こんな僕にであっても、世の中には律儀に礼を尽くして下さる方々がいて、
本当の意味で、僕はそうした皆さんのおかげで生き延びているんだな
と実感するのだけど、この年末も、その実感を新たにすることになった。
とてもわかりやすく、明快なカタチでそれを伝えてくれる人、と言えば、
このごろのわが家にあっては尾㟢シェフに代表される。
いちいち全部を数え上げたことはないのだが、
今年も毎週欠かさずに電話してくるし、それはそれでこちらもちょこっと
時間を割くことになるのだけど、年末の年末にも律儀に電話をかけてきた。
その内容というのが、
「新年用の鍋島、ゲットしました!」
だって。
うん。確かに、それは大事な話だ。
秋の台風被害は九州の尾㟢シェフの実家周辺にもおよんでいて、
実は期待していた「例のお酒」は今年は作っていない、とのこと。
特別なお米をつかっているのだけど、どうにもその田んぼが
壊滅状態だったらしく。
全国的に、たいへんなことが毎年毎年続いていることを
ここでも実感せざるを得ないのだが、それでも年は明けて、
新しい一年がはじまる。
なので、いつもいただく「鍋島」の中でも、ちょっとグレードを上げて
よりおいしいお酒をチョイスしておいた、とのこと。
「もちろん試飲したんですけどね。やっぱり、間違いないなって。
新年はまずこれで飲りましょう!」
と、いかにも楽しみといった風を隠さない。
新しい年がやってくるのだ。
なにがあろうと、どこまでも前向きに迎える姿勢は大切だよなぁと。
というわけで、新年のはじまりを、いまからとても楽しみにしている。