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JR西日本では、2021年10月2日にダイヤ改正を行ない、一部の線区で運転本数の削減を行なった。近畿地区ではデータイムのみ削減した。
●琵琶湖線
琵琶湖線では、10時台から15時台において、長浜発着の新快速を米原発着に変更、毎時2本あった長浜~米原間を毎時1本の近江塩津発着の新快速のみとする。1990年に長浜まで直流電化されて以来、同区間は毎時2本体制だったが、長浜以北と同じ毎時1本となり、網干~播州赤穂と同じような状況となる。それでも、交流電化されていた頃よりは本数が多いし、新快速で京都、大阪方面へ乗り換えなしで行ける。米原において『こだま』での接続はなくなるものの、『ひかり』への接続は残ることになる。近距離で新幹線に乗り継ぐのだったら、クルマで直接米原に行くというのが主流だからな。
●JR京都線
土休日ダイヤにおいて、10~13時台のJR京都線普通電車は高槻~京都間での運転を取りやめる。このことで、同区間において快速だけの15分間隔の時間帯が高槻発で12時28分から14時43分までだったのが、9時44分から14時43分までと午前中まで拡大する。また、京都発も12時54分から14時54分までだったのが、10時09分から15時09分までに拡大する。その結果、土休日も平日も15分間隔の時間帯が揃うことになる。
過去のダイヤを振り返ると、京都駅ビル完成に伴い、1997年9月改正で普通電車のデータイムの京都乗り入れが12年ぶりに復活したが、2010年改正で毎時2本に半減、2013年改正で平日データイムと土休日午後の京都乗り入れは取りやめになったが、土休日午前は毎時4本残っていた。今回の改正はその毎時4本も運転取りやめになって、平日も土休日も同じダイヤとなった。
JRの高槻~京都間で毎時8本から毎時4本となったので、阪急より本数は少なくなる。長岡京より大阪までの所要時間は30分と、阪急より1分速いだけなので、待ち時間を考えると阪急が優位だ。ただ毎時8本のときも、高槻で座れない新快速に乗り換えるわけだったから、JRが優位というわけではなかった。淀川向こうの京阪は、特急通過駅はほとんど毎時4本となった。高槻~京都間の各駅の利用客はそれより少ないのだろう。ただ、削減された普通電車は高槻~京都間で待避なし有効列車になるから、三が日や京都で祭りがある日はそれなりの需要が見込まれるから、臨時を設定してもいいかもしれない。
●JR大和路線
JR大和路線の大和路快速については、11~15時台において、加茂行の半分を奈良発着に変更、このことで木津~加茂間の運転本数は毎時2本だったのが毎時1本に半減、奈良~木津間の運転本数も毎時6本から毎時5本に減らす。一時期は毎時3本あった同区間だったが2011年改正で毎時2本に、そして今回の改正では毎時1本と一時期の1/3まで減らす。1/3まで減ったのは、ここと広島地区の大野浦~岩国間くらいだ。非電化区間と同じ毎時1本といえば少ないと思うけど、加茂駅の乗車人員は20年前から1/3近く減少して2200人程度、同じく京都府内で毎時1本だけの並河の3250人に比べるとだいぶ少ない。
奈良から木津間は毎時6本から5本に削減された。みやこ路快速の通過する平城山は毎時4本から毎時3本になる。天王寺から木津へ向かう場合はみやこ路快速に3分で接続するので問題ないが、木津から天王寺とか平城山は有効本数が減ったことになる。
●和歌山線
和歌山線においては、データイムにおいて、和歌山~粉河間運転の列車4往復の運転を取りやめ、同区間の運転本数を毎時2本から1本に削減する。該当時間帯は和歌山発10時20分から13時22分まで、粉河発11時32分から14時30分までで、通学需要の見込める粉河発15時台以降と、その送り込みの和歌山発14時台以降は毎時2本となっている。この区間は1984年の電化時にα列車を設定、分割民営化前にさらに増発して、長い間毎時2本となっていたが、利用者が減ったためか毎時1本となった。一番乗車人員が多い岩出で先述の加茂以下、粉河がその半分で、あとは3桁だからな。残った列車のスジは変わらなかったので、田井ノ瀬での交換待ちによるタイムロスは10月改正では解消されずに空交換待ちとなっていた。翌年3月改正時には、田井ノ瀬での空待避は解消され和歌山発55分に繰り下げ統一された。
