「アメリカ犬事情 南部州から北東部州へ救出される犬たち その2」
からのつづきです。
原文:「Adopt a Dog With a Southern Drawl」
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2011年、アメリカ動物虐待防止団体 ASPCA は
収容の余裕が無いシェルターから犬や猫を引き出し
里親縁組の需要がある州や町に輸送、
新しい飼い主を探す「Relocation and Transport Program」
と言うアダプション活動を開始しています。
また北東部ニューヨーク市のロングアイランドを拠点とする
アメリカ最大のノーキル犬猫保護団体
「The North Shore Animal League America」では
他のシェルターやレスキュー団体と協力して
南部州のシェルターから犬を引き出しニューヨーク州へ輸送、
2013年には5000匹以上の子犬を含む
計6672匹をレスキューし
新しい飼い主と里親縁組させています。
The North Shore Animal League America
アダプショントラック(拝借画像)
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一方で南部現地でも北東部のレスキュー団体と連携して
ボランティアする人たちも多く、フェイスブックや
Petfinderなどに犬や猫の里親募集の写真を掲載したり
里親が決まるまでの一時預かりなどもして、
殺処分から救い出そうとする人もいます。
ニューヨーク市ブルックリンのレスキュー団体
「Badass Brooklyn Animal Rescue」は
少ない資金ながらも南部現地のボランティアの人たちと協力して
3年で1200匹の犬を
南部のハイキルシェルターから救い出しています。
※ハイキルシェルター 犬や猫の殺処分を高率で行うシェルター
※ノーキルシェルター 犬や猫の殺処分を行わないシェルター
また南部テネシー州を拠点に活動している「P.E.T.S. 」は
南部7州のシェルターから週に一度犬たちを引き出し、
専用のトラックで北東部のニュージャージー州、ペンシルべニア州、ニューヨーク州、
コネチカット州を含むニューイングランド地方の各州に輸送しています。
この10年間で5万匹以上の犬を救いました。
(※2016年現在では 6万2474匹以上となっています)
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P.E.T.S.
アダプショントラック(拝借画像)
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このようなレスキュー活動は南部の州にとってはもちろんですが
北東部の州のためにもなります。
シェルターや保護団体に欲しいと思わせる犬が多くいることで
パピーミルや悪徳ブリーダーと繋がるペットショップ に対抗、
人々の意識をペットは「買う」のではなく「保護する」
と言う方向へ導くことができるからです。
「アメリカ犬事情 南部州から北東部州へ救出される犬たち その4」へつづく