フィルムセンターから、「現代アジア映画の作家たち」のご案内をいただきました。2月17日(火)から約1か月間にわたって行われる特集上映で、福岡市総合図書館の所蔵フィルムを使い、ベトナムのダン・ニャット・ミン監督、インドネシアのリリ・リザ監督、イランのアスガー・ファルハディ監督、インドのマニラトナム監督、パキスタンのショエーブ・マンスール監督、トルコのレイス・チェリッキ監督、そして香港のアン・ホイ監督の作品、合計24本が上映されます。
詳細はフィルムセンターのHPにアップされたチラシを見ていただくとして、とりあえずタイトルだけご紹介しておきましょう。下にチラシの画像も付けておきます。郵送していただいたために折り線が入っていますがお許しを。表紙写真は、上段左から『きのう、平和の夢を見た』(ベトナム、2009年)、『永遠探しの3日間』(インドネシア、2006年)、『火祭り』(イラン、2006年)、『男人四十』(香港、2001年)、『神に誓って』(パキスタン、2007年)、『ボンベイ』(インド、1995年)、『頑固者たちの物語』(トルコ=ドイツ、2004年)です。ジャッキー張學友のアップ、懐かしいですね~。
「現代アジア映画の巨匠たち」
2015年2月17日(火)~3月15日(日)
主催:東京国立近代美術館フィルムセンター、福岡市総合図書館
会場:フィルムセンター大ホール
定員:310名(各回入替制)
料金:一般520円/高校・大学生・シニア310円/小・中学生100円/障害者(付添者は原則1名まで)、キャンパスメンバーズは無料
発券:2階受付にて開映30分前より発売(当日券のみ)
★開映後の入場はできません。
★2-3月の休館日:月曜日、3月31日(火)
ダン・ニャット・ミン監督(ベトナム)
ベトナム映画の先駆者的存在である巨匠ダン・ニャット・ミン監督。今回は1938年生まれである彼の、四半世紀以上にわたる作品群を見ることができます。(原語タイトルが不明のため、英語タイトルを付けてあります。IMDbには原語タイトルで載っているのですが、どれがどれなのか特定できず...)
1.『射程内の街』(A Town Within Rach:1982年・79分・35mm・白黒)
2.『十月になれば』(How I Long for October:1984年・85分・35mm・白黒)
3.『河の女』(The Girl on the River:1987年・94分・35mm・カラー)
4.『グァバの季節』(Guava House:2000年・103分・35mm・カラー)
5.『きのう、平和の夢を見た』(Don't Burn:2009年・105分・35mm・カラー)
リリ・リザ監督(インドネシア)
1999年に4人の監督によるオムニバス映画『Kuldesak(袋小路)』でデビュー。続いて2000年にミュージカル映画でもある『Petualangan Sherina(シェリナの冒険)』が大ヒット、続く『エリアナ、エリアナ』(2002)も注目されて、一躍インドネシア映画の新時代を牽引する監督と目されるようになったリリ・リザ監督。脚本家、プロデューサーとしても活躍中の44歳です。
6.『GIE』(Gie:2005年・147分・35mm・カラー)
7.『永遠探しの3日間』(3 Hari Untuk Selamanya:2006年・104分・35mm・カラー)
8.『虹の兵士たち』(Laskar Pelangi:2008年・125分・35mm・カラー)
9.『夢追いかけて』(Sang Pemimpi:2009年・127分・35mm・カラー)
アスガー・ファルハディ監督(イラン)
『別離』(2011)で一挙に名を知られるようになったアスガー・ファルハディ監督の、初期の作品が見られます。『砂塵にさまよう』では、すでにこの頃からストーリーテリングが上手かったのだ!と発見させてくれるなど、ファルハディ・ファンには発見がいくつもある作品群です。
10.『砂塵にさまよう』(Raghs dar ghobar :2003年・95分・35mm・カラー)
11.『美しい都市(まち)』(Shahr-e-Ziba:2004年・102分・35mm・カラー)
12.『火祭り』(Chaharshanbe-soori :2006年・104分・35mm・カラー)
マニラトナム監督(インド)
日本で一番よく知られている南インドの監督と言えばこの人。タミル語映画の巨匠ですが、その作品はヒンディー語にも吹き替えられてインド全土で公開されています。日本版ソフトが『ダラパティ 踊るゴッドファーザー 』(1991)、『ボンベイ』(1995)と『Dil Se 心から』(1998)しか出ていないのが惜しいです。
13.『ロージャー』(Roja:1992年・140分・35mm・カラー)
14.『ボンベイ』(Bombay:1995年・142分・35mm・カラー)
15.『ザ・デュオ』(Iruvar:1997年・166分・35mm・カラー)
16.『頬にキス』(Kannathil Muthamittal:2002年・136分・35mm・カラー)
ショエーブ・マンスール監督(パキスタン)
2007年『神に誓って』で世界中から注目されたショエーブ・マンスール監督。イスラーム教原理主義者やアメリカの9.11など、今日的なテーマが満載です。イスラーム世界における女性像を描いた『BOL~声をあげる~』も注目作。
17.『神に誓って』(Khuda Key Liye:2007年・168分・35mm・カラー)
18.『BOL ~声をあげる~』(Bol :2011年・153分・35mm・カラー)
レイス・チェリッキ監督(トルコ)
2012年の東京国際映画祭などで上映された『沈黙の夜』(2012)の監督です。あの、力強くて滑稽で、荒々しくも繊細な作風はどうやって作られたのか―監督第1作からの軌跡が追えます。
19.『そこに光を』(Isiklar sönmesin :1996年・84分・35mm・カラー)
20.『グッバイ・トゥモロー』(Hosçakal yarin :1998年・115分・35mm・カラー)
21.『頑固者たちの物語』(Inat hikayeleri :2004年・91分・35mm・カラー)
22.『難民キャンプ』(Mülteci :2008年・107分・35mm・カラー)
アン・ホイ監督(香港)
コンスタントに良質な作品を作り続ける許鞍華(アン・ホイ)監督。『桃(タオ)さんのしあわせ』(2011)に続く作品『黄金時代』(2014)の公開が待ち遠しいですが、どこか買って下さったでしょうか。今回はあまり知られていない2作品で、特にオススメは『生きていく日々』。主演女優の鮑起静(パウ・ヘイチン)と息子役の梁進龍(ジュノ・リョン)君がとってもチャーミングです。
23.『男人四十』(男人四十:2007年・103分・35mm・カラー)
24.『生きていく日々』(天水ワイ的日與夜:2007年・90分・HDCAM・カラー)
1ヶ月間、アジア映画の世界をお楽しみ下さい。財布にもやさしい上映会です(笑)。