シティグループ・ジャパン会長、田中達郎氏は東京銀行時代、樋口広太郎さん(当時、住友銀行常務)からもらった書、
「呑舟之魚 不游支流」をこころのよりどころの一つとしている(日経夕刊『こころの玉手箱』)。
時は日米の不動産バブルの崩壊で撤退を迫られる案件も続発する難局。田中氏は土日も休めない忙しさにかまけて自分を見失いかけていたときだった。
出張中の樋口さんにマンハッタンのホテルに呼ばれ手渡されたのが、(本人の弁)わざわざ東京から持参いただいた書「呑舟之魚 不游支流」。
しかし大きな魚が舟を飲み込むような時はえてして景気がいいときである。わたしのような小庶民からすれば、解釈もちがってくる。
「(景気が悪い時は大きな魚はしょぼくれているが今はそうじゃない。)景気がいいときとは、すなわち魚に食べられるような小舟に乗った庶民にとっては危険な時である。」
「庶民は大海をさけ、大きな魚がやってこない川の支流に避難するのが賢明である。」となった。「景気が悪い時に大きな海に出て行ってこっそり投資でもして遊んでいるかな」と。
実生活がある身にはむずかしいことではあるけれど。
注:もっとも、学者さんのよくいわれるこの『呑舟之魚不游支流』の意味は、
「大功を成す者、小を成さず」
すなわち、
「大きなことを成し遂げようとする者は、小さなことにとらわれない」ということであるが。
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