長らくお待たせしました、ラージクマール・ヒラニ監督作品『SANJU/サンジュ』、いよいよ明日から公開です。もうたびたび、の三乗ぐらい紹介してきたので、ちょっとオオカミ少年気分ですが、いや、これを見逃すとインド映画ファンの名折れです。ぜひ劇場で、目撃して下さいね。今日は基本データのご紹介と、スタッフ側のご紹介をちょっとだけ。
『SANJU/サンジュ』 公式サイト
©Copyright RH Films LLP, 2018
2018年/インド/159分/ヒンディー語/原題:Sanju/字幕翻訳:藤井美佳
監督・脚本・編集:ラージクマール・ヒラニ
脚本:アビジャート・ジョーシー
音楽:A・R・ラフマーン、アトゥル・ラニンガ、サンジャイ・ワンドレーカル
出演:ランビール・カプール、アヌシュカ・シャルマ、ソーナム・カプール、パレーシュ・ラーワル、マニーシャー・コイララ、ヴィッキー・カウシャル
配給:ツイン
※6月15日(土)より新宿武蔵野館ほか全国順次公開!(劇場情報は公式サイトをご覧下さい)
(2017年3月ボーパールでの撮影現場にて)
監督:ラージクマール・ヒラニ
1962年11月22日、マハーラーシュトラ州ナーグプル生まれ。大学卒業後プネーの国立映画研究所で編集を学ぶ。その後広告会社に勤務。その時に、監督でありプロデューサーでもあるヴィドゥ・ヴィノード・チョープラー(V.V.チョープラー)と出会い、彼の監督作『アルターフ 復讐の名のもとに』(2000)の編集を担当して才能を認められる。V.V.チョープラーの製作により、2003年『Munna Bhai M.B.B.S.(医学生ムンナー兄貴)』で監督デビュー。『アルターフ』の主演俳優サンジャイ・ダットにヤクザの兄貴分を演じさせ、その父役をスニール・ダットに演じさせるという意外なキャスティングに加え、父子の愛情物語と共に医学界の腐敗をコメディ・タッチで追及した本作は大ヒット、たちまち人気監督となる。続いてシリーズ2作目『Lage Raho Munna Bhai(その調子で、ムンナー兄貴)』(2006)を発表、今度はムンナーを導く存在としてマハートマー・ガーンディーを登場させて、またまた観客を驚かせた。さらに、2009年の『きっと、うまくいく』では点数主義の大学教育を批判し、これまたスーパーヒットとなる。『きっと、うまくいく』が日本でも大ヒットしたのはご承知のとおり。続いて、『PK/ピーケイ』(2014)ではエセ宗教への批判を巧みに展開してみせるなど、毎回ユニークなテーマに切り込むインドを代表する監督である。2018年に『SANJU/サンジュ』が公開され、これもインド国内外で大ヒットした後、一時#MeToo(セクハラ批判)事件に巻き込まれたが、しばらくして何らかの勘違いとわかったようで、今春以降はヒラニ監督支持ムードが広がっている。先日マレーシア国際映画祭の審査員を務めたばかりだが、現在は上海国際映画祭でメイン・コンペの審査員を務めるなど、海外からもひっぱりだこ。本人は、そろそろ次作の構想に取りかかりたいと言っている。
(2017年3月ボーパールでの撮影現場にて。左は本作でサンジュが陳情に赴く大臣を演じるアンジャーン・シュリーワースタウ。彼がかますボケ演技は必見!)
(2017年3月ボーパールでの撮影現場にて)
脚本:アビジャート・ジョーシー
1969年12月1日、グジャラート州のアフマダーバード生まれ。父親は大学教授で、アビジャート自身も文学修士号を取り、大学で教鞭をとっていた。そのかたわら、演劇活動にも従事して脚本を書き、また作家でもある多才な人物である。1998年に、V.V.チョープラー監督の映画の脚本を初めて執筆、続いて『アルターフ』の脚本も担当した。ヒラニ監督とは『Lage Raho Munna Bhai(その調子で、ムンナー兄貴)』(2006)でタッグを組んで以来、全作品で脚本を共同執筆しており、ヒラニ監督のよき相棒である。撮影現場でも常に張り付いて見守っている人で、この二人三脚によって素晴らしいヒラニ監督作品が生まれると言っても過言ではない。弟のサゥミャ・ジョーシーも、作家、詩人、映画監督、俳優として、グジャラーティー語映画界で活躍している。
(2016年9月の来日時のもの)
音楽:A.R.ラフマーン
1966年1月6日チェンナイ生まれ。インド映画界の天才的音楽家であり、至宝的作曲家。父も映画の音楽監督だったが、ラフマーンが9歳の時に死去。幼い時から楽器に親しみ、キーボード奏者として様々な音楽家と一緒に仕事をする。その後CF界で働いていた時に、姉の難病を機に一家全員がヒンドゥー教徒からイスラーム教徒に改宗、A.R.ラフマーンという名前になる。1992年、マニラトナム監督のタミル語映画『ロージャー』の映画音楽でブレイク。以後マニラトナム監督作品を中心に、多くの映画音楽を担当する。『ムトゥ 踊るマハラジャ』(95)、『ボンベイ』(95)、『ジーンズ 世界は二人のために』(98)、『Dil Se 心から』(98)、『ロボット』(10)、『命ある限り』(12)等々、担当した映画音楽でヒットしたものは枚挙に暇がない。イギリス映画『スラムドッグ$ミリオネア』(2008)では、ゴールデングローブ賞とアカデミー賞の作曲賞を受賞した。作曲家以外に歌手としても活動し、プレイバックシンガー(映画音楽の吹き替え歌手)のほかポップス歌手としても活躍を続けている。
東京近辺の皆様、上映館新宿武蔵野館のサイトはこちらです。「一週間限定上映」なんてものをブチやぶるべく、どんどん劇場に見に行って下さいね!!
で、明日見に行って下さる皆さんに、たった今、情報解禁になったばかりのニュースをお伝えしましょう! アクシャイ・クマールのこの映画が、8月に公開されます!
『KESARI/ケサリ 21人の勇者たち』8月16日(金)より新宿ピカデリーほか1週間限定公開!
うぬぬ、また「1週間限定公開」とな!? いくら『バーフバリ 伝説誕生』(2015)がそれで始まって、『バーフバリ 王の凱旋』(2017)の大ヒットへと繋がったからといって、ツインさん、そんなゲンをかつがなくても! 詳しいご紹介は後日また、ですが、この3月にインドで見た時の記事はこちらです。今年は、暑くてチョー忙しい夏になりそうですね~。