またインド映画本の話題ですみません。
昨日、ムンバイの行きつけの書店ストランドが送ってくれた本12冊が届きました。帰国後に届くように、「3月末になったら送ってね」と頼んでおいたので、多分1週間ぐらい前に発送してくれたのだと思います。これが例の、送料が7,200円というヤツです。昔の船便時代は、下手すると4ヶ月ぐらいかかっていたし、送られてくる間に結構本がヨレヨレになっていたのですが、国際宅急便だとさすがに本もしゃきっ!とした形のまま届きますねー。ま、高い送料もよしとしますか。
今回買った本で真っ先に読みたいのが、「ボリウッド・テーマ集」(書籍データ: Tushal A. Amin "Bollywood Themes" Brijbasi Art Press, 2010. Rs. 1695)という大型本。大型本といってもページ数は160ページなので、片手で持てます(笑)。ほぼ真四角の、こんな本です。
表紙のスチールは皆さんご存じの、『オーム・シャンティ・オーム』 (2007)のシャー・ルク・カーンとディーピカー・パードゥコーンです。内容は、ボリウッド映画の特徴的なテーマというか、特徴的な要素を8つ取り上げて紹介したもの。各章のタイトルを挙げてみるとこんな感じです。
1.大作(Grand Cinema)~観客は誰だって大作が大好き。『偉大なるムガル帝国』 (1960)あたりから始まって、『シンは王様』(原題:Singh Is Kinng/2008)など最近の作品までの豪華シーンが次々に登場。この本の裏表紙も、『シンは王様』のアクシャイ・クマールです。
2.恋するムードで(In the Mood for Love)~これはボリウッド映画の定番中の定番要素。「恋」や「愛」を描いていない作品を探す方が難しいぐらいですね。ラージ・カプール監督・主演の『放浪者』 (1955)など、モノクロ時代の名作もたくさん登場しています。
3.スターと踊りながら(Dancing with the Stars)~ソング&ダンス・シーンはボリウッド映画の華! 『格好よさ』 (原題:Tashan/2008)などのカッチョい~いスチールに目を奪われます。「ボリウッド・カーン・ダンス」というコラムもあって、「シャー・ルク・カーンの『たとえ明日が来なくても』のテーマソングを踊るのに必要なもの・・・・黒のジーンズ、黒のセーター、黒の靴、それからニューヨークのブルックリン橋」という笑いを誘う箇所も。そう言えば、この映画のスチールがなぜかムンバイ空港の出発ロビーを飾っていました。
4.悪漢ギャラリー(Rogues Gallery)~『DON 過去を消された男』 (2006)のシャー・ルク・カーンを含む、印象に残るボリウッドのワルたちが一堂に会しています。アムリーシュ・プリーがいないぞっ!(いいスチールが見つからなかった?)
5.妖婦にフェロモン女(Sirens and Seductresses)~お色気たっぷり、男を誘うお姐さんキャラを集めた章です。昔のヒロインは清純さが売り物だったので、こういうお色気担当専門の女優ヘレンとかビンドゥ、パドマー・カンナーらがきわどいダンスを踊っていたのですが、今はヒロインが結構露出度の高い衣裳でダンスを踊っちゃいますね。”アイテム・ガール”という呼び名で、マライカー・アローラー・カーンらが伝統を受け継いではいますが。
6.おふざけコメディ(Comic Capers)~これも昔は必ず、コメディ俳優が出てきてお笑いの部分を担ったのですが、今はヒーロー役が笑いを取ることが多くなってしまいました。特に、『ごまかし』(原題:Hera Pheri/2000)あたりからバディ・フィルムが多くなって、複数の男優が賑やかに笑わせる映画が増えました。
7.シネ”ママ”(Cine'Maa')~インド映画には欠かせない母親像がいろいろ登場。母親像と言えば、『壁』 (原題:Deewar/1975)の有名なセリフ、”ギャングの兄「俺には邸宅も車もある。お前には何があるというんだ?」 警官の弟「僕には母がいる」”がすぐ思い出されますが、『壁』のお母さん、ニルーパー・ラーイも登場してます。
8.祖国インドが呼ぶ(India Calling)~愛国心を描く映画を特集した章。これもインド人が大好きなテーマです。『行け行け!インド』 (2007)などが紹介されています。
なかなか面白そうでしょ? それにこの本は、どの映画のスチールでも割と珍しいシーンが使ってあるのです。著者はムンバイ在住のライターとのことですが、編集やデザインなど多方面に才能のある人のようで、スチール選びにもこだわったのではないかと思われます。たっぷり楽しめそうな本ですが、これも海外のアマゾンで買えますので、ほしい方はこちらへ。
最後に、インドで見かけたシャー・ルク・カーンの写真(@チェンナイ)と、
野原しんのすけ(!)の写真(@ムンバイ)を。
「クレヨンしんちゃん」はヒンディー語等のインド諸語吹き替え版がテレビで放送中で、なかなかに人気なんですよ~。 これは映画館の前で撮ったので、映画も上映されてるみたいですね。
ここ2,3日インド映画(DVD)観てます。前に観たものばかりですが、『KAL HO・・・』『DEVDAS』など、インドの文化、思想構造など考えさせられます。豪華絢爛、ダンスカッコいい、笑い、涙、ウキウキ感と、パワー貰ってます。今の日本が、少しでも被害少なく、共有し、落ち着いて復興していけるように祈ってます。
インド病でいらっしゃるんですか。お熱が高そうですね(笑)。
私の方は、最近は熱を一気に上げてくれるような作品が少なくて、フラストレーションたまり気味です。「これは面白いぞっ!」という作品がありましたら、ぜひ教えて下さいね。