久々に、インドネシア映画が公開されます。以前ちょこっとご紹介した『ザ・レイド』です。結論から先に言うと、これがハンパでなく面白いのです。バグース(インドネシア語で"good")を3回ぐらい重ねてもいい面白さ。実にすっきりとアクションに特化した、血湧き肉躍る(うーむ、表現が古いぞ。「言葉遣いが古い」と某スレッドで批判されてる私です)作品です。
では、まずはデータから....って、スタッフもキャストも私には馴染みのない人ばかり。でも、これから耳タコ目ナレになるかも知れない皆さんなので、名前を憶えますです。オリジナルのポスターがカッコイイので、画像を付けてみました。
『ザ・レイド』 (原題:Serbuan Maut/The Raid: Redemption) 公式サイト(すぐ予告編開始となります)
(2011年/インドネシア/カラー/ドルビーSRD/102分)
<キャスト>
ラマ(特殊部隊メンバー):イコ・ウワイス
マッド・ドッグ(麻薬王リヤディの右腕):ヤヤン・ルヒアン
ジャカ(特殊部隊司令官):ジョー・タスリム
アンディ(麻薬王リヤディの右腕No.2):ドニ・アラムシャ
タマ・リヤディ(麻薬王):レイ・サヘタピー
<スタッフ>
監督:ギャレス・エヴァンス
音楽:マイク・シノダ(リンキン・パーク)
ジョセフ・トラパニーズ
日本語字幕:高内朝子
10月27日(土)より
シネマライズ、角川シネマ有楽町 他全国ロードショー!
配給:角川映画
上はチラシの画像ですが、まったくここのコピーのまんまです。「強すぎ、殺りすぎ、敵多すぎ」で、特に「敵多すぎ」は、ビルの中に一体何人いるんだっ、と思ってしまいます。この30階建てビルが麻薬王タマ・リヤディ(レイ・サヘタピー/レオン・ダイとかラグヴァランとかに通じる、味のあるハンサム系の悪人を演じていてバグース!)の本拠地で、リヤディは15階にある司令室から監視カメラで見張ったり、各階に配置されたスピーカーで指令を流したりしています。
とここまで書いて、試写の時いただいたプレスを見直してみると、おんやぁ~? が。レイ・サヘタピーの経歴に「『Noesa Penida』(88)では、1989年にFFI(Festival Film Indonesia)最優秀男優賞を受賞」とあります。これって、日本でも上映された『ヌサ・プニダ島』ではないですか。国際交流基金が1992年に主催した映画祭でこの映画が上映された時には、彼の名前は「ライ・サエタピ」と表記されていました。この映画を見たことがあったので、顔に親近感を感じたのかも知れません。
©MMXI PT. MERANTAU FILMS
説明が後先になりましたが、ストーリーは、このビルにジ ャカ(ジョー・タスリム/上写真右)率いる特殊部隊が「レイド(襲撃、手入れ)」をかける1日を描いたものです。ジャカの部下であるラマ(イコ・ウワイス)は、身重の妻を残し、年老いた父に見送られてこの「レイド」に参加するのですが、彼には個人的にも今回の「レイド」に期するものがありました。それは...というわけで、ラマの自宅から始まった物語は、行きの装甲車の中を経て、現場への息詰まる侵入、そして特殊部隊とギャング団の対決をノンストップで見せていきます。そしてその間に、ラマの秘密が明らかになっていく仕掛けです。
©MMXI PT. MERANTAU FILMS
最初は銃撃戦、それからアーミーナイフを使った闘い、さらには素手での格闘など、様々なパターンのアクションが出てきます。さっきのチラシに、「世界最強の格闘術”シラット”炸裂」とあるのですが、「シラット(Silat)」って、短剣(クリス)を使った武術のことを言うのだと思いこんでいたら、もっといろ~んな種類があるんですね。この映画で初めて知りました。インドネシアでは「プンチャック(Pencak)」と呼ばれるというシラット技のアクションを次々と披露してくれるのは、主人公ラマを演じるイコ・ウワイス(上写真左)。これがきっとそうよね、とわかるきれいな体の動きをする所が何カ所かあり、タイ映画『マッハ!』ではないのですが、別の角度でもう一度流して~、と思ってしまいました。
©MMXI PT. MERANTAU FILMS
このラマ役イコ・ウワイスと並んで素晴らしいアクションを見せてくれるのが、麻薬王リヤディの右腕マッド・ドッグを演じるヤヤン・ルヒアン(上写真真ん中)。外見は背も低いし、貧相なおじさんなんですが、アクションのキレは超一流。チャーミングとも言える肉体の動きで、特に上写真のクライマックス・シーンを見応えのあるものに仕上げてくれています(ちょっとしつこいけど...)。アクションの振り付けをやったのが、このヤヤン・ルヒアンとイコ・ウワイスだそうで、自分たちが出ていないシーンでも緻密なアクション・デザインがなされています。まあ、ビルの床に階下に通じる穴が簡単に開いたりする、「ヲイヲイ」もあるんですが。
