「CRUSH!! Vor7」
5月10日土曜に朗読した新作
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白鳥の湖
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フィンランドは美しい国だとおもうんだ
でもそれは僕の中のイメージだけの話だ
ネットやテレビやらで、流し読みした薄いイメージだけの
だいたいは総取得時間15分にも満たない
印象だけで
僕の虹は色めいてんだ
ミミズクの二重の命のような眼球と脳みそは
雨上がりの虹をどんな意味で象り
暗がりの密林から除きみてんだろう
その先にある 解釈の形が奇形じみてんなら
肉体が溶けて異世界へ吸われ
ぼくはあえぐ
あえぎ続ける
たとえばだ
たとえば巨大
目を閉じた世界に現れるそれぞれのそれは
都合のいい場所に配置され 愛で そう
まるで愛のように眺められるだろう
たとえば15センチの刺殺
鳥かごへ向かう15センチずつの刺殺
先端は時折カチャカチャと
涙は顎先でまた触れ
廊下にシミをつくる
たとえばだ
たとえばペニス以外
にボロ切れをまとい観光通を散歩
たどたどしい道すがら 出口の文字は読めず
ただただ頭の箱庭で
強い快楽を貪る 唾液が太陽を写し弱く光るが
舐めとっても同じ圧力が続くだけ
日差しの暖かさを主人に肌のある箇所を
激しく触る境目に精神を投げ出す
それが毎日続き 悪者を探すが遠くに行かないと居ない
がその非到達さにも慣れ
カタツムリを踏んでも靴の汚れが気になる
たとえば
祈りの手の形
得体の知れない神の救いを待つゴースト真剣白羽取り
少女は大人の体重の下で圧殺され
夜の死体はラブホテルのネオン管を踏んで羽ばたき上昇し
白鳥座が飛び立つ妄想のみで世界と戦う幽霊少女
ネバーエンディングストーリーに吐き気がし
多様性のある自傷行為と自慰行為で
自分の形を保とうと試みる
早く世界が終われば良いと
ポジティブなコピーを作成し
電子のオンオフにただよう
それが毎日続き
星の皮膜を剥いだら本当の世界が現れる事を祈る
がその非到達さにも慣れ
ミミズクに射程距離内から見られているが
自分以外の人間を探しているので気づかない
たとえば奇形児はぬいぐるみなら可愛い
布切れで全部覆われていれば生命はグロテスクじゃなくなる
そのキュートさが逆にグロテスクであるのに
気づかないシステムなら
星の皮膜は脱げて 静かな終わりがやってくる
たとえば冷えたフライドチキンは白鳥の味がする
ソビエト産のフライドチキン白鳥味
ソビエトのツンドラを水かきで蹴り
迫る光源の変質は風速をすり抜け 水は氷 光は煙る
空洞の廃墟まで
泥む(なずむ)ドロを触るこの地へと訪れる渡り鳥
筋肉の繊維の張りと
羽の内側の冷えた風を纏う匂い
殺人の5時間後の昼の静寂の部屋
発見されぬ遺体とカーテンの匂いと同じ匂い
その美しい淫乱の香り
射精色の白鳥
四次元ポケット色の白鳥
逆立ちし水中へもぐり
川べりで水草の葉を採食し
突き出した首は湯気を立て薄紫の空に混ざる
その白鳥の味がするチキンが
開演前の控え室に溢れかえり床にぼとぼと落ちている
が気に留めず踏みしめる度に 過剰な肉汁がびゅうと飛び散り
小さな虹が付近でポップアップし
おしゃれなエスカルゴがシンクロしてはしゃぐ
そのエスカルゴは突然変異で超能力を持つ
アダムエスカルゴは全てのカタツムリに同じ能力を与え
生き物をテキトウな超能力で蒸発させ世界を終わらす
