先日こちらでご紹介した、韓国映画『野球少女』が本日から公開となりました。さっき毎日新聞の夕刊を開いたら、映画欄にバッチリ紹介が出ていて、おおぉ~♥、と思ってしまいました。お二人の記者(どちらも男性)が評していて、長文の高橋記者の方はちょっと惜しい点を指摘しつつ、「『梨泰院クラス』で注目されたイ・ジュヨンは抜群の存在感」と誉めて下さっています。また短い文ながら鈴木記者は、「スインが夢に向かって挑む姿が実にさわやか」という書き出しで、これまた熱い評をアップ。これは、読者にアピールしそうです。
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そして、本日届いた「キネマ旬報」3月下旬号には、「韓国映画はさらに攻める」と題して『野球少女』特集が。執筆者は、先日もネトフリ記事@「サイゾー」でお名前を挙げた、韓国映画&韓国事情に詳しい佐藤結さんと、野球ライターのキビタキビオさん。佐藤さんは何と! 実際に「野球少女」だったそうで、「少年」しか出場できない少年野球チームが前に立ちはだかり、途中で挫折したそう。韓国のこれまでの野球映画(こんなにあったのねー)もざっと紹介されており、その文脈の中で本作を捉えることもできます。また、キビタさんは韓国映画をほとんど見たことがないそうで、野球のリアルから本作を見た場合、どれぐらい評価できるか、という観点からのご紹介。というわけで、これまた興味深いです。ぜひ、一読してみて下さいね。余談ですが、「キネマ旬報」の今号は「2020年映画業界総決算」号で、世界各国の映画業界レポートが掲載されており、私も「インド」の部分を担当しています。ここだけ見たい方は、P.75なので立ち読みしてみて下さいね(スミマセン、キネ旬様)。
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そして、本作は以前にもご紹介したように、プロモのために女子野球選手の対談や鼎談(3人のトークって、「ていだん」って言うんですよ。最近では死語に近いかも知れませんが、鼎=てい、かなえ、は古代の足つき器で3本足だったことから、この言葉が使われるようになりました)動画をいろいろアップしています。先ほど上がったのが、エイジェック女子硬式野球部の吉田えり選手、川端友紀選手、磯崎由加里選手の鼎談で、それぞれが一番印象に残ったシーンを始め、ご自身の経験と照らし合わせての内容紹介が語られています。知っている方もあるかも知れませんが、吉田えり選手は「ナックル姫」と呼ばれている人で、こちらのWikiにもあるように、関西独立リーグの合同トライアウトを受けて合格後ドラフト指名されて神戸9クルーズ所属となり、日本人初の「男子と同一チームでプレーする女子プロ野球選手」となった人です。その時からの吉田選手の武器の一つがナックル・ボールなのですが、『野球少女』でもスインが球速だけでは男子選手と対等に戦えない、とわかった時、コーチがナックルを投げることを提案するのです。脚本段階では、「日本には”ナックル姫”と呼ばれる吉田えり選手がいる」というセリフも用意されていたそうで、国際的にも有名な吉田選手のナックル・ボールなんですね。その吉田選手を挟んだ川端選手(右側)と磯崎選手(左側)のお話、まずはこちらをご覧下さい。
祝公開!『野球少女』野球女子トーク対談リレー⚾︎
”ナックル姫”吉田選手のことは、実は『野球少女』を試写で見せていただいたあと、劇中に出てきた「ナックル」が今ひとつよくわからず、帰宅後にYouTubeで検索して動画を捜しだし、知ったのでした。私が見たのは下の動画で、ナックルの投げ方、飛んでいく球筋がよくわかります。上の動画と両方見れば、吉田えり選手についていろんなことがわかって、たちまちファンになりそうですね。
女性ナックルボーラー吉田えりのエグい変化球!ナックル姫こと吉田えりさんが投げ方を解説✨
また、『野球少女』のプロモのために、全国の高校女子野球部の皆さんが協力して下さった、こんな動画もあります。もうちょっと音声がきちんと拾えたりしたらよかったんですが、雪中での出演もあったりして、思わず「皆さんもがんばってね!」と声を掛けたくなります。そうそう、どの野球部も最後は韓国語の「ファイト!」にあたる「ファイティン~!」でしめくくってくれています。この中から、いつか日本のプロ野球リーグ12球団の選手になれる女子が出現するといいですね。というわけでご覧下さい、「高校女子硬式野球部&女子野球選手エール動画」、そして、対談や鼎談に出演した皆さんのひと言コメント、予告編も最後についているという盛りだくさんな動画です。
映画「野球少女」高校女子硬式野球部&女子野球選手エール動画
えー、これで終わるかと思いきや、ここのところ野球との出会いがいろいろあって、ぜひご紹介したい動画が出てきました。女子野球選手とは全然関係がないのですが、もし、日本で『野球少女』のような作品を作る場合は、この人の少年野球時代のエピソードを取り入れてほしい、と思う選手です。それは「ミスターレオ」こと栗山巧選手。『野球少女』を見たあと何日かして深夜のテレビ番組で下の動画を見、少年野球時代(神戸の子ォやったんか!)から練習の虫だったことや、今も「疲れるまでやる、疲れてからもうちょっとやる」という信条で練習を重ねていることに打たれました。こういうエピソードが『野球少女』に生かされていたら...と思った次第です。スインの練習ぶりは、何だか今ひとつ前向きではないシーンが多く、「練習できて嬉しい、もうちょっと工夫を重ねてみよう」、じゃないのォ? と思ったりしたのです。ま、後半のトライアウトのシーンで、「よっしゃぁ!!」となったので、そんなこと栗山選手の番組を見るまで忘れていたのですが。
ミスターレオ 栗山巧のことがもっと好きになる 素晴らしい人間性と野球人としての考え①
栗山選手の動画には続編もありますので、興味のある方は捜してみて下さいね。では、まずは週末『野球少女』へ、カッチ・カジャ(一緒に行こう)! 公式サイトで劇場を捜してぜひどうぞ。