アジア映画巡礼

アジア映画にのめり込んでン十年、まだまだ熱くアジア映画を語ります

いろんな国の映画を見ました

2012-08-18 | アジア映画全般

一昨日のクアラルンプル、そして昨日のシンガポールで、いろんな映画を見ました。見た順番に、リストアップしておきます。

『聽風者(Silent War)』  予告編
監督:麦兆輝(アラン・マック)、荘文強(フェリックス・チョン)
主演:梁朝偉(トニー・レオン)、周迅(ジョウ・シュン)、范暁萱(メイヴィス・ファン)

1949年を舞台にした、スパイ合戦の物語。ジョウ・シュンは凄腕の女スパイ200号を演じ、彼女に助けられる盲目のビアノ調律師をトニー・レオンが演じます。調律師の耳のよさによって、次々と敵方の無線通信網が暴かれていき、局長(王学兵)は謎の人物である「重慶」を捉えようと200号を上海に送り込むのですが...。

メイヴィス・ファンはトニー・レオンの妻役です。シンガポールでも公開が始まったのですが、マレーシアで見ると広東語版なのでラッキーでした。とはいえ、かなり理解できない点も多く、日本語字幕でもう一度見たい作品です。脇役も豪華で、林威、呉家麗、単立文(すっかりおっさんになっていました。昔のロック野郎はどこへ?)らが出演しています。

『貧心鬼見鬼(Greedy Ghost)』
監督:ボリス・ブー
主演:程旭輝(ヘンリー・チア)、康康、袁順成

シンガポール映画。お盆の時期になると出るチープなホラー映画で、今回も不思議なノートにロト6の数字が書かれているのを見つけた男がそれを買ってみると....という、欲深は身を滅ぼす話になっています。

『幽霊ギャング(Hantu Gangster/老鬼大哥大)』  予告編
監督・出演:Namewee(黄志明)

マレーシア映画で、大阪アジアン映画祭で上映された『ナシレマ 2.0』の監督の新作。マレーシアで大ヒット中でした。主演も彼で、小学生の父親ながら、ケチな泥棒をしているというどうしようもない男を演じます。その彼が、中華系、インド系、マレー系の3つのギャング団の抗争に巻き込まれ、それぞれの先代ボスの幽霊に解決を頼まれたことから、とんでもない目に遭う、というストーリーです。マレーシアの政治や社会に対する皮肉が満載で、一歩間違うと3つの民族の離反も招きかねない内容でもあるようで、公開までにいろいろ物議をかもしたようです。

私にもわからないギャグが多く、タイヤ泥棒の主人公を追いかけた警官が手近なものを武器にしようとして、先が取れる床ブラシを見て「中国製だからな~」とか、すぐダメになるモップをみて「インドネシア製かよ~」と言ったりするのは笑えたりしたのですが、お客がギャハハギャハハと笑っているのについていけないシーンが多かったです。マレー語、中国語、タミル語が飛び交う、とってもパワフルな映画でした。

『金(カネ)の味』  予告編
監督:?
主演:キム・ガンウ、ペク・ユンシク、ユン・ヨジョン、キム・ヒョンジン、オム・ジョワン

うむむ~、という感じの、カネとセックス満載の韓国映画でした。大金持ちの一家の、妻(ユン・ヨジョン)は家付き娘でやり手のビジネス・ウーマン。夫(ペク・ユンシク)は好き勝手していましたが、ついにフィリピン人使用人のエヴァと恋に落ち、家を出て行くことに。父親以上に汚いビジネスを追求する息子(オム・ジョワン)、出戻りながら、一番人間らしい心を持っている娘(キム・ヒョンジン)、そして、この家に10年仕えて、彼らの本性を余すところなく知っている主人公(キム・ガンウ)。それぞれの思惑が火花を散らします....。

従順な使用人である主人公役のキム・ガンウがうまいです。でも、お話はあまりにドロドロしすぎていて、胃にもたれました。唯一、見せ場になりそうなところも、オム・ジョワンの優男若社長が意外な行動をしてしまい、風船の空気が抜けた状態に。オム・ジョワン、最近はこういう使われ方をしているのねー、とちょっとため息でした。

『四大名捕(The Four)』  予告編
監督:陳嘉上(ゴードン・チャン)、秦小珍
主演:[登+おおざと]超(ダン・チャオ)、劉亦フェイ(リウ・イーフェイ)、鄭中基(ロナルド・チェン)、鄒兆龍(コリン・チョウ)、黄秋生(アンソニー・ウォン)

