アジア映画巡礼

アジア映画にのめり込んでン十年、まだまだ熱くアジア映画を語ります

ネットトラブルで...

2014-03-15 | インド映画

前の記事で今滞在中のホテルをほめたら、直後にトラブルが。それまでもWifiでのインターネット接続がうまくいかない時があったのですが、一昨日夜から昨日深夜(インドとは時差があるので、日本時間の本日午前3時頃)までネットが全然使えなくなってしまいました。最初は理由がわからず、昨日朝は廊下のルータをいじってみたり、下に降りてフロントでパソコンをつないでもらったり。結局夜もダメでまたフロントにパソコンを持ち込んだら、「プロバイダー側のトラブルでインターネットが使えなくなってます」とやっと判明した次第。私の無駄な努力とウロウロした数時間を返しておくれ!

というわけで、まとまらない記事ですがこの間の旅日記などを。

昨日はバンドラに転居した友人というか元教え子のお宅を訪問しました。待ち合わせたのが、ムンバイの最も古い映画撮影所の一つであるマハブーブ・スタジオの前。中の写真を撮ろうとしたら、ガードマンの青年が「ダメ!」と言うので、「外からでもダメ?」とかやり取りし、「素早く撮っちゃえばいいよ」と言われて撮ったのがこれ。左に写っているのがその青年ガードマンさんです。

元生徒のSさんが迎えに来てくれて、家まで行く途中彼女が「あ、シャー・ルク・バス!」と言って教えてくれたのがこちらです。

シャー・ルク・カーンの控え室になっているもので、以前マニーシャー・コイララのインタビューに同席した時も、こういう大型バスに乗っていました。その時は確か、「トレーラー」と呼んでいたような記憶が....。シャー・ルク・バスはマニーシャーのバスよりも一段と大きく、真っ黒で不気味な感じ。スモークガラスで中は全然見えないようになっています。でも、中にシャー・ルクがいるかも知れないので、もしムンバイとかどこかで見かけたら、窓に向かって手を振りましょうね。

で、Sさんのお宅でおいしい冷製パスタとヒヨコ豆のサラダをいただいて、その後モノレールに乗りに行きました。インド初のモノレールが、ムンバイの北部チェーンブールとワダーラーの間に完成したのです。ところがまだ遊園地のモノレールという感じで、朝7時から午後3時までの運転しかやっていません。このモノレールの話は後日交通関係でまとめて書くことにして、最終運転のモノレールに乗れてラッキーだったものの、終点ワダーラーの駅前は何もない原っぱ。タクシーもめったに来ず、やっと来たタクシーに乗せてもらって、行きたい方向とは別の所へ。そこはガンディー・マーケットと言う一大ファッション市場で、こういった豪華キラキラなサルワール・カミーズやサリーなどを売る店が所狭しと並んでいる所でした。

イスラーム教徒のお客が多いようで、皆さん賑やかに品定めしていました。続いて、やっと本来の目的地であるダーダルの映画館へ。地図にはフェイムというシネコンチェーンの名が書いてあったのですが、アイノックスが買収したのか、アイノックスになっていました。1館だけの映画館ですが、時間替わりで3本上映しています。その中の『クイーン(Queen)』を見るのが目的でした。

 

チケットを買ったあと1時間ほど時間があったので、その辺をウロウロ。ファッション関係のお店と、飾り物関係のお店が並んでいるエリアでした。子供服は、少年ビーム(Chhota Bheem)キャラが人気のようです。ドラえもんもパクられていますねー。

午後5時半から見た『クイーン』は、なかなかよく出来た映画でした。ヒロインのラーニー(カングナー・ラーナーウト)はデリーに住む24歳の女性。2日後に結婚式を控えて、家中が大騒ぎです。彼女のお相手はヴィジャイ(ラージクマール・ラーオ)。家同士がよく知っていて、ラーニーの父親が経営する菓子店で初めて会ったヴィジャイはラーニーを追いかけ、結婚にまでこぎつけたのでした。ところが、式の2日前にヴィジャイから呼び出されたラーニーが告げられたのは、「君とは結婚できない。君は僕に合わない」というヴィジャイの冷たい言葉でした。

