東京電力福島第一原発事故を受けた福島県の県民健康調査を巡って八月末、県側による医療システムの導入が不当だとして住民監査請求が起こされた。詳しい甲状腺検査が必要な子どもたちの血液を保存する設備で、実に三十年で七十万件もの数を扱うが、対外的な周知はなく、「何のために使う」と請求者側は不信を募らせている。長く問題視されてきた健康調査の不透明さが、カネの面からも改めて疑問を示された。 (榊原崇仁)http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2018091602000165.html
「公正な県民健康調査を実現する会」https://kenkochousa.jimdofree.com/
住民監査請求について
公正な「福島県民調査」を実現する会(代表 小池光一)は本日27日午前、福島医大が「県民健康調査」事業費を使って、「県民健康調査」とは直接関係のない大規模な機器を購入しているのは違法な支出であるとして、福島県監査委員に対し、住民監査請求を申し立てました。
1、申し立ての内容
公立大学法人福島県立医科大学は、平成28年度と平成29年の2年にわたり、甲状腺検査で2次検査を受診した患者の血液試料70万本を長期保存するため、「県民健康調査」事業委託費から2億5000万円を支出し、「自動検体システム」を購入しました。しかしこの「自動検体システム」は、子どもたちの血液試料を長期に保存し、国内外の研究者に分譲するための機器で、「県民健康調査」事業とは直接関係はありません。
これらの支出が違法かつ不当であるとして、購入した県立医大と、購入を許した福島県知事に対し、費用の返還などの措置を求めるものです。
2、申し立ての背景
甲状腺検査の2次検査受診者の血液試料がゲノムバンクに長期保存され、研究に活用されることは、検討委員会で目的や内容が報告されたこともなく、また2次検査を受けた当事者も説明を受けていません。「県民健康調査」委託費の多くが現在、県民が求める健康調査そのものではなく、医大の研究費や人件費に充てられています。福島の子どもの将来のために、健康調査が公正におこなわれるよう申し立てに踏み切ったものです。
3、申し立て人
小池光一(「公正な「福島県民調査」を実現する会」代表、福島市在住、有機農業ネットワーク監査)