アジア映画巡礼

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新春に<京都フィルメックス>開催!

2020-12-30 | アジア映画全般

京都を始め、関西圏にお住まいの方に朗報です。2ヶ月前に開催された<東京フィルメックス2020>の、日本映画と一部作品を除く上映作品14本がご覧になれます。事務局から送られてきたご案内を、少し整理した形で貼り付けておきますので、年明けに各上映館サイトでご確認の上、お出かけ下さい。

        

2020年もあとわずかとなりました。
第21回東京フィルメックスには、さまざまな形でご尽力いただき、誠にありがとうございました。みなさまのご支援に心より御礼申し上げます。
さて年明け1/22から2/4まで、出町座をはじめとする京都の3館にて、京都フィルメックスを行うことになりましたので、お知らせいたします。

2020年の開催で第21回を迎えた、アジアの新進気鋭の作家が放つ渾身の作品が集う日本有数の国際映画祭〈東京フィルメックス〉のラインナップを、京都シネマ、京都みなみ会館、出町座の京都3劇場で特集上映します。2020年のコロナ禍のなか、全世界的に文化・芸術の分野も大きな影響を受けている渦中ですが、東京フィルメックスは例年にもまして充実した内容で多くの映画ファンに支持を受けました。セレクションされた各国のフィルムメイカーも来日することを阻まれ、映画祭に参加する観客にも大きな制限があるなかで、国際的な映画文化の継続、発展に向け、さらに邁進していくために、本企画を実施させて頂きます。現在、遠距離を行き来することもままならない状況が続くなか、京都の劇場3館が連携して取り組み、また全国のミニシアターを応援するべく映画俳優有志が集う「ミニシアターパーク」や、京阪神で映画館を応援する学生が集う「映画チア部」にも協力を頂き、上映だけにとどまらない企画を実施します。映画の未来を灯もす志で、多様性にあふれ個性を発揮する世界の映画表現を発見し続ける東京フィルメックスの魅力、ぜひこの機会に触れてください。ゲストを交えてのトークイベントなども随時開催予定です。
以下、現時点での開催概要、上映作品ラインナップとなります。

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京都フィルメックス2021  公式サイト
 主催:認定NPO法人東京フィルメックス
 共催:シマフィルム
 協力:京都シネマ、巖本金属、アテネ・フランセ文化センター、フーリエフィルムズ、MINI THEATER Park、映画チア部
【開催日程】
 2021/1/22(金)~2/4(木)
【会場】
 出町座 1/22(金)~2/4(木)18時台(調整中)
 京都みなみ会館 1/22(金)~1/28(木)14時台(調整中)
 京都シネマ 1/29(金)~2/4(木)13:30頃(調整中)
【鑑賞料金】
 当日一般:1500円 学生特別優待割引:1000円
 ほか各館料金設定(詳細は各劇場へお問い合わせください)/招待券、優待券等使用不可
【イベント】
 トークイベントなど開催の予定は確定次第発表します。
 協力:ミニシアターパーク映画チア部

    

【上映ラインナップ】
 14作品、各作品2回上映予定。実施3館で以下の作品を編成します。
 開催劇場によって上映がない作品があります。あらかじめご了承ください。

【第 21 回東京フィルメックス コンペティション作品より】 
『死ぬ間際』In Between Dying 
 【第 21 回東京フィルメックスコンペティション最優秀作品賞受賞】 
 2020 年/アゼルバイジャン、メキシコ、アメリカ/88 分 
 監督:ヒラル・バイダロフ(Hiral BAYDAROV) 

タル・ベーラの薫陶を受けたアゼルバイジャンの新鋭ヒラル・バイダロフの長編劇映画第 2 作。行く先々で 死の影に追われる主人公の一日の旅を荒涼たる中央アジアの風景を背景に描き、見る者に様々な謎を投げか ける。ヴェネチア映画祭コンペティションで上映。 

