アジア映画巡礼

アジア映画にのめり込んでン十年、まだまだ熱くアジア映画を語ります

チェンナイでの最後の1本&お買い物

2014-03-21 | インド映画

チェンナイ滞在もあとわずか。これから香港へ向かいます。最後に行ったのは、これもよく行くアビラーミという映画館。ここはとってもヘンテコなシネコンで、様々なホールの寄せ集まり、という感じ。一度ホールの設置状況を図解してもらいたい!という思いに行くたびにかられます。下の写真はビルの入り口にあった看板の数々で、これから公開される作品のようです。昔は入口の階段下、左横にチケット売り場があったのですが、今回は2階に立派なチケットブースができていました。

今回見たホール「ロボット」も変な作りでした。1階が120ルピーの平土間席、そして3階にはバルコニー席があるのですが、別々の入口から入ります。バルコニー席は200ルピーするだけあって超豪華シートで、飛行機のビジネスクラスの席みたいに、足置きが水平になるまで出てくるのです。当初指定されたのは一番後ろの席だったのですが、「靴を脱いで上がって下さい」と言われて「ヤだ」とごねたら、一番前の席に座らせてくれました。

こんな席でも開始30分後ぐらいには満席になり、私の横にはずらーっと女子学生たちが。しかし、もぉぉぉぉぉのすごくマナーが悪くて、携帯は鳴らすは、メールだかラインだかずっとやってて光が超まぶしいはで、注意したのですが最後までやっていました。この前『地区(Jilla)』を見た時もそうで、インド人は世界一マナーの悪い観客と化しつつあります。だんだん、インドでインド映画を見たくなくなってきました....。

それはさておき、チェンナイ最後の日に見たのは『ラムネ(Goli Soda/Banta)』という作品でした。上の写真は仕立屋のジョーティさんですが(この日のサリーがとってもきれいな色とデザインだったのでパチリ。店の前にいた子猫も特別出演)、そのジョーティさんの店に頼みに行った時に、息子さんが推薦してくれたうちの1本でした。新聞の評価では星3.5個だったので、これにしてみようと思って行ったら大当たりでした。推薦してくれた息子さんに感謝!

ラムネというか、上にニーンブー(小さなレモン)を乗せて屋台に並べてあるガラス瓶入り飲み物はインドでは見慣れた光景でしたが、一度も飲んだことがなかったので、あれが「ゴーリー・ソーダ」という名前だとは知りませんでした。ほこりまみれみたいな気がして、手が出なかったんですよね。映画の中ではラムネを飲むシーンが出てきますが、冷やしてあったのかおいしそうでした。

主人公は、チェンナイの大きな市場で下働きをする中学生ぐらいの4人の少年。野菜運びを手伝ったり、買い物客の荷物持ちをしたりして、路上生活で何とかその日を暮らしています。4人の保護者的存在が野菜売りをしているアーチーと呼ばれる中年女性で、のらくらと日を送る彼らを叱りつつも面倒を見てくれていました。そんな中で4人は、メガネ女子の中学生と知り合いになり、やがて彼女の協力でその友人の女の子とも知り合います。ところが、何と彼女はアーチーの娘。その後、6人は友情を育んでいきます。

アーチーは身よりも教育もない4人を何とか一人前にしたいと考えていました。地元の顔役ナーイドゥの所に助力を頼みに行くと、ナーイドゥは彼らに空いた店を貸し与え、そこで商売をするように言います。4人はそこを食堂に改装して、アーチーやガールフレンドの助けを借りて店をやり始め、たちまち人気を得ていきます。ところが、ナーイドゥの親戚の男が店を根城にするようになり、普通の人々は寄りつけなくなってしまうことに。抗議した4人はさんざんたたきのめされ、やがてそれは4人とナーイドゥの争いにまで発展していきます。

 一度はナーイドゥの手下たちに死ぬほどの目に遭わされ、しかも長距離トラックでカンニャークマーリー(最南端のコモリン岬)やラダック等、離れた別々の場所に捨てられた4人でしたが、メガネ女子の友人が辛抱強く4人を探してくれ、やっとアーチーの元に返ることができました。そしてまた、ナーイドゥとの闘いが再燃します....。

