今開催中のヴェネチア国際映画祭にも出品されている台湾映画『セデックバレ』 (原題:賽徳克巴莱)が、いよいよ本日9日から台湾で公開となります。監督は『海角七号 君想う、国境の南』 (2008)の魏徳聖(ウェイ・ダーション)。ジョン・ウーもプロデュースに参加しています。
『セデックバレ』 (賽徳克巴莱)
第一部「太陽旗」9月9日(金)公開/第二部「彩虹橋」9月30日(金)公開
監督:魏徳聖(ウェイ・ダーション/サミュエル・ウェイ)
主演:馬志翔(マー・ジーシアン)・・・・鐵木瓦力斯(ティム・ワリス)役
→父親がセデック族出身で、馬志翔の原住民名はUminBoya。『Orzボーイズ!』 (2008)等にも出演しています。
安藤政信・・・・小島源治役
温嵐(ランディー・ウェン)・・・・馬紅莫那役
→歌手の彼女も泰雅(タイヤル)族出身。映画初出演。
羅美玲(アイリーン・ルオ)・・・・川野花子役
→彼女も歌手でタイヤル族出身。同じく映画初出演。
徐若[王宣](ビビアン・スー)・・・・高山初子役
→彼女にもタイヤル族の血が入っているそうで、本作の製作費が不足と聞いてビビアンのお母さんが資金援助をしたとか。その他、周杰倫(ジェイ・チョウ)や言承旭(ジェリー・イェン)も製作資金を援助したそうです。
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スチール写真や現場スナップ、予告編ロングヴァージョン、メイキング映像などが見られます。
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本作は、1930年に起こった霧社事件を描いています。霧社事件というのは、日本統治時代「生蕃」と呼ばれていろいろ差別や弾圧を受けていた原住民が武装蜂起した事件で、霧社地方のタイヤル族のモーナ・ルーダオがリーダーとなり、察署や日本人が集まっている運動会などを襲って日本人134名を殺害したものです。1930年10月27日のことで、その後台湾総督府は大規模な反撃を開始、蜂起側は山に立てこもってゲリラ戦を展開しましたが、政府側の砲撃や爆撃、また同じ原住民を使っての攻撃に徐々に追いつめられ、モーナ・ルーダオは11月半ばに自殺してしまいます。最終的には、蜂起側の死者は戦死者343名、自殺者296名にのぼったそうです。(参照:「台湾百科」「岩波現代中国事典」など)
ヴェネチア国際映画祭で上映された時は、戦闘場面が残酷だという批判もあったそうで、賛否両論だったとか。どのような描き方がされているのか、気になります。またヴェネチア国際映画祭では、国名が「中国台湾」とか「中華台北」とか表記されてしまい、これも問題になりました。昨年の東京国際映画祭での事件の繰り返しですが、さて、TIFFでは本作は上映されるのでしょうか。楽しみにして待ちたいところです。