アジア映画巡礼

アジア映画にのめり込んでン十年、まだまだ熱くアジア映画を語ります

ラモージ・フィルム・シティ見学ツアー体験記

2025-02-16 | インド関連映画

今や、日本のインド映画ファンなら誰でもが知っている、名作を生む映画の撮影現場ラモージ・フィルム・シティ(以下「ラモージ」)。旧アーンドラ・プラデーシュ州が2つに分かれたうちの内陸部にある方、テランガーナ州の州都ハイダラーバードの中心部から、南東へ車で30分ほど走ったところにあります。いろんなツアーがあって、1万円ぐらいするものがあったりしますが、今回はテランガーナ州政府観光局(Terangana Tourism Development Co.)のツアーを選んでみました。費用がリーゾナブルで、マイクロバス(AC付き)の送迎がついて2300ルピー(約4千円)というところが、1万円ぐらいする他のツアーよりもいいと思ったのです。申し込みに行ったのは、こちらの観光局でした。街のあちこちにいろんなブランチがあるようで、どこでもそれぞれがツアーを実施しているようです。下は申し込みに行った日のカウンターにいらした皆さん。手続きをして下さったのは、左側のサイラリさんで、何かと説明して下さったのはその右のラチナーさんでした。

引受書をもらい、「明後日の朝8時集合よ。バスが出るのは8時15分だけどね」との説明が。近くだからオートで来ればいい、と思っていたのですが、いざ今朝になると、ウーバーオートが捕まっても「11分後に到着します」とか出て焦ってしまいました。結局、流しのオートに乗ったのですが、運転手さんに事務所名を言っても「?」、住所も「CCSポリス・コントロール・ルーム向かい」と言っても首をかしげ...で、前々日に一発で言ってくれた運転手さんはスグレモノだったのだな、とわかりました。門から入っての建物の1階に事務所がある、わかりにくいところなんです。

で、8時にはちゃんとマイクロバスが来て、20分にはプネーから来ているご一家4人(両親と二人の娘さん)、ムンバイから来ている青年とそのお母さん(お母さんが若いのでカップルかと思った)、そして私の7人を乗せ、バスが出発します。運転するガイドさんはナーサル・アリーさんという40をちょっと出たぐらいの男性で、とても感じのいいおじさんでした。

で、バスが出発したと思ったら、5分で停車。「この先、ノンストップでラモージまで行くから、何か食べたい人はここでどうぞ」どうも契約しているらしい食堂で、30分ぐらい一休み。トイレは、観光局事務所でもここでも行けますが、トイレットペーパーはないので、困る方は持参しましょう。中の芯を抜いて、ぺちゃんこにしてビニール袋に入れ、バッグの中へ、というのが私のやり方です。

そこにもう1台観光局前に停まっていた市内観光のバスも来て、10人ほどの客がわらわらと中へ。その中に、さっき観光局でトイレに行くのを見かけた、ステキなペアの、ガーグラー・チョーリーとサリーを着たお母さんと娘さんがいたので、写真を撮らせてもらいました。州内の別の場所から来て、お父さんも一緒に3人で観光するんだそうです。

で、やっと本格的にバスは走り出し、多分地下鉄の青い線路のナーゴール行きだと思うのですが、その高架がずっと続く道を走っていきます。そして、地下鉄と分かれたあと同じくらい走ったら、もうラモージ・フィルム・シティ入り口でした。結局休憩所からは、30分ぐらいで来てしまったと思います。

最初のゲートを入り、バスを駐車場に停めたナーサルさんが、「チケットを受け取りに行ってきますから、このまま待っていて」と姿を消します。10分ほどして戻ってきて、チケットを渡してくれてステッカーを上腕部に貼ってくれました。これで、ラモージのゲストということでバスに乗ったりショーを見たりできるわけです。下の写真は写りがあまりよくありませんが、右がチケットとステッカー、左のパンフレットはラモージの案内パンフです。

チケットもぎり場はこんな感じ。正面がチケット切り離し&セキュリティのゲートです。

そこからまた5分ぐらい車にゆられて、着いたのが「ユーレカ」という区域。以前からある遊具やレストラン、劇場などを整備して、新しい飾り付けなども増やしてあります。ここから赤いバスに乗って、各所にある見学施設を回っていくのです。ここで、案内所に行くと案内パンフももらえます。お金持ちツアーの人は、配ってもらっているようで、皆さんこれを見ながら動いていました。

 

まず最初は、「Bhavagatam」という神話映画というか歴史劇というか、そういうものを撮るスタジオ。王宮広間が2箇所のセットになっています。着くまでの廊下にも、ラーマやビーマなど、いろんな神様の像が立っていて、天井にも装飾が施され、スタジオの中も実に見事な装飾で飾られています。

