マイフェバリット、お気に入りのBIKE-3
MX250ccリードバルブENG(シリンダー)を三個載んだ、F750・BIKE
F750:AMAのレギュレーションで、ハレーの4ST(サイドバルブかな)は750ccまで、他は500㏄でした。ですからこのクラス
には スズキTR500(空冷2ST、2気筒),カワサキH1R(空冷2ST,3気筒)、ヤマハはTZ350(市販レーサー)等が出場してました、
レギュレーションが750㏄のみとなり、スズキはTR750(水冷2ST、3気筒),カワサキはH2R(空冷2ST,3気筒750cc)、共に
量産車ベースで、シリンダーブロックはいじれません(量産のシリンダーをポーティングするという事ですかね)
ヤマハはTZ350を直列につないだTZ700(水冷2ST,4気筒)市販レーサー(30台以上をUSAに輸出する)を出してきましたね。
KR750をデザインした時、1974年8月にスズキを退職して9月にKawasakiに入社し即KR750のデザインに着手しました。
ENGは水冷2ストローク3気筒750cc、オールニューでH2Rの水冷版かと思いきや何か違う、後で話します。
1975年のホモロゲを取りUSAのF750に出場するとのこと、その第一戦は3月第一週のデイトナですね、設計製作を含め
H2Rの基本部品を流用し、基本フレームワークをレイアウトすることになります。大きなENGですからラジエター、バンク角で
ほぼレイアウトは決まります、H2Rよりピボット部、スイングアームを強化して、タイムアップでしたね、、タンク、シートは流用
サスペンションも流用、カウリングはH2Rのイメージを残し削りました。とにかく時間がありませんでしたね。
国内ではあまり登場しないF750クラスですが、USA,ヨーロッパ、豪州で盛んな時があり、KR750戦績が記録に残ります
スズキのTR750も私のデザインで、KR750共々に,YのTZ700(750)に、ちょっと負けた、記憶だけが残ります、
残念ですね。後日写真を見るたび、残念が募ります。
そして、欲しかった、F750用ENG形式は、
水冷、MXの250㏄ピストンリードバルブを積んだ3気筒、前傾シリンダー、#2シリンダーと#3シリンダー間からパワーを取り出し
クラッチへ、具体的にはTR750(スズキ)のレイアウトに2stMXの250㏄シリンダーリードバルブを載せるイメージですね。
理由
1,水冷化; Kawasaki H2R(空冷)は素晴らしいマシンだったが冷却に問題があり、焼き付き、セッテイング困難を抱えていた
2,2ストロークモトクロッサーの250㏄ピストンリードバルブを3ケ搭載
MXサーがピストンバルブからリードバルブになったと同じ理由です、ピストンバルブのパワーの急激なたちあがり
知ってますか、ましてKR750(カワサキ)はピストンバルブ、6000rpmからドカンと立ち上がります、怖いですよ。
ワークスの2stMX250㏄ピストンリードバルブのマシンに乗ったこともあります、加速がスムーズで乗りやすいですよ
125ccは半クラでガンガン回して乗りますが、250はアクセルワークで乗れるので楽で、楽しいですね。
まだ重要な項目があります、TR750,TR500-Ⅰ(空冷)、KR750もシリンダーの掃気ポートが進行方向に対してツイストしているんです
キャブ、インレット、掃気ポート、排気ポートがシンメトリー(左右対称)でないんです、左右のシリンダー間の主掃気ポートを
ずらして(斜めに)クランク軸距離を短くしようとしているようです、誰が考えても流体(混合気)はシンメトリーに流れたほうが
綺麗な出力が出そうですよね。TR500-Ⅱ(スズキ水冷2気筒))でシンメトリートにして綺麗な出力が確認されました、
しかし#1シリンダー♯2シリンダー間が狭いため(量産のケース流用)、主掃気ポートの容量が十分に取れずMAXパワーは
残念でした。そして当然、MX250のシリンダーポートレイアウトはシンメトリーで、十分な主掃気の面積を持ってます。
3,クランクとミッションのレイアウト: H2Rはシンメトリーのシリンダーです、KX250(KのMX)のピストンリードバルブ
のシリンダーを3基乗せるとクランクが長くなり、#1シリンダー側の電装部のバンク角が厳しくなるでしょう、H2RもKR750も
#3シリンダー側端からパワーをクラッチに繋いでます、クランク左端の電装から右端のクラッチまでの長さ(幅)が相当あります
TR750は#2シリンダーと#3シリンダーの間からパワーをクラッチに伝えるため、クラッチが内側に入り、#3シリンダー側の
クランク端がバンク角端になります。TR750と同じ、クランクとミッションのレイアウトを参考にするとコンパクトになりそうですね
TR750はクラッチが#3の後方にあるためにクラッチ(湿式から乾式に変更)冷却のためダクトが必要でしたが。
