、ある意味ハッピーエンドだから
気分よくお開きですね。
割と元気に帰宅しました。




八月納涼歌舞伎第三部2019.8.22

2019年08月27日 | 古典芸能
8月は暑いし歌舞伎はお休みにしようと思ったけど
玉三郎が映像を使って意欲的なお芝居をするらしいので、行ってみました。
日中暑さが厳しいので、往復でぐったり。やっぱり夏の芝居は辛いかな。

見ましたのは、第三部のみ
新版雪之丞変化しんぱんゆきのじょうへんげ
時代小説を歌舞伎にしたもの。
今回は新たな脚本で玉三郎の演出で。

舞台回しの若手がいたり、映像の利用で早い展開
玉三郎が若い女形。七之助が先輩役。
中車が師匠と、敵役その仲間を何役か。

中車演じる仇の仲間4人が、白塗りの中車の面をつけて、
合計5人で踊りというか所作をする場面はかなり面白かったけど
新作はやっぱりちょっと感情移入が難しいな私は。
特に音楽がカラオケに聞こえてしまう・・。

最後に、玉三郎中心に若手10人で、花祭りの踊り
玉三郎がひときわ美しくて、「見返り美人」みたい
ここで、杵屋勝四郎ほかの長唄三味線も出てきて、
ちゃんと演奏してたとホッとする。
お話は暗いんだけど、最後に華やかな踊りで満足しますね。





その他は見てないけどご紹介

第一部
伽羅先代萩めいぼくせんだいはぎ
玉三郎監修で、七之助が政岡を初役
幸四郎が、八汐(初)と弾正を
勘九郎の息子二人も出て、面白そうです。
ただ物語はあまり好きじゃない

闇梅百物語やみよのひゃくものがたり
いわゆる百物語を趣向とする、夏物ですね。
これ面白そうな舞踊劇らしい
観たかったかも

第二部
東海道中膝栗毛
この何年かは原作を下敷きにした、かなり奇想天外な話になっています。
去年のは観たかな・・
幸四郎と猿之助中心に、若手や歌舞伎の王子さまや玉子が出るから、一番人気。
幸四郎と猿之助が宙乗りしたらしいです。
面白そうでしたね。