真似屋南面堂はね~述而不作

まねやなんめんどう。創業(屋号命名)1993年頃。開店2008年。長年のサラリーマン生活に区切り。述べて作らず

『中国の戦争力―台頭する新たな海洋覇権の実態』 (小川 和久/西 恭之 著 2014年) から

2014-05-12 | 読書-現代社会
中国の戦争力―台頭する新たな海洋覇権の実態
小川 和久/西 恭之【著】
価格 \1,728(本体\1,600)
中央公論新社
(2014/03発売)

意義深い。
有料メルマガの記事を元にしたものだそうで、読者でない我々にとっては、意義深い。

目次
第1章 輿論戦・心理戦・法律戦―日本は中国「三戦」の渦中にいる
第2章 尖閣諸島、南シナ海に拡がる中国の海洋戦略
第3章 中国はアメリカと戦争できるレベルなのか
第4章 中国を凌駕するアメリカの新兵器・新戦術
第5章 変貌するアメリカの戦略構想と日本・アジア同盟国

Takayuki Nishi (TakaNishi1) on Twitter

これか、クリストフのブログで反論したってのは。
Takayuki Nishi - Nicholas Kristof Blog - The New York Times

Neoptolemus論文。
Defense in an Age of Austerity: 2022 | Small Wars Journal

『NEWSを疑え!』第13号(2011年5月16日特別号

出版しました。中国は本当にアメリカと戦争できるのか?小川和久

本書の意義深さを損ねるものではないが、
吉例:若干の重箱の隅を...

中国機尖閣諸島領空侵犯事件
2012年12月13日、尖閣諸島上空で中国国家海洋局所属の航空機(Y-12)が領空侵犯したという事件。

これを本文と写真説明の2か所において「レシプロ機」と強調しているのは奇妙。
Y11ならレシプロエンジンだが、シルエットが違う。
Y12はジェットエンジンの一種であるターボプロップ。

レシプロエンジンとは - 航空軍事用語 Weblio辞書

もしかしてプロペラ機と言うつもりで、往復エンジンのことであるレシプロと書いちゃったかな?
「軍事アナリスト」であって「兵器」アナリストではないということをさりげなくアピールしている?

Harbin Y-11
現在までに多くの機体が製造されている。またエンジンをターボプロップに換装し機体を大型化して開発したものにY-12がある


退役して展示されていたりするレシプロ機のY-11。こっちではない。
Picture of the Harbin Y11 aircraft

いま使われているのは、こっちのターボプロップ機。
Harbin Y-12

次に、2001年4月の海南島事件で米軍のEP3Eが中国軍機に幅寄せしたとの記述があるが、根拠が不明。
中国側の主張に沿った理解か?

中国機は米機のプロペラで2つに切り裂かれて墜落して行き、パイロットは脱出できなくて行方不明になっていて、証言する者がいない。
いないけれども、黒を白と言いくるめる習性で、米軍機がぶつかってきたというのだが。

米側機長のインタビュー等から見る限り、幅寄せなどする余裕はなかったと思われる。

「強制着陸させられた」というのも不明だ。
衝突でプロペラブレードが損傷するなどして飛行が継続できなくなった(フェザーして空気抵抗を最小にすることもできなかったので、どえらい抵抗)米機は、着陸可能な場所を探して、(無線の応答がなかったので)強行着陸した。

あの状況を強制着陸とは言わないだろう。
許可なく領空に侵入(衝突によりやむなく)して勝手に着陸したという事実が、事態の収拾に際して米側から出された文書(遺憾のイを表明する感じ?)でsorryを表明した点の一つとなった。

なお、その時のオズボーン機長は、少佐で退役し、ネブラスカ州トレジャラーを務めた後、2014年の連邦上院選の共和党候補に名乗りを上げ、予備選で茶会系のSasse候補熾烈な戦いを奮闘中。

Shane Osborn for Senate

予備選は5月13日

また、空母の説明でかなり詳細な記述があり、説得力があるのだが、旧日本海軍の空母との比較で、九九式艦上攻撃機と連呼しているのは、単なる見落としか。
爆撃機だよね。
兵器アナリストではないので、旧日本海軍の飛行機の分類など、どうでもいい?

以下蛇足(冗談)。

「ソヴレメンヌイ」(現代の、最新の)

タラオバンナイ

マツオバンナイ

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