『風が吹けば』Should the Wind Drop 
 2020 年/フランス・アルメニア・ベルギー/100 分 
 監督:ノラ・マルティロシャン(Nora MARTIROSYAN)

 アルメニアとの国境に隣接し、アゼルバイジャンからの独立を主張するナゴルノカラバフ地区。戦争で破壊 され、停戦後に再建された空港を調査するために来訪したフランス人技師が見たものは……。「カンヌ 2020」に選出されたノラ・マルティロシャンの監督デビュー作。 

『イエローキャット』Yellow Cat 
 2020 年/カザフスタン・フランス/90 分 
 監督:アディルハン・イェルジャノフ(Adilkhan YELZHANOV)                                     

カザフスタンの草原地帯を舞台に、裏社会から足を洗って映画館を開こうとする前科者の主人公の苦闘をコ メディ・タッチで描いた作品。その多くが国際映画祭に選ばれている俊英アディルハン・イェルジャノフの 最新作。ヴェネチア映画祭オリゾンティ部門で上映。 

『迂闊(うかつ)な犯罪』Careless Crime 
 2020 年/イラン/134 分 
 監督:シャーラム・モクリ(Shahram MOKRI)                                         

1979 年イスラム革命前夜、西欧文化を否定する暴徒によって多くの映画館が焼き討ちにされた。それから 40 年後、4 人の男たちが映画館の焼き討ちを計画する……。奇抜な発想を知的な構成で映画化したモクリ の監督第 4 作。ヴェネチア映画祭オリゾンティ部門で上映。 

『マイルストーン』Milestone 
 2020 年/インド/98 分
 監督:アイヴァン・アイル(Ivan AYR)                                        

北インドを舞台に、激しい腰痛に苦しみながら亡くなった妻の家族への賠償金のために働くベテランのト ラック運転手の苦悩を描く。デビュー作『ソニ』が高く評価されたアイヴァン・アイルの監督第 2 作。ヴェネチア映画祭オリゾンティ部門で上映。 

『アスワン』Aswang 
 2019 年/フィリピン/85 分
 監督:アリックス・アイン・アルンパク(Alyx Ayn ARUMPAC)                                        

麻薬患者や売人をその場で射殺する権利を警察に与えたフィリピンのドゥテルテ政権。その政策の下で苦闘 する人々を追ったドキュメンタリー。題名はフィリピンの民間伝承に登場する妖怪の名からとられた。アム ステルダム国際ドキュメンタリー映画祭で上映。 

『無聲(むせい)』The Silent Forest 
 2020 年/台湾/104 分
 監督:コー・チェンニエン(KO Chen-Nien)                                        

聾唖学校に転校してきた少年がスクールバスである“ゲーム”を目撃する。それは彼がその後目にする残酷な 現実の序章に過ぎなかった……。台湾で実際に起こった事件を元にしたコー・チェンニエンの監督デビュー 作。台北映画祭でオープニング作品として上映された。 

【第 21 回東京フィルメックス 特別招待作品より】 
『海が青くなるまで泳ぐ』Swimming Out Till The Sea Turns Blue 
 2020 年/中国/111 分
 監督:ジャ・ジャンクー(JIA Zhang-ke)                                        

文学者たちへのインタビューを通して近代中国のこの 70 年の変遷を描いたドキュメンタリー。映画「活き る」の原作者として知られるユェ・ホァら世代の異なる 4 人の作家たちが自己の体験や中国の社会、文化に 対するそれぞれの見解を語る。ベルリン映画祭で上映。 

『日子』Days 
 2020 年/台湾/127 分
 監督:ツァイ・ミンリャン(TSAI Ming Liang)                                        

郊外の瀟洒な住宅に暮らすカンは首の痛みをいやすために街に出てマッサージ師を呼ぶ。やがて一人の移民 労働者がカンが宿泊するホテルを訪れる……。対照的な境遇の二人の男の出会いを描いたツァイ・ミンリャ ンの最新作。ベルリン映画祭でテディ審査員賞を受賞。 