●きのくに線
きのくに線では、紀伊勝浦間~新宮間の朝1往復、夕1往復、紀伊田辺~周参見間の夕1往復について、土休日の運転を取りやめる。新宮発紀伊勝浦方面は、7時55分発がないと、6時53分から9時42分まで3時間近く開くので、新宮駅発7時30分、9時00分の熊野御坊南海バスを代わりに使うことになる。ただし、新宮発18時04分の代わりのバスはなく、次のバスは19時00分と残った紀伊田辺行と変わらない。
●山陽線・赤穂線・JR神戸線
10時台から14時台において、姫路~播州赤穂間列車、及びそれに接続する相生~上郡間列車の運転を取り止める。そのことで、山陽本線の網干~上郡間、相生~播州赤穂間で毎時2本だったのが毎時1本に、姫路~網干間も毎時4本だったのが毎時3本となる。網干まで毎時3本だったのが、その先毎時1本と岡山との県境と同じ本数をなる。毎時3本が1本になるのは、先日降りた越後線の内野駅が該当する。
英賀保、はりま勝原、網干は、網干行と播州赤穂行が毎時2本ずつの計4本で9~21分の間隔だったのが、播州赤穂行が毎時1本間引かれて最大30分以上開くことになる。それでも、毎時3本だから加古川~姫路間の新快速通過駅より停車本数が多い。乗車人員を見ると英賀保4,600人、はりま勝原5,500人、網干7,800人となっており、宝殿の9,700人より少ないが、曽根4,000人、ひめじ別所1,900人、御着2,900人、東姫路1,400人を上回る。さらに姫路の西側に新駅が2026年春に設置され、短距離の利用者が見込まれる。
一方、乗車人員が1,790人の竜野、新幹線込みで乗車人員が4,360人の相生、700人ほどの坂越、西相生、4,080人の播州赤穂は毎時2本あったのを、播州赤穂以西と同じ毎時1本に減らす。2005年からデータイムも新快速が乗り入れていた同区間だったが、2016年改正で取り止めに、今回の改正では毎時1本だけとなった。
相生発姫路方面は在来線が毎時21分、新幹線が毎時53分と平準化されている。在来線を待ちきれない場合は課金して新幹線を利用した方がいい。また、在来線は姫路で「のぞみ」に接続する。相生停車の「ひかり」も新大阪で「のぞみ」に接続するので、名古屋、東京方面への有効本数は改正前と変わらない。
データイムにおいて、相生~上郡間の普通列車が廃止になったため、智頭急行との接続は11時台下りを除いて30分を越える待ち時間となった。乗換ソフトを使用すると、上郡からスーパーはくとへの乗換も薦められるが、上りスーパーはくとの発車は岡山からの普通の5~8分前だから接続の悪さは変わらない。岡山からの普通の時刻を繰り上げて「スーパーはくと」と接続させれば、岡山県東部から阪神地区への利便性が上がるけど、需要はないか。
JR神戸線では、土休日のみだが10~11時台の普通4往復を須磨~西明石間での運転を取り止め、11時台以降のダイヤを拡大する。朝霧、塩屋は停車本数が減るだけでなく、須磨での快速への接続がなくなる。
●山陰本線
山陰本線では園部~胡麻間で夕方から夜にかけて運転される普通列車2往復を平日のみ運転とし、土休日は運休とする。土休日だと、胡麻の手前の鍼灸大学前駅からの利用がほとんどないためだ。平日でも休み期間は、鍼灸大学前の利用は少ないけどね。ちなみに鍼灸大学前の乗降客数は714人、日吉や胡麻を100人上回ることから学生需要の高さを感じる。
また、城崎温泉発6時50分の福知山行も、土休日に限り豊岡始発に変更する。豊岡までは16分後の7時06分があるが、豊岡から先の普通は39分待ちとなるので、福知山着は1時間近く遅くなる。特急料金を課金して「きのさき8号」に乗っても福知山着は26分遅くなる。京都丹後鉄道宮豊線への接続には影響ないが、朝食抜きで朝早く行動する観光客はほとんどいないだろう。
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