4、前方排気の3気筒: TZ750は4気筒、必然的に#1チャンバーは必ずチェンジシャフト近傍から上方に曲げキャブの
後方を通さなければならない、そして、TR750同様、チャンバーはクニャクニャ曲げたくないです、
MX250のチャンバーはグランドヒット対策からからアップチャンバーに変わりましたね、シリンダーの前方でトグロ巻いて納め
てますが、ベンチでの出力(ストレートチャンバーで性能確認してます)特性を再現するのが難しいんですよ、チャンバー
はストレートでレイアウトしなければならないのです。
2STのチャンバーはテールコーン部から排気脈動波が跳ね返りエキゾースト部を塞ぐとのことですが、とぐろを巻いていては
ベンチの出力の再現は難しいのではと思います。
5,出力的には:ピストンリードバルブのMX250は45~50PSぐらいでしょう、当初のKR750は116PS/9000rpm、TZ700は
TZ350×2=58×2=116PS/10000rpmぐらいでしょう、MX250(45~50)×3=135~150PSは望めそうです。 YZR750は
最終的には160PS(クランクケースリードバルブ)あったそうですが、
6、後方排気の4気筒750(500と同様なレイアウト)は、チャンバーの長さ処理が、500でギリギリでしょうから辛いでしょうね、
前方キャブや、ダウンドラフトキャブはキャブへの空気取り入れ方法が難しいんです、ファンネル前方に何ミリ必要で、キャブ室
の容量が小さいとアクセルの反応が悪くなるとかとかでキャブ室の容量及び流入通路がENG性能に大きく作用します、
又大きな面積のラジエターも必要で、容量が足らないと分割した複数のラジエターが必要です、レイアウト的に大変なんです
ラジエターの設計はフレーム屋なんですよ、はっきり言って、無理難題を押しつけられているだけで、やりたくないですね。
7、後方排気の3気筒は上記6よりチャンバーが、よりレイアウトが辛いでしょうね、ましてENG下部のトグロチャンバーは性能
向上の余地はないでしょう。チャンバーは何度でも言いますがストレートでレイアウトしたいですよね。
結論:さて、#2シリンダーと#3シリンダー間からパワーを取り出したMX250のピストンリ―ドバルブのシリンダーを3個積んだ
エンジンが手に入ったらチャンバーからレイアウトします、#1チャンバーはチェーン側にチェーンスライダーは必要でしょう
#2#3はチャンバーは右側にスイングアームはへの字を採用し#2チャンバーを大きく逃げ、#3も通すレイアウトが必要
でしょう。リヤリンクサスのフレーム下側の支点が#2チャンバーと干渉するぐらい、そのへんのレイアウトが楽しそうですね
私たちフレームデザイナ―はいつもENGありきなんですよ、ENGデザイナー系が偉いさんに、社長に、宗一郎さんもENG系ですよね、
最高出力さえあれば勝てると思っているENG屋が、多いいですね、サーキットで阿部ちゃんに、どうかねパワーは足りてるかねと
陣中見舞いに来た“ミスターホースパワーさん“にしっかり阿部ちゃんがパワーについてお話ししたそうですが.。?でしたね
そして、スズキでRG500を担当した時にENGマウント位置はフレーム屋の私が決めたいと懇願しました、トータル的にバランスの
とれたマシンにしたかったからですね。 はい、今回テーマにしたトータル的にバランスの取れたマシンをレイアウトするって、
難しいですよね。
COWBOY-平松
MX250ccリードバルブENG(シリンダー)を三個載んだ、F750・BIKE
F750:AMAのレギュレーションで、ハレーの4ST(サイドバルブかな)は750ccまで、他は500㏄でした。ですからこのクラス
には スズキTR500(空冷2ST、2気筒),カワサキH1R(空冷2ST,3気筒)、ヤマハはTZ350(市販レーサー)等が出場してました、
レギュレーションが750㏄のみとなり、スズキはTR750(水冷2ST、3気筒),カワサキはH2R(空冷2ST,3気筒750cc)、共に
量産車ベースで、シリンダーブロックはいじれません(量産のシリンダーをポーティングするという事ですかね)
ヤマハはTZ350を直列につないだTZ700(水冷2ST,4気筒)市販レーサー(30台以上をUSAに輸出する)を出してきましたね。
KR750をデザインした時、1974年8月にスズキを退職して9月にKawasakiに入社し即KR750のデザインに着手しました。
ENGは水冷2ストローク3気筒750cc、オールニューでH2Rの水冷版かと思いきや何か違う、後で話します。
1975年のホモロゲを取りUSAのF750に出場するとのこと、その第一戦は3月第一週のデイトナですね、設計製作を含め
H2Rの基本部品を流用し、基本フレームワークをレイアウトすることになります。大きなENGですからラジエター、バンク角で
ほぼレイアウトは決まります、H2Rよりピボット部、スイングアームを強化して、タイムアップでしたね、、タンク、シートは流用
