アジア映画巡礼

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第2回<インディアン・フィルム・フェスティバル・ジャパン>始まる!

2013-10-11 | インド映画

インド映画ファンの皆様お待ちかねの第2回<インディアン・フィルム・フェスティバル・ジャパン(IFFJ)>が、本日よりオーディトリウム渋谷で始まりました。上映作品等は以前の記事を見ていただくことにして、今日はオープニングイベントの模様をご紹介しようと思います。

午後5時40分から始まったオープニングイベント、司会はインド映画ファンにはお馴染みのサラーム海上さんと、美しいパンジャービードレスに身を包んだcoco鮎美さん。まず、オープニングダンスとして、エキゾチックダンスグループ"Akasha"(アーカーシャ=アーカーシュ<空>ですかねー? 司会の方の発音がいまいち聞き取りにくく...)のお二人が2曲踊りをご披露。

続いてインド大使館の一等書記官の方が、大使のメッセージを代読。インドにはボリウッド映画以外にもいろんな言語の映画があること、インド映画百年の節目にあたる今年は日本で『きっと、うまくいく』がヒットし、インドと日本が同じ価値観を共有していることを示したこと、等々が述べられました。

続いて、インドからのゲストのご挨拶です。マラヤーラム語映画『セルロイド』のカマル監督(左)と、昨年上映された『デリーに行こう』の主演のほか、様々なヒンディー語映画で活躍する俳優ヴィナイ・パータク氏(右)です。大物ゲストを迎えて、会場が盛り上がります。

まず、カマル監督をちょっとご紹介しておくと、1957年生まれの監督は、すでに43本の作品を撮ったという大ベテラン。イベント前にお話をうかがうと、日本でも人気があった故アラヴィンダン監督について、『チダンバラム』 (1985)の助監督を務めたこともあるとか。その後1986年にモーハンラール主演作『Mizhineer Pookkal』で監督デビュー、以後、タミル語とヒンディー語の映画を各1本ずつ手がけたほかは、マラヤーラム語映画一筋に活躍して来ました。

「日本へは初めて来ました。この映画祭にお招きいただいて、とても嬉しいです。『セルロイド』は私の42本目の作品です。ちょっとここで思い出をお話しすると、私は黒澤明監督にお会いしたことがあります。カルカッタ(現コルカタ)で開かれた映画祭でのことで、1996年でした。今回の私の作品『セルロイド』は、マラヤーラム語映画の歴史に関する作品です。インドではいろんな言語で映画が作られていますが、マラヤーラム語映画は一種独特な映画と言ってよく、よく賞を受賞しています。『セルロイド』も、様々な賞を獲得しました」ということで、ここで『セルロイド』の予告編が上映されました。

続いての登場は、昨年上映された『デリーに行こう』の主演俳優ヴィナイ・パータク氏。この映画では、がさつな中年男を演じ、バリバリのキャリアウーマンを演じたラーラー・ダッターとの絶妙の凸凹コンビぶりで観客を大いに笑わせてくれました。『デリーに行こう』はIFFJの代表の1人スレッシュ・ターティ(正確に書くとスレーシュ・ターティー?)氏の配給会社THATI MEDIA Co.によって、来年春に公開されるそうです。まだ劇場等は未定のようですが、楽しみですね。

「この映画は、2人の人間がデリーに行こうとする話なのですが、この2人は両方ともインド人ではあるものの、まったく異なる世界に属しているんですね。そんな性格も正反対の2人が出会って一緒に旅するうちに、お互いを許容できるようになり、より寛大な人間になっていく姿を描いています。今回私は東京に初めて来たので、『Chalo Tokyo(東京に行こう)』という作品を撮っている感じですね(笑)」というわけで、日本語版の『デリーに行こう』の予告編が上映されました。

ここで、ヴィナイ・パータク氏についても簡単にご紹介しておくと、1968年7月12日生まれの45歳で、生まれはビハール州のダンバードとなっています。『血の抗争』 (2012)の舞台になった土地ですね。アラーハーバード大を卒業後アメリカで演劇を学び、帰国後はもっぱら舞台で活躍していたのですが、1998年にディーパー・メーヘター監督の『炎の二人』で映画俳優デビューを果たします。翌1999年『ミモラ 心のままに』に出演し、その後何本かの作品に脇役で出演したあと、クセ者主人公を演じた『脳みそフライ(Bheja Fry)』(2007)で大ブレイク。以後、キャラの立ったコメディー俳優として、いろんな映画に引っ張りだことなります。『神の作ったカップル(Rab Ne Bana Di Jodi)』 (2008)で、シャー・ルク・カーン演じる主人公の変身を助ける床屋など、印象深い役がいっぱいありますね。今日も、「僕はシャー・ルク・カーンじゃないよ(笑)。彼はいつもいい役だし、僕はいつもチョイ役さ。いつか僕が主役をやって、シャー・ルクにチョイ役をやらせてみたいね」なんていうジョークが飛び出したりしていました。

そしてこの後、前出のIFFJ代表の1人スレッシュ・ターティ氏のご挨拶があり、興奮気味のスレッシュ氏はゲストや観客に感謝の言葉を連発。昨年はいろいろあって大変だったようで、「今年はオープニングイベントにもこんなにたくさん来て下さって...」と感激の面持ちでした。IFFJのもう1人の代表、西田夏代さんは登場せず、裏方に徹しておられました。

続いては、皆さんには「これでインディア」のアルカカットさんとしてお馴染みの、インド映画研究者高倉嘉男さんの講演。たった10分というもったいない使われ方の高倉さんでしたが、「ボリウッド最近10年の変化」ということで、マルチプレックス(シネマコンプレックス/シネコン)がもたらした変化に絞ってのお話を要領よく聞かせてくれました。中でも、”マルチプレックス映画”と呼ばれる、時間が短く、ホラー映画などを含むジャンル映画が市民権を得たお話は興味深く、濃い内容の講演となりました。今後高倉さんはますます活躍が目立つようになると思いますので、このお顔を憶えておいて下さいね。

あとは、予告編を使った上映作品の紹介、そしてドキュメンタリー映画『インド婚活狂想曲』の上映となりました。心配していた日本語字幕は、この作品を見る限りでは「パーフェクト」。訳もわかりやすく、字数も問題のない、きちんとした字幕になっていました。また、字幕が上映素材に焼き込んであったので、オペレーションの不手際の心配もゼロ。他の上映作品もそうであることを祈ります。

では皆さん、明日からの本番の上映を楽しんで下さいね!

 


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2 コメント

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この日は (やっほー)
2013-10-13 18:07:22
行けなかったので、どんな様子だったのかなあ、と思ってました。
詳しいレポ、ありがとうございます。



私は14日からおくれての参戦です。
待ちに待ったお祭り開幕で今からワクワクです。
返信する
やっほー様 (cinetama)
2013-10-14 00:04:36
コメント、ありがとうございました。

14日からご覧になったら、ご感想などお知らせ下さいね。
私は14日も15日も仕事で(市長選の公報配りなんていう仕事もあったりする...)、行けるのは後半かと。またお目にかかれるといいんですが。
返信する

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