アジア映画巡礼

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『パッドマン 5億人の女性を救った男』初日満足度ランキング第1位!

2018-12-10 | インド映画

12月7日(金)から始まった『パッドマン 5億人の女性を救った男』。本日、「ぴあ 映画初日満足度ランキング」(こちら)と「FILMAGA 初日満足度ランキング」(こちらが発表され、どちらも第1位を獲得しました! ハリウッドの超大作とかがなかったから、と言われそうですが、それでもダントツの1位です。調査にご協力なさって、「『パッドマン』!」とお答え下さった方、どうもありがとうございました。


金曜日からずっと公式ツイッターやcocoのツイッター等もチェックしているのですが、この中にこういうツイートがあって、ちょっと苦笑いしてしまいました。

「『パッドマン 5億人の女性を救った男』 アメコミヒーローの名前を出すシーンがあるんだけど(予告にも入ってる)、翻訳ではバットマンはオミットされてましたね…。」

皆さん、よく細かいところまで見て、じゃない、聞いておられますね~。その通りで、あそこのセリフは「Deviyo aur sajjano, Amerika ke paas Superman hai, Batman hai, Spiderman hai.  Lekin India ke paas Pad man hai!」となっています。「Deviyo aur sajjano(デーヴィヨー・アゥル・サッジャノー)」は英語の「Ladies and gentlemen」の直訳で、「Amerika ke paas(アメリカ・ケー・パース)」は「アメリカ(のそば)には」、「~hai(ハィ)」は「~がある、~がいる」、「Lekin(レーキン)」は「しかし、けれど」という意味で、「India ke paas(インディア・ケー・パース)」はもうおわかりですね。全訳すると、「淑女、紳士の皆様、アメリカにはスーパーマン、バットマン、スパイダーマンがいます。ですがインドには、パッドマンがいます!」となります。

アメコミヒーローの3人の名前を全部出さなかったのは、これは字幕の字数の関係です。で、3人というかキャラクター3つのうちどれを出すか、という判断ですが、これには『パッドマン』の配給会社がソニーさんだということに関係してきます。実は「スパイダーマン」はコロンビア(ソニー)作品、「スーパーマン」と「バットマン」はワーナー・ブラザースの作品なんですね。ですので、「スパイダーマン」は落とせません。残りはやはり「スーパーマン」が有名では、と思って入れました。というわけで、字幕は「アメリカにはスーパーマンに/スパイダーマン」「インドにはパッドマン!」となっている、というわけなのでした。「バットマン」を入れると、「パッドマン」と字面が似ていて紛らわしかったかも知れず、これでよかったのでは、と思います。


劇場用パンフレットも好評のようで、安心しました。あれは、まずマスコミ試写用にプレスを作る時に、宣伝会社の方が「インド事情がわかりにくいので、これこれこういうことを説明してほしい」とおっしゃり、「『パッドマン』をより楽しむための7つの知識」と銘打って、インド事情を書いたものが元になっています。その時は、「ナプキン55ルピーが物価感覚から言うとどのくらいのものだったか」ということに関して、2001年当時のインド旅行での物価を参照(私は旅行先でいつも収支をメモっていまして、また町で配られているチラシなども拾ってきて、ファイルに入れてあるのです)して、「当時の55ルピー=1100円」という物価換算を出したのでした。その時参照したのは下のチラシで、南インドの大都市チェンナイでもらったものです。

 

チェンナイと北インドの地方都市では、ほぼ物価は同じくらいと思ってよく、従って舞台となったマヘーシュワルもこれぐらいで換算すればいいはず、と思って、マスコミ試写で配られるプレスにはこう書いたのでした。

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チェンナイの中華ファーストフード店「ヌードル・キング」のチラシでは、「野菜焼きそば」が23ルピー、「チキン焼きそば」が32ルピー、そしてソフトドリンクやコーヒーが1杯5ルピーとなっている。55ルピーあれば、菜食主義者なら2人がドリンク付きの焼きそばを食べられる、という計算だ。「ナプキン55ルピー」はドリンク代の11倍の値段なので、今の日本に当てはめてみると、マックのドリンク類が1杯100円としてその11倍、「ナプキン1100円」ということになる。これではやはり、ガヤトリが尻込みするはずである。(『パッドマン』プレスより)

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で、今度の劇場用パンフレットには、新たな物価基準の資料が出て来たのでその資料に即して計算し、「55ルピーは1,460円」と結論を出しました。詳しくは、パンフレットをぜひ読んでみて下さいね。このパンフレットの作成はソニーさんではなく、上映劇場である東宝ステラさんによるものです。この、東宝ステラの編集担当の方がすごいアイディア・ウーマンで、いろいろ指示を出して下さったことによりプレスをかなり書き直し、新たなアイディアも盛り込んで、あのようなパンフになったのでした。何を物価基準とするかによって、金額が結構変わってきてしまうのですが、「高嶺の花」ならぬ「高値のナプキン」だったことは間違いないようです。


では、これから『パッドマン』をご覧になる皆様、たっぷりと楽しんできて下さいね!

 


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2 コメント

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布教活動の成果があったおかげで (よしだ まさし)
2018-12-11 12:26:51
家庭内でのインド映画布教の効果がしっかり出てきていて、嫁さんから『パッドマン』を観たいと言われているのですが、年末でバタバタしていて、2人のスケジュールがなかなか合いません。嫁さんが観たいと言い出さなければ自分ひとりで観に行ってしまうのですが、どうやら家庭内布教の弊害が発生してきてしまっているようです(笑)
しばらく上映が続いてくれるといいのですが。
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よしだ まさし様 (cinetama)
2018-12-12 23:59:26
コメント、ありがとうございました。

ぜひ、奥様とお二人でご覧になって下さいまし。
今のところは入りもよいようなのでこのまま上映が続くのでは、と思いますが、お正月興行の中に割り込めるかどうかはビミョーです。
早くご覧いただくに超したことはないので、お風呂の大掃除とかをちょい後回しになさって、ぜひご覧になって下さい。
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