テルグ語映画『バーフバリ』2作や『マガディーラ』などの字幕監修をやって下さった茨城大学の山田桂子先生。字幕監修というのは、原語がわかっている方に、英語字幕などを元に作った日本語字幕が間違っていないかチェックしてもらう仕事です。特に、原語の固有名詞のカタカナ表記は、専門の方に聞かないと恐くて出せません。私もこれまでに、パンジャービー語、ベンガル語、タミル語、カンナダ語などの映画で字幕監修の方にお世話になりました。皆さん大学で教えてらっしゃる方ばかりで、研究者仲間でもあったりするため、安心してお願いできたのです。でも、この字幕監修という仕事は、良心的な字幕制作会社の方はすぐにわかって下さるのですが、予算が少ない映画祭などだと即、「そんな予算はありません」と言われてしまいます。実は日本で一番大きな某国際映画祭も、昨年タミル語の映画を担当した時には「字幕監修料は払えない」と言われ、しょうがないので自腹にしたのでした。字幕監修の大切さ、もっと広くわかってもらいたいものです。
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それはさておき、『バーフバリ』の字幕も藤井美佳さんが英語字幕とヒンディー語版のセリフからまず日本語字幕を作り、それを内々で見せていただいた時に、字幕としては満点だけど、テルグ語の監修を経ないと恐い、と感じたのでした。それでツインさんにその旨お伝えしたものの、「字幕監修」というのは一般の配給会社さんではあまり例がないため、あれやこれやの経緯を経てやっと山田桂子先生へとつながった次第です。そのあたりのことを、山田先生のインタビュー@BANGER!!!で思い出しました。山田先生はご専門はインド史ですが、以前からテルグ語映画に関心を持っていらして、ご主人は20年前に日本初のテルグ語映画公開を試みた方でもあります(幼い頃のラーナー・ダッグバーティに会っていたそうな。詳しくは『バーフバリ 王の凱旋』完全版パンフをどうぞ)。監修者としてはこれ以上の人はいない、という存在で、今回の『バーフバリ』ではそれが大いにプラスに働いたと言うことができます。ほかにもいろいろ、『バーフバリ』日本公開の裏話や、作品の背景にある様々なエピソードが載っていてとってもおもしろいこのインタビュー、3回連続掲載のうち1と2がアップされていますので、ぜひお読み下さい。1回目はこちら、2回目はこちらです。間もなく、3回目もアップされるものと思われます。
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この記事以前に、私の記事も載せてもらいました。以前ブログにも書いたことを中心にまとめたものですが、こちらとこちらですので、ご覧になってみて下さい。今回インド映画ポスター屋さんでは、「『バーフバリ』はもう要らんのか。あと2、3枚買って帰れよ」と言われて、前と同じデザインですが持ち帰ることに。私の映画講座でゲットなさった方もあると思いますが、また何かの機会にポスタープレゼントを考えることにします。ラーナー・ダッグバーティは今『Houseful 4』の撮影でまだムンバイにいる、という話も聞いているので、今日本でやっているムービープラスでの特集も彼のさらなる活躍を後押しするものとなることでしょう。日本とインドの映画界、もっともっと繋がってほしいものです。
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