さてさて、「女神」のあとは「ゾンビ」です。天国から地獄へ真っ逆さま(笑)。血を吐くような(?)公式ツイッターで今話題沸騰中の『インド・オブ・ザ・ゾンビ』、じゃなかった、『インド・オブ・ザ・デッド』です。まずは基本情報をどうぞ。
『インド・オブ・ザ・デッド』 公式サイト 抱腹絶倒の公式ツイッター
2013年/インド/ヒンディー語/107分/原題:Go Goa Gone
監督:ラージ・二ディモールー&クリシュナDK
出演:サイフ・アリー・カーン、クナール・ケームー、ヴィール・ダース、プージャー・グプタ―、アーナンド・ティワリー
配給:オデッサ・エンタテインメント
宣伝協力:マジックアワー
3月21日(土)よりヒューマントラストシネマ渋谷、4月よりシネリーブル梅田にてレイトショー
© Eros International Ltd 2013
公式ストーリーがとってもうまくまとめてあるので、それをコピペしてしまいます。でもって、ほんの少しだけ手を入れました。
<ストーリー>
失職したハルディク(クナール・ケームー/上写真真ん中)、失恋したラヴ(ヴィール・ダース/左)、そして彼らに巻き込まれた憐れなバニー(アーナンド・ティワーリー/右)は、ムンバイから「ヒッピーの聖地」として知られるビーチリゾート、ゴアを訪れる。3人は離島を会場としたロシア人マフィアのボリス(サイフ・アリー・カーン/下写真左。右はゾンビなのでお間違いなきよう)が主催するレイヴパーティーに忍び込むが、そこでお披露目された新型ドラッグは、食べた者がゾンビ化する、とんでもない代物だった! 3人はお金がなくてドラッグを買えず、ゾンビ化をまぬがれるが、周囲はゾンビだらけ。しかもゾンビに噛まれたらゾンビになる! パーティーに誘ってくれた、ラヴの新たな意中の女性ルナ(プージャー・グプター)の安否も気遣われる。3人は、ホラー映画で得た知識とTVゲームで鍛えた射撃能力を駆使してゾンビたちに立ち向かおうとするが・・・?
© Eros International Ltd 2013
というお話なんですよ~。ゾンビは、ほとんどが洋モノというか外国人なので、最初に見たときは「やっぱりインド映画は愛国心が充満してるなあ」と思ったものでしたが、今回宣伝会社が送って下さったDVDを見直してみたら、結構デーシー・ゾンビがいました。顔を白塗りしているので、わからなかったのです。
「デーシー」というのは「デーシュ(国)」の形容詞で、「国の、自国の、インドの(人)」という意味になります。以前、『デーシー・ボーイズ(インド人青年)』(2011)という映画もありましたね。この「デーシー」、本作では思いがけないところで使われていて、「そこは笑うとこですよ~」になっています。口にするのは一番トロいバニーなのですが、言われた方は痛いところを突かれて、ものすごく汚いヒンディー語の罵り言葉を発します。英語で言うと「sister f××ker」に当たる言葉です。
実はこの『インド・オブ・ザ・デッド』、汚い言葉がいっぱい登場するのです。私にとってはそれがゾンビ以上に衝撃的でした。アメリカ映画では普通なのかも知れませんが、例の4文字言葉や「bitch」「shit」、ヒンディー語の「bahen ××××」などなどがてんこ盛り。というわけで、日本語字幕はどうなっているのかしら、とチェックしてみたら、割と上品に訳してありました。まあ、日本語は罵り言葉があまり豊富ではないので、せいぜいが「クソ○○」というような表現にしかならないんですが。「クソ」登場の頻度は高いものの、”品”度もきちんと保たれている正統派字幕。字幕翻訳者は公式ツイッターによると藤田奈緒さんという方で、アルカカットこと高倉義男さんの監修のようです。お上手な字幕なので、安心して見ていられます。
↓ハルディクとラヴ。”クサ”を吸っているところ。昔は”ハッパ”と言ってたけど、今は”クサ”なのね。なお、インド映画の常として、最初に「喫煙や飲酒は健康を害します」警告が出るほか、この映画ではさらに範囲の広い警告が出ます。また、該当シーンには右下に「ダメよ、ダメダメ」テロップが出ます。警告を無視すると、こんな風にゾンビ一歩手前になってしまい、墓穴があなたの目の前にパックリ。
© Eros International Ltd 2013
ところで、これまでしつこく書いていますが、『インド・オブ・ザ・デッド』の公式ツイッターが目下話題沸騰中。何と、フォロワーが2000を超えるという、すごいことになってます。配給会社オデッサ・エンタテインメントのAさんが担当なのですが、開設当初は特にハイテンションで、思わずツッコみたくなるようなツイートが次から次へとアップされていました。例えば、こんな感じでツッコんでは楽しんでいたのです。(私のツッコミはいつも関西弁。太字はAさんのツイートです)
どうしても公開日を忘れちゃうアナタ、「チョー・ヨンピルの誕生日」と覚えておけば安心ですよ!
→チョー・ヨンピルって、おたく年いくつやねん?
ちっ!日本アカデミー賞の最優秀外国作品賞って、レイトショーは対象外なんですね。来年、『バードマン』と争いたかったの ですが。
→いやー、この映画が狙えるのは「金のバナナ賞(Golden Kela Award/ボリウッド版ラジ-賞)」ぐらいやと思うでー。
「え?宣伝費?『永遠の 0』の宣伝費より少し多い位かな?」くうー!言ってみてぇー!
→この映画、宣伝費自体が「永遠の0」とちゃうのん?
ほかにも光るツイートがいっぱい。「祖父ネタ」「クイズ方式」「名場面集」(名場面集①のキャプションはおおっ!だったんですが、②はイマイチ。「ゴア 彫刻の海美術館」とかの方が笑えるんじゃない? 下の写真です)などなど、定番もできつつあります。また、「チラシ誤配送事件」というケッサクな出来事もあって、お暇な方は公式ツイッターを開設当初から辿って行かれると大いに笑えますよ~。
© Eros International Ltd 2013
Aさんとは宣伝の関係でメールをやり取りしたのですが、なんだか根はとーっても真面目な方のよう。このテンションでツイートを続けていったら、ご本人も書いてらっしゃいましたが、「公開初日までこのペースで呟き続けられる訳がないので、恐らく当アカウントのフォロワーの皆様は、”公式Twitterが上映より前に閉鎖する”という日本映画史におけるエポックメイキングな出来事の目撃者になれるはずです」という危惧もなきにしもあらず。私の脳裏には、「火花と煙を吹きだすナナちゃん」from『ミラクル7号』by周星馳の図がつい浮かんできてしまいます。公開まであと3週間、何とかオーバーヒートしないよう、とはいえパワーダウンしないよう、Aさんにはがんばっていただきたいものです。
めざせ! 最低の宣伝費で、最高の興行収入!
え? 肝心の映画はどうなんだって? ゾンビの好きな方も苦手な方もたっぷり楽しめます! 笑いあり、涙あり(ボリスの助手がウォトカを持って離れていくシーンには感動! ニコライ、男だぜ~)、お色気あり、アクションあり、脱力あり、苦笑いあり。ウォーターシュートに乗っている気分でお楽しみ下さい!