
【署名】千葉市東電火力発電所への最終処分場候補地として建設の受け入れ判断をしないよう求める請願
【放射線から子どもを守るママの会@千葉市緑区】
千葉市の処分場候補地 市議会「判断は困難」
環境省からは小里泰弘副大臣と福山守政務官ら、市議会からは向後(こおご)保雄議長ら四十七人(定数五〇)が出席。市議会は市を通じて説明会の開催を国に求めていた。
同省によると、県内の指定廃棄物は約三千七百トン(一キロ当たり八〇〇〇~七万ベクレル)あり、処分場の処理能力は五千二百トンを計画。施設は放射線を遮るため二重のコンクリートと土で覆い、「県内の廃棄物のみ処理し、他県の廃棄物は県内に持ち込まない」と強調した。
候補地は東京湾沿岸部の埋め立て地で、地震や津波など自然災害の影響が懸念される。津波については、南海トラフで想定される地震が起きた場合の津波の高さは三メートルだが、候補地の地盤は高さ四メートルのため、「影響はない」と明言。液状化についても「地下の固い地盤まで基礎くいを打つなど対策を行えば対処はできる」と述べた。
市議会側は「他の候補地との比較、検討ができないと判断が困難」として、選定過程で候補に挙がった上位十カ所の情報開示を求めた。福山政務官は「私有地もありプライバシーの問題もあるが、十分な検討をしたい」と述べた。
市議会側は向後議長が代表して質問。向後議長は説明会後、「各会派で疑問が出ている」と、二回目の説明会を六月定例会前に要請する考えを示した。
「選定経緯が不明」 各会派から批判
指定廃棄物の処分場候補地選定をめぐり、市議会各会派からは政府に批判や注文が相次いだ。
最大会派の自民の小松崎文嘉幹事長は「なぜ東電千葉火力発電所が選ばれたのか、他の候補地と比較できる材料が示されなかった」と不満を述べた。
未来民主ちばの段木和彦幹事長は「若い世代が引っ越すといった風評被害がすでに出ていると聞く。住民への説明会を早期に開いてもらいたい」と要請。公明の近藤千鶴子幹事長も「子育て中のお母さんなど不安に思う市民が、直接質問できる場を設定できるよう働き掛けたい」と話した。
共産の福永洋幹事長は「結論ありきで聞けば聞くほど不満だ。候補地の蘇我地区は公害で悩まされたので今回の説明では住民は納得しない」と反発。
市民ネットワークの松井佳代子幹事長も「津波や液状化の対策が具体性に欠ける」と指摘した。無所属の会の阿部智議員は「環境省がいつ市に打診したのか、経緯が不明で消化不良」と振り返った。
「安全 誰も信用しない」 市民団体 建設反対訴え
千葉市民らでつくる「放射性廃棄物最終処分場に反対するちば市民の会」は二十日、千葉市議会前で、建設反対を訴えた。
会事務局の長谷川弘美さんは「候補地は自然災害が予想される場所で、安全と言われても誰も信用しない。市のまちづくりにとっても良くない」と話した。