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鼓曲萬来

5thエレメント(フレーズの出所)

今回もドラムの話で恐縮なんですが
 フィフスエレメント
それは5大要素という意味で、
つまり宇宙を司る5つの構成物質(地水風空火という)
 え~と、....難しいのでよく説明できないけれどww
 
そんな物理学者や宗教学者の
宇宙とか真理とかいうレべルでなくても
勝手知ってる身近な自分の演奏も
実はどういう構成や発想で出来ているんだろうかと
たまには改めて分析するのも結構楽しいんじゃないかと思う訳ですわ
 
よくあるじゃない
貴方の好きなレコードを5枚とか
好きな曲5曲は?とか
そんな感じで.....
 
だが、笑っちまうんだが...
現場で曲を演奏する時...(まあ、スタジオだろうがリハだろうが
あるいはLIVEでもそうなんだけど)
 
余程決まったフレーズを演奏する時以外
つまり、ある程度、構成とかエンディングとか曲の感じを任された時
大体、1曲をまとめる感じのドラムフレーズって
案外自分の場合に限って言えば
ハッキリ言って、「出どこ」が幾つかに絞られてるのよね.....実に
 
で、ここに挙げた5つのパターンというか曲は
多分僕は正直、心底好きなんだろうな....
 
つまりいかなる時もどんな時も根底の意識から
発生してあらゆるインスピレーションの基となるパターン
 
勿論人によって或いは年齢や初期衝動によって千差万別ではあるんだろうけど
前置きが長くなっちゃったけど
僕のドラムに於ける5thエレメントはこんな感じ....
 

1、アルジャクソンのサビからテーマに戻るときの

タカタカタッタタタタタといういたってシンプルなおかず

 他にも4つでグイグイ押し切るバスドラとスネアの感じとか

押さえ処が満載、ちゅうか...かっこいいww 好き。


Booker T. & The MG's - Time Is Tight 

AlJacksonは1935年11月27日生まれ
1975年の10月1日に部屋で暴漢に射殺されたのだが
STAXのスタジオミュージシャンとして
オーテイス、サム&デイブ、ルーファストーマス、ジョニーテイラー等
ソウルがまだR&Bと呼ばれていた頃
どのレコードもまさにこれぞアルジャクソン以外の何物でもない
独特の演奏を聞かせてくれておりました



ドラムを生業として仕事し始めた頃からの憧れでもあり
あのメンフィスバックビートと呼ばれる独特のタイム感
そしてクールでタイトなリズム、フィルは何度も習得しようと
繰り返しレコードを聴き込んだものでもありましたので


Security  

Eddie Floyd - Knock On Wood


そのアルジャクソンも
後期はアルグリーンのプロデュースに携わっておりましたが
レコーディングでは自ら演奏しておりますが
ここでのフィルといったらw

あまりのシンプルさにたまげた訳ですが
ここでのフィルは正にタム一発
遂にここまで到達したかと
それから暫くの間
私もタム高めにチューニングして
タムのリムと共にタン!だけにしておりましたが
所詮真似事、メンバーにフィルが解りにくいと人気がありませんでしたw

しかし、こんなシンプルなリフ
これはやはり、あのメンフィスのゆったりとした空気感
レイドバックした暖かな生活リズム
そんな中に育くまれて形になる訳で
せせこましい都会の生活に慣れきった我々には
少々もの足りなさも感じるのかもしれません


2、レイバレットの イン2感満載のタンタカタッタ!というドラム界定番のおかず

だけれどラテンフレイバーのこのフレーズはちょっと他と違う。

 このなんていうか、タッタ!とブレイクする時の、
クールで決して詰まらない感じ....好き

所謂名盤って奴は数多ございますけれど

個人的には此のレイバレットの007

私にとっては間違いなく10指に入る逸品でございまして

最も60’s的と申しましょうか

ドラムが良いんですわ

かなり今から見ると地味な演奏っていや演奏なんですが

このインツウエイト!

