全然宣伝のお手伝いができなかった<シネ・マレーシア2013>、やっと最終日の5月31日に行ってきました。場所はオーディトリウム渋谷。昨年の<インディアン・フィルム・フェスティバル・ジャパン(IFFJ)>に続き、この劇場はアジア映画の映画祭センターと化しつつありますね。喜ばしいことです。インド映画を筆頭にアジア映画大好きの支配人もいらっしゃいますので、アジア映画で映画祭を計画中の方は、一度相談してみて下さいね。
で、やって来ましたオーディトリウム渋谷、マレーシアの民族衣装バジュ・クロンを着た女性たちを発見! 左手のチケットカウンターに連なる所には、DVDやカタログ(と言うよりはマレーシア映画文化研究会による、各映画研究の小冊子。映画の背景や深読み情報が盛り込まれた論文集で、映画を見たあとに読めば「そうだったのか!」となること請け合い。これであと、1.監督以外の主要スタッフのクレジットも入れる、2.キャスト名をローマナイズのままでなくカタカナ書きにする、がしてあったら、カタログとしてとっても役に立つのに~。もっと、映画ファンにも愛がほしいです....)が売られていたり、スポンサーとなっている食品会社ブラヒム(Brahim Food Japan)の製品が並べてあったり。
このブラヒム社の製品、レトルト食品を1000名様に無料でプレゼント!があったようで、友人のうらかわさんは最終日までに8本見に通って8袋をゲットしたそうな。うらやましすぎる~。最終日はプレゼントがなかった、ということは、観客1000人突破だったのですね。よかったです~。
また、その製品を使ったお料理が1Fのカフェで食べられる、というのもこの映画祭の魅力。上の写真は、私が夕食に食べたチキンカレー。ピーナツ入りの人参サラダもとてもおいしかったのですが、これで何とワンコインの500円! そういうアイディアもいっぱいのシネ・マレーシア、中心になっていたのが下の方々です。
真ん中にいるのが、この映画祭のディレクターとも言うべき竹内志織さん。ピート・テオやホー・ユーハン始め、マレーシアの監督や映画人のほとんどと顔見知り、という竹内さん、この日は粋なチャイナドレス姿でしたが、何とお手製なのだとか。どんだけ~、の才能の人です。両側の美しいバジュ・クロン姿のお二人は、「マレーシアごはんの会」のメンバーで、右が古川音さん、左が三浦菜穂子さん。興味のある方はこちらのサイトをどうぞ。ご飯だけでなく、マレーシア情報が満載です。竹内さんを中心とする元々のスタッフ3人に、マレーシアごはんの会やグラフィックデザイナーの方などのボランティアの方々、そして前述のマレーシア映画文化研究会等の皆さんが力を合わせて開催したのが、今回の<シネ・マレーシア2013>だったのですね。マレーシア単独の映画祭としては、国際交流基金が1990年に開催した<マレイシア映画週間>以来となるこの映画祭、来年以降もぜひ続けて開催してほしいものです。
<シネ・マレーシア2013>は、映画上映のほかイベントも盛りだくさんで、上の写真に写っているのは最終日の最終回に生演奏をした、マレーシアの若手No.1の伝統音楽家であるというカムルル・フシンさん(左)。残念ながら私は聞けなかったのですが、私が見た回も、ホー・ユーハン監督の叔父さんである文学者何乃健をよくご存じのマレーシア華人文学研究者、舛谷鋭氏のトークがありました。
この日見た映画は、山形国際ドキュメンタリー映画祭でも上映されたクー・エンヨウ監督の『影のない世界』(なぜ伝統的な影絵芝居の演目が上演許可されないのか、とか目からウロコ)、エフェンディ・マズラン監督&ファリザ・アズリナ・イサーク監督の『Songlap(横取り)』(力作! 赤ん坊ビジネスという素材はまたか!だったのですが、主人公を演じたシャヘイジー・サムが出色の演技でした。ヤスミン・アフマド監督作『ムクシン』や『タレンタイム』のシャフィー・ナスウィくんも出ていて、マレーシア映画ファンには嬉しい作品)、細井尊人監督の短編『サイレント・ラブ』(ホー・ユーハンが刑事役で出ていてびっくり! 彼の上司を演じた俳優にも見覚えアリ)、イエペ・ロンデ監督&ウー・ミンジン監督の短編『Girl in the Water』(ねっとりした作品だった...)、ホー・ユーハン監督のドキュメンタリー『誰にでも言い分はある』(彼らしいユーモアにトンデモない主張を包んだ作品)でしたが、それぞれに楽しめました。あ、それと、ピート・テオ監督の初監督作品で、映画上映マナー短編『Be Quiet』も毎回上映。これにもホー・ユーハンやシャリファ・アマニが出ていて笑ってしまいました。
公式サイトはこちらですが、一目でどんなカテゴリーの映画があるかがわかるのは、むしろチラシの方。このチラシB5判3枚綴りになっており、デザインもきれいでスッキリしていて、とても見やすいです。というわけで、チラシをスキャンして付けておきます。
シネ・マレーシア事務局では、これらの作品を貸し出し中。方法は2つあり、自分たちで直接製作会社から上映権を取得し、シネ・マレーシア事務局から上映素材(日本語字幕入りブルーレイ・ディスク)を借りる、 シネ・マレーシア事務局に上映権取得も依頼し、OKが出たら上映素材も借りる、というどちらかを選択できるそうです。事務局の竹内さんいわく、「山形国際ドキュメンタリー映画祭方式なんですよね~」。各地の映画祭主催者の皆様、ぜひご一考下さいませ。前述の公式サイトから、メール送信ができますのでご利用下さい。
なお、オーディトリウム渋谷では、本年10月11日(土)~10月18日(金) にまたIFFJが開催される予定です(大阪は10月19日(土)~10月25日(金) の予定)。今年もインド映画10数本の上映を目指している上、字幕もぐっと向上したものが付くはず、とのことなので、こちらの公式サイトをチェックしていて下さいね。
シネ・マレーシア、当方は6本観ましたが、ジェームス・リー監督の『The Collector』と『黒夜行路』が面白かったです。『サンカル』もあっと驚く展開の映画でした。
『パパドム』は、タミル語版リメイクがあるそうです。
ブラヒムのレトルト、当方は同じものを4つも貰いまして、これからどうやって消費しようか思案中です(笑)。
竹内さんによると、今回の人気ベスト3は『The Collector』『Bunohan』そして『イスタンブールに来ちゃったの』だそうです。どれも見られなかった私はドジです....。
レトルト、同じ物4つなら4人分一緒に温めてホームパーティーとか。「マレーシアのご飯を食べるかい(会)」なぞいかがでしょう?
レトルト、実は煮込みソースでして、そこに肉やら野菜やらを突っ込んでできあがり!という代物です。
しかも1パックで3~4人分。
つまり合計12~16人分なのです…。
あの紙パックの方ではなかったのですね。私は「トマトチキン、ニンジン入り」なるレトルトパックを買いまして、そこに「1人分」とあったものですから、てっきりそちらかと思ってしまいました。すみません。
「マレーシア風ニョニャソース」(3人前)というのも買ったのですが、「鶏肉をいためてから本品を加えて沸騰させ、煮込めばできあがり」という簡単かの字製法なので、これと同じようなものならお手軽に3日分のお食事が間に合うのでは? 何だか、映画を見に行ったのやら、食料品を仕入れに行ったのやら、どっちが本命だったのかわからなくなりました....。
がんばってお料理をお作りになって、<シネ・マレーシア>を反芻して下さいませ~。