上写真右で、マッド・ドッグの足を引っ張っているのは、麻薬王リヤディの右腕No.2であるアンディ(ドニ・アラムシャ)です。何で手下同士が足の引っ張り合いを? と思われた方はぜひ劇場へ。本作は脚本もいい仕上がりで、最後まで緊迫の展開となっています。
脚本も担当した監督ギャレス・エヴァンスはウェールズの生まれだそうですが、2003年に『Samurai Monogatari』という短編で監督への道を歩み始めた人とか。武道オタクなんでしょうか。2007年にインドネシアでドキュメンタリー映画『The Mystic Arts of Indonesia: Pencak Silat』をクリスティン・ハキム・フィルムズで撮った、とプレスにはあり、2009年にはイコ・ウワイスとヤヤン・ルヒアンを主演に『ザ・タイガーキッド~旅立ちの鉄拳』(原題:Merantau)という作品を撮っています。この作品、日本でもDVD発売されていました。知らなかった~。
ザ・タイガーキッド~旅立ちの鉄拳~ [DVD] | |
クリエーター情報なし | |
ビデオメーカー |
彼らの最終進化形が『ザ・レイド』で、この作品は世界各国の映画祭で上映されたほか、一般公開されてヒット。今夏タイでも公開されていたのは、8月にご紹介した通りです。タイのムエタイ・アクション映画に続いて、インドネシアのシラット・アクション映画も日本でブレイクするでしょうか? さてさて、その答えは皆さんが握っていますが、シネマライズがラインアップに入れたことからも、そのクオリティの高さがわかろうというもの。TIFFが終わったら、こちらへも忘れずに足を向けて下さいね。
やっぱりこれも見たくなってきました…。
一般公開のインドネシア映画なんて、
日本じゃめったにお目にかかれないですもんね。
ルシネマの「桃さんの~」もあるし、
明日はインドFFだし、
中国映画週間も渋谷だし、
しばらく渋谷詣出でしょうか。
NHKのアジアFFって昨年が最後だったんですね。
いい作品が多かったのに、残念です!
「ザ・レイド」は私的には期待以上でした。すさまじ系のお嫌いな方はあまりオススメできませんが、一見の価値はあると思います。
NHKのアジア・フィルム・フェスティバル、残念ですね。私も、今年のラインアップまだ出ないのかな~、と先日チェックしたら、「昨年で終了しました」と出ていてびっくりしました。昨年そんなお話は全然出ていなかったのに。
NHK側で関わってらした方々も熱心だったし、500円は嬉しいし、いい作品が来るし、とスグレモノの映画祭だったのにね。NHK、アジアとの文化交流に及び腰になってるんでしょうか....。
あ、やっぱりそうでした?私も、「去年で終わりって言ってたかな~??」と首をひねってしまいました。
私の読み?では、NHKの予算カットが原因ではないかと。受信料は値下げするし、億単位で予算が減るらしいですから。
今日、インディアンFFに行ってきたのですが、字幕の出し方がひどくて頭にきてしまいました。画面外右側に出ていた字幕が、どうも映画にタイミングを合わせてその場で表示していた?みたいで、「俺がここにいるから」では字幕と画面が前後したり字幕を飛ばしたりして、でもこれはまだましなほうでした。「デリーへ行こう」では、画面に追いついていけなくなったのか後半ほとんど字幕なしになってしまい、英語字幕だけではさっぱりわからない部分がたくさんありました。
終わってから映画館の人が「当館の設備と字幕技術の不備でうんぬん」と客を送り出しながらぼそぼそ謝ってました。主催者が悪いのか映画館が悪いのかわかりませんが、金返せ!!と言いたかったです、ほんとに。
IFFJの字幕、実は友人からもメールが入ってきて、「正直悲しくなる映画祭でした」と字幕や入場整理のことが書いてあり、青ざめていたところでした。
字幕は今日だけがひどかったんでしょうか? 昨日、一昨日はOKだったらいんですが。オーディトリウム渋谷の映写技師さんは優秀な人なので、「字幕投影技術」の不備が大きかったのだと思います。
私は土・日は地域のお祭り、今日は休日なのに大学の授業、明日も授業で10日(水)に初めて行くのですが、j字幕技術が改善されていることを切に願っています。大阪の上映はどうだったのか、気になります....。
字幕の出し方は残念ながら本当にひどいものでした。画面外右側に出る字幕は字が小さめではありましたが「カクテル」はそれ以外あまり気になりませんでした。…が、画像が固まり上映が数度中断されました…。
次の「ラブ・アージカル」は字幕のタイミングがずれる、後半字幕が一部全くでないなど更に怪しげな状況に!
そして翌日映画開始2時間前に劇場に整理券を取りに行き「今日は字幕大丈夫ですか?」とスタッフの方に尋ねると「今まだ作業中です!!」とのこと。
嫌な予感を抱えつつ「メ・フーナ」の上映が開始。
不安的中!前日同様画像が固まりまたもや上映中断…!?。まあこの際許す!でもインド現地の家電CMが本編にいきなり何度も入るのには怒りを通り越して呆れてしまいました。
これは大阪会場だけのオプションですか?笑えないよ~~~!!