タンスカタンタンと気持ちの良いおかず

チューニング含めて輪郭のはっきりしたフィーリング

 

演奏していて時々イマジネーションが湧いて

自分の生理的かつディープで正直な部分に到達すると

このアルバムのドラムは自分にとってコアな核なんだな....

と、改めて自覚させられる程の影響力を持っております。

 
Ray Barretto - Mr Kiss Kiss Bang Bang 
 
  

3、シャッフルはともかく、我々の上の年代の先輩方のブギの感じ

何度トライしても、先輩方には追いつけない

Chuck Berry - No Particular Place to Go. 

 

これはなんていうのかな...フレーズとかっていうより

心意気っていうのか、この跳ね感ね....

ブルースでもそうだけど、スローでもベタッとならないんだよね

悲しい感じや寂しい感じはあるけど、どこか力強いのは

こういった跳ねる感じがあるんだよね

 

歌の処がブギ、間奏がシャッフルになってるけど

こういう4拍の奥まできちっと跳ねてる演奏って最近あまり聞けなくなったな

探しても無いなら、それは本当の意味での贅沢な代物

そう、ドラマーにとって、とても贅沢なフレーズ。ww....好き

 

 

4、世界一有名なハルブレインのドラムイントロ

このフレーズの歌い方は尋常じゃない

こういうシンプルなフレーズからのインテンポは本当に難しい

結構集中するのはいいんだけれど

拍の間の隙間に妙なプレッシャーが入って

いわゆる「魔が入る」状態


The Ronettes - Be My Baby (HQ)  

 

もう自然に耳に入ってこなくても、当然ロニースペクターのあの声が導かれる

その位 歌番のドラマーとしてのハルブレインのチューニングの安定感が凄い

目立たず、フロントを歌わせて

どんなバックでも、どんなジャンルでも、いつでも変わらず同じ音、凄い。....好き

 

5、最後はアイズレーのドラムのファンクゴリゴリの無礼講さww

 普通こういうのってタイトにと思ってハイハット閉めるんだけど

 こいつは半分あけてガシガシに太い音圧で押し切る、この感じ

 

Steve Jordan on Woody Woodson

 

スティーブジョーダンがWOODYの

ハーフクローズドオープンハイハットを解りやすく説明してくれてるけど

とりあえず、ゴリゴリだよねww

バーケイズ風味

しゃらくさいの無し。.......好き

 

 

まあ、ここら辺が自分のフィフスエレメント

なんというか「元ネタ」は恥ずかしい位、存分に古めなんだけどww

しょうがないよね、初期衝動がこういった類だから

 

勿論、その後のフレージングや新しいタイム感とかは勉強させて貰ったけどさ

修羅場になるといやでもこういった事になっちまうんだ

他にも一杯気になるドラマーはいるし

カッコいいテクニックやフレーズ、

新しいドラミングとかも取り入れようとは思うんだけど

 

ここらへんはいつまでたっても変わらない

というか根っこの部分

まあ、周りのメンバーからはよく「恒田よ~(呆れる)....」って言われるんだけど

あっ、「ちょっとな~リズム感が」とか「この音質がね~」とか言うの無しよww

好きなんだから、しょうがない....。

 

それじゃ、もっと、そういう意味じゃ

根っこにあるだろうと思われる

リンゴやデーブクラーク、チャーリー,キースムーンなんかのドラムに関しては

どうなんだって?

 

その頃はね~、あまりに彼等は格好良すぎて、

ドラムの演奏それだけには目が行かなかったよ

立ち振る舞い、着こなし、演奏アクションetc etc

 

あっと、それと別格、別次元という事で


Buddy Rich 

 
まあ、大好きだったバディリッチでも聞いて
 
Buddy!Buddy!
Cute!.........
 
昔、20代の頃、彼のビックバンドを見に行った....
hi-hatをスティックでくるくる回しながらリズムを刻む、超絶技
それよりなりより.....
 
もし....もし....40代、50代になっても演奏続けていたら....
彼のような....大人になりたい! そう心の底から思った。
 
とてもあんなドラミングは出来ないけれど....あんな素敵な大人になりたい、!
60になった今も
心の底からそう思う.....。



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