監督は、カメラマンとして長らく活躍してきたヴィジャイ・ミルトン。監督としてはこれが2作目です。原案も彼で、最後のクライマックスのプロットがとてもよくできているのにはうならされました。始まりの部分は少年少女の恋と友情ものかな、と思わせるのですが、裏社会のドンに少年たちがどう立ち向かったのか、というところで社会性も持たせてあり、アクションシーンも豊富で、盛りだくさんな内容となっています。ノンスター作品なので、日本での公開などは難しいかも知れませんが、何かの機会に上映されるといいですね。予告編(というか、半分以上メイキング)こちらです。

♪  ♪  ♪  ♪  ♪

さて、あとはチェンナイでのお買い物をちょっとご紹介。チェンナイではいつもランドマークという本屋のいろんな所のお店を回るのですが、今回はまず行ったスペンサー・プラザのお店がさびれていてびっくり。空の本棚が目立つ店内に、愕然としました。ジェミニ・フライオーバーの近くにあるお店(上はその入り口で、地下に降りていくと店内が広がっています。他には看板もなく、知っている人だけが行くお店、という感じですね。ビルの表のKonikaの看板が目印です)には従来通り物が揃っていてホッ。そこで買ったのが、次のようなものです。まず、ラジニカーント布バッグ。「タライバー(ボス)」がロゴになっていますね。ほかにも、ボリウッドの古い映画『ガイド(Guide)』のバッグもありました。主演はデーウ・アーナンドとワヒーダー・ラフマーンです。

それから、同じラジニのイラストを使ったエプロン。あと、『炎』のアミターブ・バッチャンとアムジャド・カーン(盗賊の首領ガッバル・シン役)のも発見。こんなエプロンをして料理をする奥さんがいたら....コワイですねー(笑)。味に文句を言ったら、旦那さん撃ち殺されそう。

なお、ガッバル・シンのエプロンにある「トゥムネー・メーラー・ナマク・カーヤー・ハイン(間違ってますねー。正しくは単数形の「ハイ」にしないと)」は「お前は俺の塩を食べた」というのが直訳ですが、「お前は俺の世話になった、手下だった、身内だった」というような意味になります。『炎』ではガッバルに銃を向けられた手下が、「俺はあんたの塩を食べた(身内だった)んですよ」と言うと、「今度は弾を食らえ」とガッバルが言って引き金を引きます。真ん中のアミターブ・バッチャンの服装は『炎』ですが、セリフは『ドン』のもじりですね。ラジニのも何かのセリフでしょうか? ご存じの方は意味と共に教えて下さいませ。

それから、カパレーシュワラ寺院の参道では、ほしかったおままごとのお弁当箱(ダッバー)を見つけました。昨年探したけれど、このお店自体が見つからなかったのです。一昨年とその前の年もここでおままごとのダッバーや調理器具を買い、『スタンリーのお弁当箱』の紹介の時に使ったのですが、今回も『ザ・ランチボックス』が夏に公開されるので、それを見越して手に入れてきたのでした。左のお弁当箱の高さが10㎝ちょっとです。

前の時は別の男性が売り子だったのですが、耳と口が不自由な障害者で、今回のおじさんも言葉が不自由な人でした。耳は聞こえるのか、それとも大体のやり取りがわかるためか、買い物はそんなに苦労せずできます。値段は、大事そうに箱にしまってある電卓で叩いて見せてくれますので問題なし。3つで145ルピーだったのですが、140ルピーにしてもらいました。ほかにも台所道具一切合切が入ったおままごとセットなどもあり、重さが大丈夫ならいろいろ買いたいお店です。

というわけで、チェンナイ滞在も無事終わりました。チェンナイでアップしようとしたらまたネットトラブルで繋がらなくなり、香港まで持ち越してアップしている次第です。香港は17度とちょっと寒いですが、24日から映画祭も始まるので、また戦闘態勢に突入です....。

 

 


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2 コメント

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欲しいです!! (サントーシー)
2014-03-23 00:15:52
私はラジニ様のファンで、
アポなしでお宅訪問も2回しています。
 (2回ともラジニ様は不在でした・・・)
バッグ欲しいです! ・・・って言うか・・・・
チェンナイに住んだ方がいいかもしれませんね。
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サントーシー様 (cinetama)
2014-03-23 00:44:06
コメント、ありがとうございました。

ニューデリーにもランドマークはあるみたいですが(ググったら、ワサントクンジュのモールに入っているようです)、置いてないでしょうか?
チェンナイでも3支店回ったうちではコニカのビルのお店にしか置いてなかったので、そこの支店だけが委託販売とかをしているのかも知れませんね。
こういう映画グッズを見たのは今回が初めてなんですが、なくなったらもう二度と出ないかもしれないのがインドですよね....。
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