『照射されたものたち』Irradiated 
 2020 年/フランス、カンボジア/88 分
 監督:リティ・パン(Rithy PANH)                                        

広島、長崎の原爆投下、ナチスのホロコースト、カンボジアのポル・ポト政権下の虐殺。人類史上の3つの 悲劇を大量の資料映像のモンタージュによって描いたリティ・パンの最新作。ベルリン映画祭コンペティ ションで上映され、最優秀ドキュメンタリー映画賞を受賞。 

『平静』 The Calming 
 2020 年/中国/89 分 
 監督:ソン・ファン(SONG Fang)                                        

『記憶が私を見る』で高い評価を受けたソン・ファンの監督第 2 作。東京から越後湯沢、香港へと旅する アーティストを主人公に、友人や家族との会話の中で自己の“平静”を取り戻してゆく女性を描く。チー・ シー、渡辺真起子が出演。ベルリン映画祭で国際アートシネマ連盟賞を受賞。 

【特別関連上映】 
『記憶が私を見る』 Memories Look at me 
 2012 年/中国/87 分 
 *第 13 回東京フィルメックス コンペティション審査委員特別賞受賞 
ソン・ファン監督自らが自身の家族と共に撮った長編第 1 作作品。彼女が南京に暮らす両親のもとを訪れる。 人々との会話の中、ファンの脳裏に過去の記憶が呼び起こされる。ソン・ファンは『ホウ・シャオシェンの レッド・バルーン』に出演した経歴もあり、若手作家を積極的にサポートするジャ・ジャンクーがプロ デューサーをつとめた。ロカルノ映画祭でワールド・プレミア上映され、最優秀新人監督賞を受賞。 

【第 21 回東京フィルメックス 特集:エリア・スレイマン より】 
『消えゆくものたちの年代記』Chronicle of a Disappearance 
 1996 年/パレスチナ/84 分
 監督:エリア・スレイマン(Elia SULEIMAN)

ヴェネチア映画祭で最優秀新人監督賞を受賞し、スレイマンの国際的評価のきっかけとなった記念すべき長 編デビュー作。普通の人々の何気ない日常生活を点描的に描きつつ、政治や社会を鋭く風刺するその後のス レイマン作品のスタイルが既に確立されている。

『D.I.』Divine Intervention 
 2002 年/フランス、パレスチナ/92 分
 監督:エリア・スレイマン(Elia SULEIMAN)                                       

イスラエル領とパレスチナ自治区とに分断されたパレスチナ人カップルを主人公として中東問題を膨大な ギャグとユーモアを交えて描き、カンヌ映画祭で審査員賞と国際批評家連盟賞をダブル受賞したスレイマン の代表作。原題は「神の手」という意味であるという。 

監督 エリア・スレイマン(Elia SULEIMAN) 1960 年 7 月 28 日ナザレに生まれたエリア・スレイマンは、1981 年から 1993 年までニューヨークで暮ら していた。この時期に、最初の短編 2 作品「Introduction to the End of an Argument」と「Homage by Assassination」を監督し、いずれの作品も数々の賞を受賞した。1994 年エルサレムに移り、欧州委員会か らの依頼でビルツァイト大学に映画メディア学部を設立する。長編デビュー作『消えゆくものたちの年代 記』は、1996 年のヴェネチア映画祭で最優秀初長編作品賞を受賞した。2002 年『D.I.』がカンヌ映画祭で 審査員賞、ローマで開催されたヨーロッパ映画賞で最優秀外国語映画賞を受賞。『時の彼方へ』は、2009 年のカンヌ映画祭コンペティション部門で上映された。2012 年には、オムニバス映画『セブン・デイズ・ イン・ハバナ』に参加し「初心者の日記/木曜日」を監督、作品はカンヌ映画祭ある視点部門で上映された。

     

関西の皆様、どうぞお楽しみに!

 


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