アジア映画巡礼

アジア映画にのめり込んでン十年、まだまだ熱くアジア映画を語ります

集大成的タミル語映画紹介本

2011-04-04 | インド映画

インドに毎年行くのは、インド映画を現地で見ることと共に、映画関連の書籍やDVD、ポスターなどを手に入れるためです。いわゆる、”資料収集”というヤツですね。収集しすぎた報いが、現在段ボール箱百数十個と格闘する結果になっているわけですが....

最近のインドの映画関連書籍の傾向は、豪華本が多くなったことが挙げられます。経済発展と共に写真を多用する大型本が増え、紙もとびきりいいのを使うため、片手では持てないほど重い本が次々と出版されているのです。今回、国民的大スター、アミターブ・バッチャンの軌跡を網羅した超豪華本で、2009年1月に出版された「バッチャン界(原題:Bachchanalia)」の実物を初めて見ましたが、頭の上に落ちてきたら確実に死ぬな~、という漬け物石みたいに重い本(笑)でした。下の写真がその本ですが、ポスター屋さんの店頭で撮らせてもらったため、あまりきれいでなくてすみません。

2、3年前からインドでは、海外へ送るのに船便が使えなくなった(あまりに料金が安いので、「宛先国でのランディング後の諸費用がまかなえない」と受け入れを拒否されたらしい)ため、航空便、またはSAL便で郵便局から送るか、国際宅急便を使うしか方法がなくなりました。SAL便は送付国、到着国内が船便(地上便)扱いになるため航空便に比べると安いのですが、ムンバイで出そうとすると郵便局ではなくてそれ専用の事務所に行かねばならず、また中身をすべて見せなくてはいけないなど、非常に手続きが煩雑です。従ってムンバイの行きつけの書店では、国際宅急便を使って本を送ってくれるのですが、その送料が結構な額で今回も3,750ルピー(約7,200円)にのぼりました。以前ならこの3分の1ぐらいで済んでいたのに。

一方チェンナイでは、SAL便がアンナー・サライ(旧名マウント・ロード)にある郵便局から簡単に出せるため、自分で持って行って小包を作ってもらい、その場で送っています。小包を作ってもらう、というのはちょっと変に聞こえるかも知れませんが、インドの場合小包はすべて布で覆う必要があるため、郵便局、あるいはその周辺に小包作製業者がいるのです。送りたい物を渡すと布でくるみ、上手に端をかがって、小包に仕立て上げてくれます。

上の写真が、チェンナイの郵便局で小包を作ってくれるおじさんです。布代+手数料は特に決まっておらず、払ったのが十分な額ならそのまま、少なければ文句が出ます。今回は、2個にするつもりだったかなりの量を段ボールを探してきて1つにまとめてくれたりしたので、100ルピー(約190円)払いました。送料は、7キロ強で1,310ルピー(約2,500円)。実はこのほかに郵便局の領収書には、「梱包郵便 90ルピー」と書いてあるのですが、それはどうやら窓口の係員のふところに入るようなのでした。

そんな方法で送った本の中に、今回は「やったね!」というタミル語映画の資料本がありました。「タミル語映画ベスト作品集 1931年から2010年まで」(書籍データ:G. Dhananjayan, "The Best of Tamil Cinema 1931 to 2010" A Galatta Media Publication, Rs. 2999)という2巻本で、私の滞在中に出版イベントが行われたばかりの新刊です。

タイトルどおり、1931年にインド映画がトーキー化し、タミル語映画というジャンルが誕生して以降今日までの、タミル語映画の名作232本が紹介されています。また巻末には、紹介作品の監督別、俳優別リストや毎年のヒット作のリスト、タミル映画人切手一覧(私も数枚持ってます~)などがついていて、あれこれ楽しめるようになっています。

何よりもありがたいのは、映画紹介のページにタイトルの英語訳がついていることで、例えばラジニカーントと並ぶ大物俳優カマラハーサン主演の2008年ナンバーワン・ヒット作『十変化』(原題:Dasavathaaram)の場合は、タイトル下に「The Ten Avatar (Roles)」と書いてあります(下の写真)。これがあると、タミル語ができない私などはどれほど助かるかわかりません。なお、この作品はカマラハーサンが一人十役に挑んでいるのですが、下の写真左端上から2番目は、日本人合気道師範に扮したちょいあやしげな姿です。

ほとんどの作品はポスターも載せていてくれるので、タミル語原題の綴りもわかります。早く片づけを終えて、買ってきた資料をあれこれ眺めてみたいものです。

 


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