 

そこから出ると、外に一休み場があり、スナックや飲み物を売っています。コーンが70ルピーとか、サトウキビジュースとかもあり、お客がわっと群がります。

 

そこから階段を降りると駅のセット。列車が停まっていて、DDLJごっこもできます。なぜかホームではダンスの振付師みたいな人がお客をのせて踊りが始まり、私も同乗の人に誘われて一緒におどりました。もっと、いい場所でこれをやればいいのにね。

 

そこから赤バスに乗って、次は『バーフバリ』のセットへ。赤バスの乗り場の前にはいろんな映画のパネルが並んでいるのですが、相当に色あせていて、大もうけしてるんだから、これぐらいリニューアルすれば、とついツッコミが。影の薄いバーフバリー様、お気の毒です...。

バスは結構あちこち回って移動していくのですが、その合間にはラモージのスタッフによる饒舌な解説が。「あの屋敷は、ラジニカーントの『チャンドラムキ』を撮影した場所です。あの噴水は...」と映画名と時には歌の歌詞もつぶやいて、お客も、知ってるぞ~、という感じでどよめきます。映画はボリウッド映画とトリウッド映画、それにタミル語映画が多かったですが、時にはマラヤーラム語映画やカンナダ語映画の名前も出ていました。

 

『バーフバリ』のセットに関しては、「地球の歩き方:インド」の現在出ている版に井生明さんのお上手な写真があるので、そちらを解説と共に見ていただきたいのですが、皆さんここが一番の目玉のようで、あちこちで王座に座ったり、バラーラデーヴァの戦車に乗ったりして、写真をいっぱい撮っていました。しかし、この頃になると暑い、熱い! この日の気温は最高で33℃だったのですが、それ以上に熱く感じられてちょっとフラフラに。いらっしゃる時は、日傘か帽子を持参なさるのがオススメです。

 

  

 

 

ここには黄金像の前に食堂もあって、壁には場面写真が飾ってあり、ファンなら感激が次々に襲ってくるに違いありません。今日は日曜日だったので来場者が多く、いい写真を撮りたいなら、平日訪問の方がいいかも、です。

あと。スーベニアショップがあるのですが、めぼしいものは何もナシ。ラモージのスタッフシャツぐらいですかねー。せめて何か、『バーフバリ』関連のバッジとかTシャツだけでも売っていればいいのに。日本の商人に負けてますよ~。一度勉強にいらっしゃい。

続いて次は、バスに乗ってステージ(撮影棟)が並ぶ所へ。1つのステージにはキャバレーのセットが作ってあり、そこを使ったシーンがモニターでながされています。続いて外に出て、「ヨーロッパの通り」という、洋風の街が出現している部分へ。

 

 

一つの建物では、モーションキャプチャーの実演が行われていました。わかりやすい説明に、見ている人も引き込まれます。横手の部屋に移動すると、我々が船上にいるシーンが壁に映し出され、みんな大騒ぎ。私は1人だけ、白髪頭で目立っていました。

 

そこから赤バスで「エアポート」へ。さすがにきちんとした空港内シーンと、それから機内もその上部に作られていて、飛行機に乗っている気分になります。

 

そこから赤バスが運んでくれたのは、「日本庭園」。確か16年前には鳥居があったのですが、さすがになくなっていました。でも、これはどう見ても「中国庭園」だわよね。

 

 

熱さにも負け、バス乗り場に早々に移動して、そこの売店でマンゴーラッシー(100ルピー)を飲んでホッと一息。でも、なんか体が変です。しまった、メニエル病の発作が出て来てしまったぞ。係員の人に「早くユーレカに戻りたいのですが」と言うと、「このバスで次の見学場所に行けば、ユーレカ行きのバスに乗れますので」と教えて貰い、フラフラしながらバスへ。

 

ところが着いた「アスカーリー・ガーデン」では、「ガーデンの経路全部抜けた先にユーレカ行きのバスが待っているので、そこまで行って下さい」とのこと。500メートル歩いて蝶など見る元気もなく、どうにも動けず、またマンゴーラッシーを飲んでベンチでいろいろ指圧したりして体調を整えようとしながら困っていると、ガードマンさんがあわれに思ったのか、しばらくして来た赤バスに交渉してくれたらしく、「あのバスはユーレカまで戻るから乗って行きなさい」と案配してくれました。車上から「ありがとう」と手を合わせると、「いいんだよ」という感じであちらもナマステポーズを。インドの人って、本当に親切です。

