今朝はかなり冷え込みましたが、いい天気で行楽日和ですね。紅葉もピークですか。
毎年10月4日は古本の日と言うことで、10月、11月は古本市がよく開催されます。小生も楽しみの一つでもあります。
今年、興味深い古本を100円で入手しました。
日本山岳案内5 スキー場(西部篇)
布張り表紙もかすれ表題もうっすら。
さあ、この本は何年ぶりに開かれるのかな!かなりぼろぼろでちょっと酸っぱい臭いが心地よい?こんな本誰も買わないのかい?
さすがに逆書き。
次のページの写真が素晴らしい!
スキーをデポし、白馬岳山頂を目指す!
板をよく見るとテレマークスキーですね。まさにバックカントリースキーですね。今と全く変わらないです。
そして、1ページ目の
鐵道(鉄道)省運輸局長の序文が凄い。
「国民の精神力と体力とが総動員され、新東亜の建設に邁進しつつある現下の我が国にあって、全国民の精神的並びに肉体的鍛練が声を大きくして要望されつつあることは当然の理であり、況してや今日の国際情勢は一日の偸安をも許さざる状態にあるときに、この要望は愈々熾烈を加えざるを得ない。
心身の鍛練は・・・」
有り難きお言葉。
当時、このような本を発行するにあたっては単なる余暇ではなく、戦時下における目的意識が大切だったんですね。
スキーの概念から始まり、用具、服装、携帯品、技術、気象、救急等・・・
詳しく記載れています。
杖、アザラシ皮、腹巻、猿股、襟巻・・・
笑っちゃいけないけどにやけてきます。装備もない時代冬の寒さは命懸けですからね。
スキー場案内も主要駅からの乗り換えや運賃、所要時間、宿泊施設や料金など詳しく記載されています。スキー場といっても当然リフトもなく、広々とした雪の斜面だけだと思いますが、各国民が自発的にお国のために鍛練合宿しろと言うことなのでしょうか。
奥付は、
昭和16年発行と言うことは1941年やはりパールハーバーの年ですか。
80年前です。長い長い年月。
何と定価1円80銭!
50倍以上の値段で買ってしまったよ。
前置きがかなり長くなりましたが、要するにぼろぼろなので、補修をしてじっくり読もうということなのです。
はい。
いったん、丁寧に剥がし
澱粉糊と木工用ボンドを混ぜたものと和紙を使って丁寧に張り付けました。
そして、100均の模造紙でブックカバーを作り、半紙に書いた表題を糊付けし、乾いたら、全体に水溶性つや出しニスを塗って完成です。ニスを塗るととても丈夫になります。
綺麗になりました。
当時のアウトドアライフに思いを馳せながらじっくりと読みましょう。