人間は居なくなりそれでもそれを察知したソビエトの
スーパーコンピューター的なテキトウな機械がネットを介し新種の
肉体を媒介としない電子的なDNAを作成し
新しい生命を作成する
それは形のないネット内生命体で103億の人間の
記憶と意思の電気信号だ
進化したエスカルゴ人VS人工知能を持つ103億の意思
とのネクストワールドピラミッド大戦ショーが始まる
僕と君は
不幸にも肉体を持った鈍重な人間のまま生き残り
武器は無意識クソイマジンのみの偏った奇形弱者
エスカルゴ軍は人工知能103億の電子配線を一斉に切断し
サーバー内部への溶かしバター瞬間移動を無音で行う
僕と君は荒野で何匹かのカタツムリが突然破裂したり
渦巻きが渦巻く方向へ急回転し燃える光景を目撃したりもするが
時折起こるそれ以外は あまりにも静かだった
荒野が
そこかしこから香ばしいバター臭が
漂い 世界を満たしているので笑う
2人は顔を寄せうつむき
唇を 甘く噛み くちづけをし
カタツムリのような舌使いで粘液を混ぜあい
何度も肉体をくっ付けてひとつになろうと体位を回し
目を閉じお互いに もたれてまた目を閉じた
僕たちの空には白鳥が飛びまわり巨大な鳥柱がたつ
僕たちの絶望が無意識のどこかへとまた
水かきを蹴り風速を彷徨う(さまよう)
朝は昼を待ち 昼に夜を待ち 明け方には君を待つ
君の背中とうなじにくちづけすれば
孤独と愛と声を浮力に 真夜中の星座を越えて羽ばたいて
結末の密室 終わる世界の部屋まですぐにたどりつく
君の全部の穴を順番に塞いであげる
美しい空は 遠いかなただけど
僕の呼吸は君だ
君の言葉は僕だ
早く早く触りたい
君の身体を触覚で象りたい
早く君の内部をのぞきたい
血管の心音の内部を流れたい
2人でまるで愛のように寄り添いたい
5月10日土曜に朗読した新作
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白鳥の湖
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フィンランドは美しい国だとおもうんだ
でもそれは僕の中のイメージだけの話だ
ネットやテレビやらで、流し読みした薄いイメージだけの
だいたいは総取得時間15分にも満たない
印象だけで
僕の虹は色めいてんだ
ミミズクの二重の命のような眼球と脳みそは
雨上がりの虹をどんな意味で象り
暗がりの密林から除きみてんだろう
その先にある 解釈の形が奇形じみてんなら
肉体が溶けて異世界へ吸われ
ぼくはあえぐ
あえぎ続ける
たとえばだ
たとえば巨大
目を閉じた世界に現れるそれぞれのそれは
都合のいい場所に配置され 愛で そう
まるで愛のように眺められるだろう
たとえば15センチの刺殺
鳥かごへ向かう15センチずつの刺殺
先端は時折カチャカチャと
涙は顎先でまた触れ
廊下にシミをつくる
たとえばだ
たとえばペニス以外
にボロ切れをまとい観光通を散歩
たどたどしい道すがら 出口の文字は読めず
ただただ頭の箱庭で
強い快楽を貪る 唾液が太陽を写し弱く光るが
舐めとっても同じ圧力が続くだけ
日差しの暖かさを主人に肌のある箇所を
激しく触る境目に精神を投げ出す
それが毎日続き 悪者を探すが遠くに行かないと居ない
がその非到達さにも慣れ
カタツムリを踏んでも靴の汚れが気になる
たとえば
祈りの手の形
得体の知れない神の救いを待つゴースト真剣白羽取り
少女は大人の体重の下で圧殺され
夜の死体はラブホテルのネオン管を踏んで羽ばたき上昇し