で、ユーレカに戻って冷房の効いたレストランに入り、ホッとしました。食事ができるレストランは6箇所あり、「スーパースター」というレストランはランチ・ビュッフェが750ルピー。高いツアーにはこれが含まれていて、皆さんクーポンを差し出し、お皿と水のボトルをもらって席に座り、中央のビュッフェを楽しんでいます。私もカードで750払って、ヴェジ中心ながら片隅にお魚やチキンのカレーもある、とってもおいしいビュッフェを楽しみました。デザートもいろいろあって、バニラとマンゴーのアイスをたっぷりいただき生き返りました。

 

この後は、3時からのショー「ラモージ・スピリット」を見たのですが、ほんの20分ほどだけで、16年前に見た1時間のショーに比べると少々お手軽でした。座るのがベンチになっていて、背もたれ付きの座席にしてないのも、こんなに短いからなのね。

あと4時にもショーがあるみたいでしたが、我々のバスの運転手ナーサルさんが、「4時半には出発しますので、それまでにバスに戻ってきて下さい」と言っていたので、コーヒーを1杯飲んでトイレにも行き、4時10分ぐらいにはバスへ。落ち着いて座れるカフェを発見できなかったのですが、軽食や飲み物を売っているブースちかくにはベンチとゴミ箱があり、園内はとてもきれいでした。

バスの乗客はプネーのご一家はちゃんと4時30分に戻ってきたのですが、ムンバイの母子さん組がなかなか戻ってきません。午後5時も過ぎ、ナーサルさんもちょっとイラついてきました。でも、プネーのご一家のお父さんは、何か文句を言うでもなく、リクライニングを倒して半分寝ている感じ。インドの人にしては珍しい、大人しい方で、子供たちも奥さんも静かに待っていて感心しました。で、5時過ぎにナーサルさんの携帯に電話が。朝、バスを離れる時、全員にナーサルさんは携帯番号を伝え、「何かあったら電話してね」と私にも書いておいてくれたのです。さすがに声が高くなっていたナーサルさん、よく聞き取れず彼らがどうして遅くなったのかわかりませんが、「ニュー・パーキングの所、と言っておいたでしょう」と言うナーサルさんの声からすると、待っている場所を間違えたようです。バスに乗ってきても息子さんの方がナーサルさんとけんか腰のやり取りを2、3しただけで、我々も特に何も言わす、5時15分頃帰途につきました。ま、こういう時インドの人は、迷惑を掛けた他の人にも謝る、ということはないですね。

 

というわけで、ラモージ・ツアーはちょっと後味が悪いものになったのでした。帰りの運転は、行きと違って結構乱暴で、ナーサルさん、怒ってるね、と思っていたのですが、市内中心部に入る前に渋滞につかまり、行きは30分ぐらいだったのが、帰りは1時間半ほどかかりました。これもあって、4時半出発を守ってほしかったのよね、ナーサルさん。

プネーのご一家が途中で降りたので、私も一緒に下車して、その後両替商とスーパーマーケットを捜してショッピングモールを2つほど回ったものの、どちらにもスーパーマーケットはなく、おまけにシティ・センター・モールの方は「ショボすぎる」感いっぱい。ただ、そこから歩いて行った(!誰も歩いていない道を車に追いかけられながら歩くってちょっと不気味。おまけに歩道は砂の山だったりして、車道の端を歩くしかない)ハイアットの向かいにあるGVKモールでは、「ここには両替商は入ってませんか?」と聞いたインフォメーションの男性が親切にもそこから近いところにある両替商の名刺を出して教えてくれ、明日行ってみることにしました。チェンナイだと、たいていモールには両替商がいるのにね。ここでやっと夕食。コーヒータイムだったかのお店で、すごく辛いドッグとチョコレートフラッペを。これで550なので、昼間のビュッフェはお得でしたね。注文を聞いてくれた人が、『JAWAN/ジャワーン』で親父さんを助ける警察官そっくりで、チベット系の人かしら? とまじまじ見てしまいました。北東インドの人や、それ以外のチベット系の人(昔、そういえばダルムシャーラーと共にマンガロールだったかにチベット難民キャンプがあったっけ)がラモージでもそうでしたが、よく各所で働いています。ハイダラーバードはまだ地図が頭に入らず、町歩きに苦戦していますが、あと少し奮闘してみます。

*12時間ほど前にアップしたつもりが、「公開する」にチェックを入れ忘れていました...。あかんがな~です。今年は時差ぼけもまだ解消しないし、解消した頃に帰国する、という間抜けなことになるかも。とりあえず、ご覧いただければ&実際においでになる時の参考にしていただければ幸いです。


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ハイダラーバードに来ていま... | トップ | ハイダラーバードの地図がま... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

インド関連映画」カテゴリの最新記事