つくばエクスプレスは現在6両で運転している列車を8両に増結することを発表した。
それに伴い、車両を調達するだけでなく、各駅のホーム延伸、車両留置線の延伸、変電所の増強、総合基地内設備、信号通信設備などの新増設などを行なう。
概算事業費は設備関係だけで360億、2030年代前半の供用開始を目指す。8両化に伴い、輸送力は30%程度増加、混雑率は150%程度まで低減する。
------------------------------------------
2005年の開業以来、6両で運転を続けきたつくばエクスプレス。今後10年以上かけて8両編成対応工事を行なうことになった。現行、ホーム有効長は125mで6両編成しか停車できないが、地下駅を含め40mのマージンが確保されているので、ホーム延伸は比較的行ないやすい。南流山に至っては、そのマージンを活かして停車位置をずらしているから、ホームドアの設置くらいだ。とはいえ、全20駅のホームを延伸するのは思っているより時間がかかる。
開業時15万人だった1日の乗車人員は、今では37万人、定期客は5年前より2割増の24万人となっている。ピーク時の青井→北千住での輸送量は3万人を越え、混雑率は165%、東武スカイツリーラインの149%どころが、常磐線や日比谷線の157%を上回っている。でも、つくばエクスプレスはまだマシな方で、グリーンラインは167%、日暮里舎人ライナーは187%と、新規路線の需要の見込み違いがあちらこちらで見られる。
8両に増結するまでは時間がかかるので、来年度を目途に新型車両3000系5編成を投入、ピーク時1時間の本数を22本から25本にして、混雑率を145%まで下げる。つくばエクスプレスは利用客数が増加すると予測、6両から8両に増結しても、今より混むのだから、今後10年で35%ぐらい増加すると見ているのだろう。現状の輸送量が3万人に対し、15年後の予想している輸送量が4万人、震災直後の6年前から4,300人増えていることの延長線上だということを考えると、それくらいの輸送量になるのだろう。確かに八潮から先は、集合住宅とかタワマンの開発余地はあるけど、人口が横ばいのところでどれくらいの需要はあるのやら。
6両から8両への増結で全体の混雑率はもちろん、女性専用車ではない車両が5両から7両と4割増になり、大幅に混雑が緩和されると思われる。首都圏で6両なのに女性専用車があるのは、流山おおたかの森で接続する東武アーバンパークラインと横浜地下鉄ブルーレインくらい、アーバンパークラインのピーク時の混雑率は大宮口で148%となっているが、女性専用車両は一番空いている最後尾、ブルーラインも132%と比較的空いている。
増結時期は2030年前後と思われる。2030年時点では、開業時の編成は製造してから26年経過しており、置き換えするかどうか微妙なところだ。高速運転で他の車両に比べると傷みもあるだろうし。多分、現状の車両に中間車2両増結して、現状の車両が寿命になったら、増結されていた2両は他の新造車6両に増結という形になりそうだ。
増発でなく10年後の増結という形だったら、3000系は5編成で打ち止めになる可能性がありそう。車両数を増やして、増発したところで、乗務員数を確保しなければならなし。8両でも、26本以上に増発できそうだけど、高速運転はできなくなりそうだ。
つくばエクスプレスが常磐新線と呼ばれていた頃、2000年辺りに発行されたパンフレットのイメージ図では、中間車2両が2階建の車両となっていた。でも実際投入されたのは、一部がクロスシートの車両。開通して10年ほど経つと、クロスシートでも厳しいくらい混雑してきたのでロングシート改造することになった。常磐線との競合を考えると、それこそ2階建構想をグリーン車として復活させてもいいと思うのだけどね。つくばまでの50分前後の乗車時間は中央線快速と同じくらいだし。常磐線でも15両中2両のグリーン車を連結しているくらいだから、交直流車8両中1両をグリーン車にしても大丈夫だと思うのだけど。
最新の画像もっと見る
最近の「情報(東日本)」カテゴリーもっと見る
最近の記事
カテゴリー
バックナンバー
人気記事