ブルネロ・クチネリの各ショップには、創業者の愛読書が結構な数、並べられている。
なかなか興味深いタイトルが並んでいるのだが、いわゆる世界の古典の中にあって、「太平記」のタイトルは異彩を放っている。
「太平記」。
このタイトルにドキッとさせられるわたくし。
というのも( ・ิω・ิ)b
どういうわけか、数十年の間「よし、読もう!」、「読まねば!」と思っていながら、ついぞ読むことがなかった、わたくしに . . . 本文を読む
古人の跡を求めず、古人の求めたるところを求めよ
芭蕉の言葉なのだそうだが、僕はこの言葉を芭蕉の原典にあたって読んだのではなく、またネット上で、なにかのついでに見つけたというわけでもない。
「音楽」のことを書いたバルトルト・クイケン氏の本の、最初のページに掲げられたエピグラフとして読んだ。
「楽譜から音楽へ バロック音楽の演奏法」
タイトル訳がシンプルかつ秀逸で、訳者の心意気がそこから読み取れる . . . 本文を読む
平気な顔で「シェイクスピアなんて読んだことない」とか、シレッと言えちゃう人の気がしれない。それがいい大人だったりすると、なんだろ?この恥知らずは?というような気分が、僕はどうしても隠せずに、素直に顔に出てしまっているらしい。。。(^o^;)
思ったことを隠せないあたりが僕の誠実さと思ってくれたら本当に良いのだけど、そう都合よくいかないのも、また、世の中である(´ε`;)
恥知らずはいつだって、野蛮 . . . 本文を読む
図書館で目についた本を手に、なにやらさっちゃんがニコニコしている。
なんか良い本でも見つけたのかな?
「うーん。なんとなく。『竜』が主人公みたいなので♪」
ほほぉ(*‘ω‘ *)
そりゃ、なんの神話(*‘ω‘ *)?
ちょっと気になって本を見せてもらうと、神話じゃなくて、童話でした(^ω^ゞ
「彗星とさいごの竜」という本。
プラネタリー・ディフェンスの話?
なのかな(*‘ω‘ *)?
と、その時は . . . 本文を読む
どうも「うますぎる」感じがして仕方ないのだ。
この頃「風と共に去りぬ」はポリティカル・コレクトネス的にNGということになっているらしく。。。「本」も「映画」も。
「らしい」というだけで、そのあたりの実態を詳しく知っているわけではないのだけれど、キャンセルカルチャーによって象徴的生贄のように扱われている様子を耳にするだけで、ざわざわっとした感じがする。
僕自身はまったく別の観点から、長年にわたり「風 . . . 本文を読む
ゴールデンウィーク前から何度か借りていた1冊がある。
読んでいて、えも言われぬ感情が湧き上がってきたのだが、それが強烈な嫉妬だと気づいたときには正直、戸惑った。
「趣味と芸術」という本。
実は、年明けから定期的に借りている。
どういうわけか、手が伸びてしまうのだ。
杉本博司氏のこの本はなんとも形容しがたい魅力があって、ときにはヒトを喰うような、ときに煙に巻くような、ときに詩的で、ときに絵巻的な。 . . . 本文を読む
秩父ツアーの前日、金曜日に南大沢に出かけた。
サカガミに買物に出たわけだけど、お天気のよかったこの日、都立大から駅までの間の道いっぱいにテントが張ってあって。
それが古本市だったのでした。
さっちゃんにとっては久々の平日昼間のお買物。
山ほど本が並んでいれば、やっぱりちょっとのぞいてみたくなるもので(^^ゞ
パラパラとめくってみては、なるほどと。これをひたすらに繰り返す。
サカガミの最寄りのテン . . . 本文を読む
個人的な思い込みというか、それこそ感覚的直感が最初からちょっと違っていたというか。
僕にとって、「ミケランジェロ」は長らく偉大なる敵の名前に思えて仕方なかった。
傑作のダビデ像やピエタ像に感嘆した目で、ミケランジェロの絵画を見ると、これがどうにもしっくりこない。。。
ミケランジェロの絵に対して、それは確かに凄いのかもしれないのだが、なんだか腑に落ちないものをずっと感じていて、 . . . 本文を読む
「王子を見つけた!」
さっちゃんが1冊のぶ厚い本を手にしている。
タイトルは「星の王子さま」。
さっちゃんは、ホントに「王子」が好きなんだのぉ(*^。^*)
しかし、普通、「王子」は薄い1冊。
なぜにそのボリューム(・o・)?
「28言語で読むって書いてあるよ♪」
に、 28言語 Σ(゚∀゚ . . . 本文を読む
先だって手に取ったお菓子の本。
ページをめくるのが楽しいので、自分では食べることのできない
お菓子をただただ眺めているのだけど、
「あぁ~、これいいなぁ♪」と目にとまるそのほとんどに
北大路魯山人の皿が使われているので、
それに気づいたときには「またしても、やられた」と思った。
どういうわけか、魯山人の器に反応してしまう自分がいるのである。
たくさんの作品を知っているというわけではな . . . 本文を読む
とても美味しそうだし、とても美しい。
だが、それ以上に感動的なのである。
「花宴」の名を冠したお菓子は、桜色のおだまきを模した、という繊細なきんとん。
これがなんとも軽やかで、繊細で。
それが柿右衛門の器にのっているなぁと思ったら、マイセンの鉢という。。。
こりゃ、よく見てみたら、とんでもないことやってくれちゃってるじゃないですか?!
しかし、僕が見ているのは本の中の写 . . . 本文を読む
学校で覚えさせられて、それでかろうじて名前だけは知っている。
そういうことなら、むちゃくちゃたくさんある。
とにかく覚えろ!が至上命題というか、そもそもそれこそが学校という場所における
日々の目的そのものだったはずなのだけど、
例えば歴史的名著の名前を山ほど覚えたところで、中味を知らずにいるってどうなのさ?
っていうことは、子供ながらに思っていた。
もっとも、なんで今さ . . . 本文を読む
丹沢の山で育った僕には幼い頃から馴染んでいる河原の風景がある。
中学生の時に、その風景の色の一部はグリーンタフと呼ばれる
独特な凝灰岩であることを知った。
一部がわかると、それでは他の石は?となる。
当時はその問いに明解な答えは与えられなかった。
それから随分と時間が過ぎて。
あの馴染み深い河原の風景についてはかなり解明されている。
魚を追いかけ回して石の下に追い込み、
手探りで捕まえたりした、記 . . . 本文を読む
ドナルド・キーン著作集の最終巻を本屋さんに預けっぱなし、
というブログを書いたら、さっちゃんが
「ブログ、読んだよ~!」と早々にリアクションを示してくれて。
「なんだったら、わたし、行ってくるよ♪」とのお申し出。
ホントに偶然にしてもほどがあるだろう?
っていうくらい都合よく、ちょうどのタイミングで都内に用事があるらしく。
「ついでですから~♪」と、あっさり引き取ってきてくれたのでした。
やあ。 . . . 本文を読む
2011年の年末から刊行が始まった「ドナルド・キーン著作集」。
最後の最後に残されていた一冊、「補遺」が刊行されて、
これでめでたく一連の著作集刊行が完結を見たことになる。
のであるが。。。
「最後の一冊が届きましたので」と、紀伊國屋書店新宿本店さんから
ご連絡をいただいたのが2月20日あたり。
ネットで取り寄せるのがこの頃の常ではあるのだが、
ドナルド・キーン氏の本を読むにあたっては、
なん . . . 本文を読む