アジア映画巡礼

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インド映画2010年興行収入トップ10

2011-02-12 | インド映画

先日2011年に公開予定のインド映画を取り上げましたが、今回は2010年にヒットしたインド映画をリストアップしてみます。データ元はWikiの「ボリウッド映画2010」です。

Wikiの「ヒンディー語映画2010」によると、昨年は122本のヒンディー語映画が劇場公開されました。製作本数はおそらくこの倍ぐらいになると思われます。

2010年の興行収入(興収)トップ10は次の通りです。日本語訳題名、原題、興収(1ルピー=2円なので日本円に換算するには数字を倍にして下さい)、監督、主演、公式サイト(英語)または予告編を挙げてあります。

1.『肝っ玉男』 Dabangg               1,401,000,000ルピー
      監督:アビナウ・カシャプ 主演:サルマーン・カーン、ソーナークシー・シンハー  
公式サイト(音出ます)

2.『インチキ 3』 Golmaal 3                         1,074,300,000ルピー
      監督:ローヒト・シェーッティー 主演:アジャイ・デーウガン、カリーナー・カプール  
公式サイト(音出ます)

3.『政治』 Raajneeti                                 929,300,000ルピー
      監督:プラカーシュ・ジャー 主演:ランビール・カプール、カトリーナ・カイフ  
公式サイト(音出ます)

4.『マイ・ネーム・イズ・ハーン』 My Name Is Khan  727,400,000ルピー
      監督:カラン・ジョーハル 主演:シャー・ルク・カーン、カージョル  
公式サイト(音出ます)
      ★日本版DVDでご覧下さい。

マイネーム・イズ・ハーン [DVD]
クリエーター情報なし
20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン


5.『満員』 Houseful                                  720,700,000ルピー
      監督:サージド・カーン 主演:アクシャイ・クマール、ディーピカー・パードゥコーン  
公式サイト(音出ます)

6.『30人殺しのカーン』 Tees Maar Khan       610,000,000ルピー
      監督:ファラー・カーン 主演:アクシャイ・クマール、カトリーナ・カイフ  
公式サイト(音出ます)

7.『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ムンバイ』
   Once Upon A Time in Mumbai       580,300,000ルピー
      監督:ミラン・ルートリヤー 主演:アジャイ・デーウガン、カングナー・ラーナーウト  
公式サイト

8.『カイト』 Kites                                     485,600,000ルピー
      監督:アヌラーグ・バス 主演:リティク・ローシャン、バーバラ・モリ     
予告編
      ★大阪アジアン映画祭で上映!

9.『コイ物語は嫌い』 I Hate Luv Storys        436,800,000ルピー
      監督:プニート・マルホートラー 主演:イムラーン・カーン、ソーナム・カプール  
公式サイト

10.『見知らぬ男と見知らぬ女』 Anjaana Anjaani       400,300,000ルピー
      監督:シッダールト・アーナンド 主演:ランビール・カプール、プリヤンカー・チョープラー  
公式サイト(音出ます)


   2010年はアクション( 『肝っ玉男』 『カイト』 )、コメディ( 『インチキ 3』 『満員』 『30人殺しのカーン』 )、ラブロマンス( 『コイ物語は嫌い』 『見知らぬ男と見知らぬ女』 )、シリアスドラマ( 『政治』 『マイ・ネーム・イズ・ハーン』 『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ムンバイ』 )と、うまくバランスの取れたヒット状態となったようです。3月に大阪アジアン映画祭で上映される『カイト』は、ラブロマンスに入れた方がいいかも知れないのですが、途中のアクションがものすごくて「うわあぁぁぁぁぁ!」状態。やっぱアメリカにでも行かないと、あの絵は撮れませんねー。

一番のヒット作『肝っ玉男』は、その作りの古くささがかえって新鮮。ちょっと南インド映画っぽいな、と思って見ていたのですが、特にリメイクではないようです。監督のアビナウ・カシャプは昨年大阪アジアン映画祭で上映された『デーウD』 (2009)の監督アヌラーグ・カシャプの弟だとか。

『肝っ玉男』が昨年後半のヒット作だとすれば、前半のヒット作は『政治』。80年代は『隷属』(1984/原題:Damul)等芸術系の作品を撮っていたプラカーシュ・ジャー監督の作品です。インド政治の生臭さは日本政治の比ではありませんが、それをかなりリアルに描いています。インドの人々には思い当たるシーンが多かったようで、多数の観客を惹きつけました。脚本が少々雑なのと、後半の連続するバイオレンスで私の点はあまり高くないのですが、ランビール・カプールの黒幕ぶりやアルジュン・ラーム・パールのカリスマ性あるリーダー役など、みんな演技がうまくて見応えは十分。