「四大名捕」というのは有名な武侠小説で、私は漫画で知ったのですが、皆さんよくご存じの筋のようです。「六扇門」という政府側の組織と、「神侯府」という組織との争いと協力を描いたもので、「神侯府」のボスがアンソニー・ウォン。そこのアイドル的存在の女性がリウ・イーフェイで、車椅子生活ながら、不思議なものが見える、念力で物を動かせる、といった能力がある女性です。彼らがやっている料理店にロナルド・チェンとダン・チャオが加わり、偽金作りをさぐっているうちに、陰謀が暴かれ....てな筋です。私は偉い人役の顔の区別がつかず、え、この人って誰だっけ、悪い方の人だっけ? などと思っているうちに映画が終わってしまいました...。

それにしても、いやー、ダン・チャオくんがすっごい魅力的です。『王朝の陰謀』の時は、銀髪のせいもあってもっと線の細い人だと思っていたら、ぜ~んぜん別人になってました。本当に同一人物でしょうか??

さて、次に行く香港では、マクダルの最新作が見られる予定。短い滞在なのですが、何本か見たいと思っています。では、香港でまた~。

 


コメント (6)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« インド映画漬けで4本 | トップ | 『マクダル』シリーズ、これ... »
最新の画像もっと見る

6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
maiko様 (cinetama)
2012-08-20 09:26:50
再度のコメント、ありがとうございました。ネットでの購入先、今度ぜひ教えて下さいませ。個人的なメールでも結構ですので、どうぞよろしく。

昨日の記事に名前をあげたのですが、中国の若手男優で胡歌という人も優しい風貌ですてきでした。中国映画界、隠し球がいっぱいありますね~。
返信する
りからん様 (cinetama)
2012-08-20 09:23:52
コメントをいただいたのに、レスポンスが遅くなってすみません。

『ラ・ワン』、それでも1ヶ月の上映は立派です。このあと『オーム・シャンティ・オーム』も控えているので、いろんな形での上映、再映が可能だと思います。日本に来てくれたことが嬉しい私です。

『ナシレマ 2.0』の字幕をなさったmaikoさんが書いておられるように、いろんな言葉、いろんな文化が登場するので、加えて政治ネタなど字幕が本当に大変だったみたいです。私も今回『カハーニー/物語』の字幕を担当して、多言語映画の字幕の処理に悩みました。監督は意図して使い分けていると思うのですが、違う言語の字幕を機械的に< >に入れてしまうと、観客をミスリードする恐れがある、ということを字幕会社のスグレモノ担当者の方から教えられました。いまだに解決できない課題です。
返信する
Unknown (maiko)
2012-08-20 00:11:19
現地のお店だと意外にDVD置いてないんですね。
私はマレーシア関係はいつもネットで購入しています。ヤスミンはコンプリートしてますよ!

ダン・チャオ、コメントしたあとで「李米的猜想」に出ていること思い出しました。周迅にはかないませんが異彩を放っていました。
返信する
Unknown (りからん)
2012-08-18 22:49:47
いろいろご覧になったんですね~!
「幽霊ギャング(Hantu Gangster/老鬼大哥大)」、見たいなあ。TIFFに来てくれないかしら字幕が、大変なんでしょうねえ。

今日「ラ・ワン」を見に行ったら、写真美術館での上映終了が9月9日と出ていました…また、上映は今日から夜の回がなくなって、1日2回になってました。確かに空席が目立っていたかも。か、かなしいです
cinetamaさん、ご帰国間に合いますでしょうか
返信する
maiko様 (cinetama)
2012-08-18 21:40:49
早速のコメント、ありがとうございました。

そういえば、「ナシレマ2.0」の時はインド映画風のソング&ダンス・シーンが入っていたのでしたね。今回DVDを探したのですが、KLではミッド・ヴァリーのショッピング・モールしか行けず、Speedy Video1軒しかチェックできなかったので、見つからずじまいでした。
ついでに言えば、「タレンタイム」のDVDもなくてかなり気落ちしました。「細い目」とかのヤスミン・アフマドの他作品は結構置いてあったのですが。

「四大名捕」のダン・チャオは、妻夫木クンに林峯が混じったような(笑)ハンサムぶりで、うなってしまいました。この映画が日本でも公開されると、ファンが増えると思います。現代劇も行けるとうかがうと、今後、もっともっといい俳優に成長しそうで楽しみです~。
返信する
Unknown (maiko)
2012-08-18 20:35:34
Hantu Gangsterをいち早くご覧になってうらやましい!!
Nameweeはあくまでマレーシア人向けの映画にこだわっているようで、ナシレマ2.0でもローカルネタが満載でした。字幕にしようがないネタはスルーしましたけど(その節はお世話になりました)

ダン・チャオいいですか!好きなんですよ、ドラマ時代から。この人は恋愛畑出身の人なので現代ものラブストーリーも見たいですねえ。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

アジア映画全般」カテゴリの最新記事