部屋に閉じこもるラーニーを心配する両親や祖母、そして弟。明くる日ラーニーは両親に、「ハネムーンで予定していたパリとアムステルダムに行くわ」と告げます。以前から行きたかったパリ、そしてヴィジャイが望んだアムステルダムへと、ラーニーは旅立ちます。保守的な家庭で、外出するのも女友だちか、あるいは弟と一緒でなければ許されなかったラーニーにとっては、初めての一人旅でした。

 

ラーニーはパリで、ホテルの従業員ヴィジャイラクシュミー(リサ・ヘイドン)と出会います。インド人とのハーフの彼女は、一人息子を愛しながらも、とても自由な生活をしています。その解放されたライフスタイルに、徐々に影響されていくラーニー。そして、アムステルダムへ移動した彼女は、ドミトリーで男3人と同居する羽目になります。ロシアから来たアレキサンダー、黒人系フランス人のティム、そして日本人で背の低いタカ。最初は彼らを毛嫌いしていたラーニーでしたが、次第に仲良くなり、親友となっていきます。ところがその時、ラーニーがパリから嫌味でヴィジャイに送ったセクシードレス姿の写真を見て、ヴィジャイが彼女を追いかけてアムステルダムまでやって来てしまいます。さあ、ラーニーは元のさやに収まるのでしょうか....。

内気で保守的だったラーニーが、ヨーロッパでいろんな人と出会い、まさに自分の人生のラーニー=クイーンとなっていくまでのお話です。ちょっと『English Vinglish』を思い出させるような、女性の自立を描いた作品でした。インド女性が自立するには、欧米という舞台と外国人男性が登場しないとダメなの? と皮肉の一つもいいたくなりますが、それでもラーニーに思わず感情移入して見てしまう、上手な作りの映画でした。

監督はこれが2本目のヴィカース・バフル。元々プロデューサーですが、欧米の作品をよく研究している感じが見て取れます。ソング&ダンス・シーンは一切なく、地味目の作品ではあるものの、セックスに関するあからさまな表現が出てくる所がサービスになっているようです。そのためのアムステルダムなのでしょう。

日本人として面白かったのは、タカのキャラクター。インド人が思い描く日本人らしくするためか、極端に背の低い俳優を選んであります。そして、陽気でちょっと滑稽なキャラになってます。タカを演じたのはジェフリー・ホーという俳優で、中国系の人かと思われますが(シンガポール人とかなのかも知れません)、「マジ?」とか日本語のセリフもいっぱい出てきます。そして、このタカもつらい過去を背負っているという設定で、そこは思わずホロリとしてしまいました。

今回は最初から見られたので、マハーラーシュトラ州ではまだ残っている、というか90年代の右翼政党が強かった時代に復活した国歌演奏フィルムにも遭遇。デリーでのチェックはできませんでしたが、今度の総選挙でBJPが勝利すればまた復活させる州も出てくるかも知れません。1970年代の初め頃までは全国で見られたらしい国歌演奏フィルムですが、できればない方が映画好きの身としてはありがたいです....。

 

 


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2 コメント

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国歌。 (サントーシー)
2014-03-15 23:26:40
インド映画通信さんの記事で見ましたが、
ムンバイあたりではあるんですね。

デリーNCR、ボパール、ジョードプル、
ハイデラバード、ジャンシー、ではなかったように思います。
あっ!私が初めてインドで映画を観たのは、
1997年のムンバイでしたが、
・・・・全く記憶がありません・・・。
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サントーシー様 (cinetama)
2014-03-16 02:32:23
コメント、ありがとうございました。

そうなんです、私も「インド映画通信」さんのブログを見て、パンジャーブ州でもそうなのか、と思った次第です。
今日はPVRフェニックスモールで映画を見たのですが、PVR独自の国歌演奏フィルムが流れました。映画業界の女性だけが出演するもので、シュリヤー・サランやグル・パナーグらのスターの他、ファラー・カーンらスタッフの中には先日お会いしたディーパーさんまで! ボリウッドの女性パワーを感じさせるフィルムでした。
メイキングがこちらにあります。
http://www.youtube.com/watch?v=Y86YdOE04x4
Wimen in Film & TV Indiaの活動の一環として行われたようです。
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