白鳥座が飛び立つ妄想のみで世界と戦う幽霊少女
ネバーエンディングストーリーに吐き気がし
多様性のある自傷行為と自慰行為で
自分の形を保とうと試みる
早く世界が終われば良いと
ポジティブなコピーを作成し
電子のオンオフにただよう
それが毎日続き
星の皮膜を剥いだら本当の世界が現れる事を祈る
がその非到達さにも慣れ
ミミズクに射程距離内から見られているが
自分以外の人間を探しているので気づかない
たとえば奇形児はぬいぐるみなら可愛い
布切れで全部覆われていれば生命はグロテスクじゃなくなる
そのキュートさが逆にグロテスクであるのに
気づかないシステムなら
星の皮膜は脱げて 静かな終わりがやってくる
たとえば冷えたフライドチキンは白鳥の味がする
ソビエト産のフライドチキン白鳥味
ソビエトのツンドラを水かきで蹴り
迫る光源の変質は風速をすり抜け 水は氷 光は煙る
空洞の廃墟まで
泥む(なずむ)ドロを触るこの地へと訪れる渡り鳥
筋肉の繊維の張りと
羽の内側の冷えた風を纏う匂い
殺人の5時間後の昼の静寂の部屋
発見されぬ遺体とカーテンの匂いと同じ匂い
その美しい淫乱の香り
射精色の白鳥
四次元ポケット色の白鳥
逆立ちし水中へもぐり
川べりで水草の葉を採食し
突き出した首は湯気を立て薄紫の空に混ざる
その白鳥の味がするチキンが
開演前の控え室に溢れかえり床にぼとぼと落ちている
が気に留めず踏みしめる度に 過剰な肉汁がびゅうと飛び散り
小さな虹が付近でポップアップし
おしゃれなエスカルゴがシンクロしてはしゃぐ
そのエスカルゴは突然変異で超能力を持つ
アダムエスカルゴは全てのカタツムリに同じ能力を与え
生き物をテキトウな超能力で蒸発させ世界を終わらす
人間は居なくなりそれでもそれを察知したソビエトの
スーパーコンピューター的なテキトウな機械がネットを介し新種の
肉体を媒介としない電子的なDNAを作成し
新しい生命を作成する
それは形のないネット内生命体で103億の人間の
記憶と意思の電気信号だ
進化したエスカルゴ人VS人工知能を持つ103億の意思
とのネクストワールドピラミッド大戦ショーが始まる
僕と君は
不幸にも肉体を持った鈍重な人間のまま生き残り
武器は無意識クソイマジンのみの偏った奇形弱者
エスカルゴ軍は人工知能103億の電子配線を一斉に切断し
サーバー内部への溶かしバター瞬間移動を無音で行う
僕と君は荒野で何匹かのカタツムリが突然破裂したり
渦巻きが渦巻く方向へ急回転し燃える光景を目撃したりもするが
時折起こるそれ以外は あまりにも静かだった
荒野が
そこかしこから香ばしいバター臭が
漂い 世界を満たしているので笑う
2人は顔を寄せうつむき
唇を 甘く噛み くちづけをし
カタツムリのような舌使いで粘液を混ぜあい
何度も肉体をくっ付けてひとつになろうと体位を回し
目を閉じお互いに もたれてまた目を閉じた
僕たちの空には白鳥が飛びまわり巨大な鳥柱がたつ
僕たちの絶望が無意識のどこかへとまた
水かきを蹴り風速を彷徨う(さまよう)
朝は昼を待ち 昼に夜を待ち 明け方には君を待つ
君の背中とうなじにくちづけすれば
孤独と愛と声を浮力に 真夜中の星座を越えて羽ばたいて
結末の密室 終わる世界の部屋まですぐにたどりつく
君の全部の穴を順番に塞いであげる
美しい空は 遠いかなただけど
僕の呼吸は君だ
君の言葉は僕だ
早く早く触りたい
君の身体を触覚で象りたい
早く君の内部をのぞきたい
血管の心音の内部を流れたい
2人でまるで愛のように寄り添いたい