せめてカットして上映できなかったんでしょうか?無料上映なら我慢もできますが一応お金とってんでしょ?
次の「テリ・メリ・カハーニ」は上映開始まもなく字幕のタイミングがズレまくりまたまた上映中断!!字幕の出ない部分がいっぱいありました。
大阪の劇場は一般の映画ファンの出資によって運営されている大阪に数少ないアート系の劇場ゆえ少々の不備は仕方ないのかも…。上映してもらえるだけでよしとしないといけないのかもとは思うのですが、ちょっと釈然としない気もします。
因みに大阪で10/10(水)上映の「メヘルジャーン」は英語字幕のみの上映になるようです。ご覧になるご予定の方はお気をつけください。私はその前に上映の「デーブダース」を観に行く予定ですが、あのお話の途中で能天気なインドCMが唐突に入ったら流石にブチ切れそうで自分が怖いです(汗)
「Main Hoon Na」に挟まれたCFに関しては、東京では上映前に、「AkaiのTVCFが30分ごとに挿入されます」というようなお断りがあったとのことです。もしかしたら、権利提供元から、「このヴァージョンを上映せよ」という条件があったのかも知れません。そうでないと、著作権侵害で裁判沙汰になる(映画という作品を勝手に改ざんして上映した)案件なので、いくら何でもそれはないだろう、という気がします。
今、ちょっとググってみたら、そういう字幕でも「シャー・ルクが大画面で見られて楽しかった」というような、寛容なブログ記事も2,3見かけました。反対に字幕の不備を指摘して、「フィルム上映がマストでなくなった昨今だからこそ成立した企画かも知れない。でも、だからこそ、リリース側にはフィルム上映並みの、いやそれ以上の誠実さも求められることを忘れては欲しくないと思う。そして、受け手、観客側もそこらはキッチリ指摘していかないとね」というご意見のブログもありました。
私はとりあえず、明日見に行ってみます....。
本国公開時にほぼ満員の映画館で見ましたが、あっちこっちで悲鳴が上がってましたね。野次も結構あり、普段は静かなインドネシア人観客が映画にのめり込んでいるのが実感できて、とても嬉しかったです。
アジア映画の目利きであるcinetamaさんのオススメがあれば、日本でもかなりのヒットが期待できるかも?!既に試写を見た人の反応は良いらしいですね。
日本人女性でシラット使いの友人がいるのですが、彼女曰く、上映後は疲れたーとのこと。冒頭から最後までアクション、アクションの連続で確かに普段この手の映画をあまり見ない人にはちょっとしんどいかもしれません。
友人は主演のイコ君とツーショットの写真を取ったこともありますが、映画のアクションはあくまで映画用にアレンジされており、実際のシラットの奥義はその流麗な動きにあるとのこと。世界大会などでは他の武道を学んでからシラットに転向した人が少なからずいるため、動きよりもパワーで押しまくる傾向が最近は強いそうで、友人は嘆いておりました。
本作上映が日本や諸外国でのシラット普及に一役買うことを期待しております!
最初にアハマドさんがコメントで教えて下さったのが4月でしたっけ? いよいよ公開で嬉しいです。
映画は確かにアクションの連続で、ラストの闘いなんか「そろそろ決着つけたらぁ?」でしたが、私は全然疲れませんでした。イコとヤヤンのアクションが、結構私の好みだったせいかも知れません。
『ザ・タイガーキッド』のDVDもさっき届いたので、今の字幕の仕事が終わったら早速見るつもりです。そのジャケットに、「MERANTAUとは古くからその地方に伝わる試練のことで、一人前に成長した男子が家を出て旅に出る」とありました。すみません、「出稼ぎ」という意味かと思ってました(汗)。
今日「デーヴダース」を見てきましたが、1回字幕と画面とずれただけで、ストレスなく3H超を見ることができました。CMも入りませんでしたし、夢のような美しい映画に、「ああ天女さまが二人踊っている…ありがたやありがたや」と拝みたくなってしまいました。私の見るものは今日で終わりだったので、精神衛生上ヨカッタわあと心から思いました。
「Main Hoon Na」(俺がここにいるから)の東京上映では、CMが入ることと、「元々取り寄せたフィルムに入っているものなのでこのまま上映するしかないんです」みたいなことを冒頭説明してましたね。映画の画面から何の区切りもなくCMに移るので、笑いが起こっていたくらいです。
昨日並んでいた時に「昨日?おととい?の上映は字幕気にならなかった」という話が耳に入ったので、昨日の「デリーへ行こう」が最悪だったのかもしれません。終わってから映画館の人に文句言えばよかったです。誰も言ってなかったのでくじけました(日本人的…)。
今日はアンケート用紙をもらった(昨日はくれなかったんだけど)ので、字幕の文句と、今度やるなら最低2回は上映確保してくれと書いておきました。
「Devdas」は高倉嘉男さんの字幕と聞いていましたので、いい状態で上映されて本当によかったです。ということは、拓徹さんが字幕を担当した「Veer」も今日の上映だったので、きっときちんとオペレーションされたのでしょうね。ホッ。
これで、明日出かける足も軽くなりそうです♪ お疲れのところ、ありがとうごさいました!