サンシャイン通信

サンシャイン・ステート(フロリダ州)発のニュースレター

Diversity in Children's Literature (児童文学における多様性)

2007-12-21 22:23:47 | 教育
今日は秋学期でいちばん苦労した課題のお話。
前にもブログでふれましたが、どのクラスにもクリティカル・タスクと言う課題がいくつかあります。
どんなにテストや提出課題の点数が良くても、このクリティカル・タスクで及第点を取らなければ落第してしまうというもの。
秋学期でいちばん苦労したのが、読み書きの指導法を学ぶリテラシークラスのクリティカル・タスクでありました。
タイトルはTraditional Literature Integrated Unit Plan
わかりやすい話がおとぎ話をもとにしてレッスンプランを立てるというもの。
まあ、お話をもとにしてレッスンプランをいくつか立てるだけなら、1週間もあれば完成できるでしょう。
しかしこれはクリティカル・タスク。様々な条件がありました。
まず、教育現場から切り離せないDiversity(多様性)を取り入れること。
おとぎ話は各自で自由に選んでいいのですが、トラディショナルなおとぎ話を含め、最低4つの異なったバージョンの本をレッスンに取り入れなければならないのです。
さらにディズニー・バージョンは使用不可。最低ひとつは白人以外が主人公であること。

提出するレッスンプランは全部で12。内訳は・・・
ランゲージ・アーツ(国語)が六つ。
算数が二つ(ひとつは料理のアクティビティ)。
理科、社会、図工、ドラマティックプレイ(遊戯)がそれぞれひとつ。

対象学年は各自で決めてOK。(私はキンダーガーテンにしました。)レッスンはもちろんフロリダ州のスタンダードに沿ったものでなければなりません。

クラスメートがシンデレラ、白雪姫、赤ずきんちゃん、3匹のこぶた、ヘンゼルとグレーテル・・・と次々に話を決めているというのに、私はなかなか決めることが出来ませんでした。
いろんな国、地域に似た話がある話でないと、レッスンプランを立てる時に苦労すると思ったので、数週間リサーチして、The Frog Prince(かえるの王さま)に決定。

このお話、思った以上にいろんなバージョンがあるんですよ。
現代風にユーモアを交えてアレンジしたバージョンの他に、ロシア、中国、韓国、スリランカ、スワジランド、セルビア、アラスカ先住民のトリンギットなどなど・・・
驚きでした。
↓図書館で借りてきた“かえるの王さま”関連の絵本とCD(の一部)。


肝心のレッスンプランですが、ランゲージアーツが予想以上に難しかったです。
六つのレッスンプランを立てるのですが、
comprehension(理解力)
fluency(流暢さ)
phonics (フォニックス・文字と発音の関連性)
phonemic awareness(音素識別)
vocabulary(語彙)
speaking(話し言葉)
とトピックが予め決められていたので、それに合った内容を考えるのにひと苦労。
でも何とか完成させ、嬉しいことに満点を取ることが出来たのです。
この課題を通して、改めて普段の授業に多様性を取り入れる大切さを学びました。

このクラスは6単位。通常の講義の他に小学校でランゲージ・アーツの授業を教える実習もあり大変でしたが、教授がとっても素晴らしい人だったので何とか乗り切ることが出来ました。
講義の時間外でも私達が納得するまでサポートしてくれる教授。
講義にヨガを取り入れたり(授業でヨガのポーズや呼吸法を教えることで、子供達の集中力アップをはかるという目的)、期末テストの日は手作りマフィンを持ってきてくれたり・・・
知識を得ただけでなく、人間としていろんなことをこの教授から学びました。

去年の11月ですが、この教授がテレビに出演して児童文学の多様性について話をしました。
よかったらその時の映像をご覧ください。
ここをクリックして、スクロールダウン、November 6, 2006をクリックすると見れます。

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2 コメント

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思った以上に大変! (Coquina)
2007-12-23 07:49:32
>やっちさん、
レッスンプランを立てるのは本当に大変ですよね。
教育実習時の担当授業もそうですが、一応フォーマットが決まっていて・・・

Lesson Topic
Grade/Subject
Prior Knowledge(既習したことと新しくレッスンで勉強することの関連性を明記)
Rationale(ご存知、SSS-Sunshine State Standardの登場!)
Real Life Application(学習したことを日常生活でどう活かすか・・・)
Goals of Objective(何を教えるか・・・)
Content(レッスンで教えるボキャブラリーのディフィニション、情報源のテキストやウエブサイト等を明記)
Materials(授業で使用するもののリスト)
Procedures(授業の手順)
Questions(ブルームのタキソノミーにしたがってlow level questionを二つ以上、high level questionを三つ以上明記)
Closure/Review(まとめ、復習の手順)
Modification Strategies(やっぱりここでもdiversityの登場です。Enrichment, Remediation, Accomodationsと三つのストラテジーを明記しなければなりません)
Assessment(評価法)

という流れになっているんですよ。
レッスンプランは最低でも3ページ(シングルスペース)になりますね。
なのでひとつの課題でレッスンプランを12考えるのが本当に大変でした。

でも大変な課題でも素晴らしい教授だと、乗り切れるものですね。
やっちさんもオールA、おめでとうございます!
早く風邪を治して冬休みを満喫してください。
返信する
同感です! (やっち)
2007-12-23 04:23:22
レッスンプランを立てるのは本当に難しいですよね。
私もIntro to Special Educationのクラスで同じような感じでレッスンプランを立てたのですがアイディアがなかなか浮かばずに教授に助け舟を出していただいて仕上げました。
私は指導教授に恵まれると色々学べる事も多いですし、やる気も出ます。
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