<『政治』マレーシア版VCDカバー裏表。正規盤を表すシールがベタベタ>

さらに個々の作品について詳しく知りたい方は、「これでインディア」のアルカカットさんの映画評へ。映画早見表で原題から探せます。ニューデリー在住のアルカカットさんはいつもいち早く公開作を見て(うらやましい!)、詳しすぎるほど詳しい紹介と批評を書いてくれています。

2010年の興行収入は、歴代の興収と比べても立派なものでした。『肝っ玉男』は歴代2位、『インチキ 3』は4位、『政治』は5位、『マイ・ネーム・イズ・ハーン』は10位と、歴代トップテンに4作もランクイン。大健闘です。

え、歴代興収第1位の作品は何か、ですか? ふっふっふ、当ててみて下さい。

第1位は『3バカに乾杯!』 (2009/原題:3 idiots)なんですねー。昨年したまちコメディ映画祭で上映され、大好評を博したアーミル・カーン主演作品です。インドの観客も『3バカに乾杯!』がだ~い好きなんですよ。日本でも一般公開してくれないかなあ。


<『3バカに乾杯!』インド版DVDカバー>

ところで、実は上記作品以上にぶっちぎりのヒット作かも知れない作品が、昨年のタミル語映画にはあるんです。Wikiのサイト「タミル語映画2010」によると、ラジニカーントとアイシュワリヤー・ラーイ主演の『ロボット』 (原題:Enthiran/Robot)の興収は何と37億5千万ルピー! 2位のスーリヤ主演『獅子』 (原題:Singam)の4億2千万ルピーに比べると、9倍の興収です。



ただ、このサイトの数字には注がついていて、「ここにあげた興収は概算であり、インド国内の興収に加えて、外国での興収、音楽ソフトと映像ソフトの権利料、テレビ放映権、その他の収入も含まれている」と書いてあります。上のボリウッド映画トップテンは国内興収だけなので、単純比較はできないんですねー。
とはいえ、『ロボット』が2010年インド映画界最大の見ものだったことは事実。あまりにCG駆使しすぎでアニメ映画に近くなってしまった感がありますが、山ほどラジニが出でくるので、ラジニ・ファンには大満腹(ラジニ~、レゴになるのはやめてぇーーー)・大満足の1本だったと思います。公式サイト(音出ます)にもラジニがいーーーっぱい!


ところで私の2010年一押しベストワンは....。それはまた今度。


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6 コメント

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おおっ! (がむら)
2011-02-12 19:11:14
Wikiがインド映画の情報源として、こんなに役に立つとは知らなかったです。
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がむら様 (cinetama)
2011-02-13 10:26:23
そうなんですよ。さすがIT立国インド、ネットに情報をアップするパワーはすごいです。過去の作品も含め、インド映画の公開作はたいていWikiに情報ページがあります。

ただ、Wikiの常として、その情報が正確かどうかはまた別問題。それと、インド映画関連のWikiページは、時々誤情報、あるいは”不都合な真実”が発覚してか、ページ自体が消滅していることも多いです。

そんなリスクもありますが、今度から利用してみて下さいねー。
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3idiots (kazuko)
2011-02-13 11:16:11
3idiotsを昨年浅草に観にいくことができませんでした。本当に一般公開していただけたら嬉しいです・・それが叶わぬならDVDでも・・・もし情報がありましたら是非のせてくださいね!!
楽しみにしております!
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kazuko様 (cinetama)
2011-02-13 12:45:08
コメント、ありがとうございました。

3 idiotsこと『3バカに乾杯!』は気に入って下さった方が本当に多かったようで、私も思いがけない場所で、「『3バカに乾杯!』面白かったです!」「公開にならないんですか?」とお声を掛けられてびっくりしたことがあります。いくつか配給会社さんにも言ってみたのですが、今のところいいお返事がありません(泣)。

本当にDVD発売でもいいから...と思ってしまいますね。また努力してみます!
返信する
楽しいラインナップですね! (nancy)
2011-02-21 18:44:08
ようやく公式サイトを全て見ましたが、DVDを買う時の目安になってうれしい限りです。
「カイト」のリティックが美しくて、相手役の女性が羨ましい~
ただ今、風邪をひいての病み上がりなのですが、サイトを見て少しパワーが出てきました。
ありがとうございました~~~~!
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nancy様 (cinetama)
2011-02-21 19:43:15
お風邪、大変でしたね。そんな中で全部の公式HPチェックをして下さったようで、ありがとうごさいました! どのサイトも予告編や壁紙にダウンロードできるスチールなど、映像をいっぱい付けてくれているので、見ているだけで楽しいですよね。

「カイト」は今字幕をやっています。アクションが多くて助かります~(笑)。上映時間も比較的短いし、どこかが買って、公開/テレビ放映/DVD化のいずれかをやって下さらないかなー、と夢想中なんですが...。
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