羽田アクセス線、環境影響評価手続きへ

ＪＲ東日本は、先月15日に羽田空港アクセス線（仮称）の東山手ルートの環境影響評価調査計画書を東京都に提出、環境影響評価手続きに着手した。

事業区間は12.4km、東海道線接続区間1.5km、大汐線区間3.4㎞、東京貨物ターミナル内2.5㎞の計7.4㎞は改良、東京貨物ターミナルから羽田空港新駅までの5.0㎞はシールドトンネルの建設区間となる。

田町駅の北側では山手線引き上げ線を撤去の上、山手線外回り、京浜東北線南行、東海道線上りを山側に移設、東海道線上りと下りの間から単線の計画線が分岐する形になる。計画線は擁壁から長さ約800m、深さ15mのトンネルに入り、東海道線下り、東海道新幹線をアンダーパス、トンネルを抜けたあたりで単線から複線となる。

大汐線については線路等を改修するが、東京貨物ターミナルに入るところで高架線に改良して踏切をなくす。東京貨物ターミナルには18,000平米の広さを持つ車両留置線・保守基地線を上下線の間に整備する。東京貨物ターミナルからは環七の手前でシールドトンネルへ、シールドトンネルは深さ約48mのところに掘られることになる。羽田空港新駅（仮）は15両対応の島式ホームで、首都高の下、スカイアーチ北側に作られる予定とになる。

工期は７年、開通後は、15両編成を毎時８本、一日144本運転する計画となっている。

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ＪＲ東日本が計画している羽田空港アクセス線、環境影響評価調査計画書を通して、その整備内容や運転計画が明らかになった。

羽田空港アクセス線は東海道線の線路からのみ分岐することに、港区スポーツセンターの手前辺りが工事の起点となる。皮肉にも競合相手のモノレールもこの辺で分かれる。東海道線から大汐線へは単線トンネルで新幹線をアンダーパスすることになる。高架でなくトンネルにしたのは、田町駅舎や都道の札の辻陸橋と干渉するからだ。三田警察署の辺りで単線から複線になりながら、外に出て大汐線の線路につながることになる。掘割から高架に出ると新幹線の回送線と並行しながら、港南の高層マンション街を走行、ライバルの首都高とモノレールを斜めにオーバークロスする。この辺は品川駅の徒歩圏内だから、駅を新設したところで需要はないだろう。

八潮までは京浜運河を挟んでモノレール、首都高と並行、八潮に入ると緩く左カーブして地平を走るようになる。首都高湾岸線を越えたところから新設となる高架区間を走行し、貨物ターミナルに出入りする道路をオーバークロスする。りんかい線から八潮車両基地へ向かう線路が地上へ出てくるあたりで、上下線が分かれて、高架線から地平に降りる。分かれた上下線の間に広さ18,000平米の車両留置線・保守基地線が整備される。他の車庫に比べるとけた違いに小さいので５本か６本ぐらいしか留置できないかと。

羽田空港は島式、断面図を見るとホームの下に空間があるからそれを改札コンコースにするのだろうか、それともホーム端を改札コンコースにした頭端式するのだろうか。どちらにしろ、京急改札外コンコースにあるターミナル間地下連絡通路につながると思うのだけど。駅の先の留置線については環境影響評価調査計画書には記載されていない。東山手ルートだけだったら島式２線でやり繰りできるけど、西山手ルートや臨海ルートができて10両編成の列車が乗り入れるようになったら、ホーム端に引き上げ線が必要になるだろう。

運転本数が毎時８本ということだから、上下の運転本数は毎時４本ずつの平均運転間隔15分となる。でも、上野東京ラインとの兼ね合いを考えると実際は運転間隔が偏って、20分近く、いや20分以上開くことがあるのではないかと。計画では東京駅からの所要時間は18分、浜松町から18分かかるモノレールや、品川から14分かかる京急よりは優位だが、本数で見るとモノレールは空港快速、区間快速合わせて10本、京急はエアポート快特６本となっているので、分が悪い。ＪＲが出た直後の発車時刻で乗換えアプリで調べると、モノレールによるルートが出てくるだろう。

１日の運転本数は144本、毎時８本で割ると18時間、単純計算で、東京駅発５時から23時、羽田空港発６時から24時ということになるけど、運転間隔を拡げて運行時間帯を拡大するかもしれない。毎時４本の明細は、常磐線、宇都宮線、高崎線、上野始発を毎時１本ずつと予想する。それらの路線を利用する身としては、連日の異音で時間通りに電車が来ないことが容易く想像つくわけで。羽田空港駅のホームに降りたら、電車が遅延して待ちぼうけとか普通にありそうだ。車内整備もあることだし、折り返し時間を最低でも20分確保するとか、車両留置線まで引き上げるとか、ダイヤに余裕を持たせた方がいいかもしれない。北千住利用者としては、駅前からのリムジンバスが競合することになる。データイムは１時間前後かかるが、早朝深夜は40分ほどだ。それに対しＪＲは北千住から羽田空港まで35分くらい、東武からの乗り継ぎもバスより優位になる。

環境影響では触れてないが、開業予定は10年後の2029年、この頃にはE231の一部編成は製造から30年近く経過しているから、E235かその後継車が投入される可能性が高い。E531についても、E501を置き換えるだろうから、E533系？を投入することになるだろう。オールロングシートになるけど、スーツケースはクロスシートよりロングシートの方が置きやすいからな。