サスペンションも流用、カウリングはH2Rのイメージを残し削りました。とにかく時間がありませんでしたね。
国内ではあまり登場しないF750クラスですが、USA,ヨーロッパ、豪州で盛んな時があり、KR750戦績が記録に残ります
スズキのTR750も私のデザインで、KR750共々に,YのTZ700(750)に、ちょっと負けた、記憶だけが残ります、
残念ですね。後日写真を見るたび、残念が募ります。
そして、欲しかった、F750用ENG形式は、
水冷、MXの250㏄ピストンリードバルブを積んだ3気筒、前傾シリンダー、#2シリンダーと#3シリンダー間からパワーを取り出し
クラッチへ、具体的にはTR750(スズキ)のレイアウトに2stMXの250㏄シリンダーリードバルブを載せるイメージですね。
理由
1,水冷化; Kawasaki H2R(空冷)は素晴らしいマシンだったが冷却に問題があり、焼き付き、セッテイング困難を抱えていた
2,2ストロークモトクロッサーの250㏄ピストンリードバルブを3ケ搭載
MXサーがピストンバルブからリードバルブになったと同じ理由です、ピストンバルブのパワーの急激なたちあがり
知ってますか、ましてKR750(カワサキ)はピストンバルブ、6000rpmからドカンと立ち上がります、怖いですよ。
ワークスの2stMX250㏄ピストンリードバルブのマシンに乗ったこともあります、加速がスムーズで乗りやすいですよ
125ccは半クラでガンガン回して乗りますが、250はアクセルワークで乗れるので楽で、楽しいですね。
まだ重要な項目があります、TR750,TR500-Ⅰ(空冷)、KR750もシリンダーの掃気ポートが進行方向に対してツイストしているんです
キャブ、インレット、掃気ポート、排気ポートがシンメトリー(左右対称)でないんです、左右のシリンダー間の主掃気ポートを
ずらして(斜めに)クランク軸距離を短くしようとしているようです、誰が考えても流体(混合気)はシンメトリーに流れたほうが
綺麗な出力が出そうですよね。TR500-Ⅱ(スズキ水冷2気筒))でシンメトリートにして綺麗な出力が確認されました、
しかし#1シリンダー♯2シリンダー間が狭いため(量産のケース流用)、主掃気ポートの容量が十分に取れずMAXパワーは
残念でした。そして当然、MX250のシリンダーポートレイアウトはシンメトリーで、十分な主掃気の面積を持ってます。
3,クランクとミッションのレイアウト: H2Rはシンメトリーのシリンダーです、KX250(KのMX)のピストンリードバルブ
のシリンダーを3基乗せるとクランクが長くなり、#1シリンダー側の電装部のバンク角が厳しくなるでしょう、H2RもKR750も
#3シリンダー側端からパワーをクラッチに繋いでます、クランク左端の電装から右端のクラッチまでの長さ(幅)が相当あります
TR750は#2シリンダーと#3シリンダーの間からパワーをクラッチに伝えるため、クラッチが内側に入り、#3シリンダー側の
クランク端がバンク角端になります。TR750と同じ、クランクとミッションのレイアウトを参考にするとコンパクトになりそうですね
TR750はクラッチが#3の後方にあるためにクラッチ(湿式から乾式に変更)冷却のためダクトが必要でしたが。
4、前方排気の3気筒: TZ750は4気筒、必然的に#1チャンバーは必ずチェンジシャフト近傍から上方に曲げキャブの
後方を通さなければならない、そして、TR750同様、チャンバーはクニャクニャ曲げたくないです、
MX250のチャンバーはグランドヒット対策からからアップチャンバーに変わりましたね、シリンダーの前方でトグロ巻いて納め
てますが、ベンチでの出力(ストレートチャンバーで性能確認してます)特性を再現するのが難しいんですよ、チャンバー
はストレートでレイアウトしなければならないのです。
2STのチャンバーはテールコーン部から排気脈動波が跳ね返りエキゾースト部を塞ぐとのことですが、とぐろを巻いていては
ベンチの出力の再現は難しいのではと思います。
5,出力的には:ピストンリードバルブのMX250は45~50PSぐらいでしょう、当初のKR750は116PS/9000rpm、TZ700は
TZ350×2=58×2=116PS/10000rpmぐらいでしょう、MX250(45~50)×3=135~150PSは望めそうです。 YZR750は
最終的には160PS(クランクケースリードバルブ)あったそうですが、
6、後方排気の4気筒750(500と同様なレイアウト)は、チャンバーの長さ処理が、500でギリギリでしょうから辛いでしょうね、
前方キャブや、ダウンドラフトキャブはキャブへの空気取り入れ方法が難しいんです、ファンネル前方に何ミリ必要で、キャブ室
の容量が小さいとアクセルの反応が悪くなるとかとかでキャブ室の容量及び流入通路がENG性能に大きく作用します、
又大きな面積のラジエターも必要で、容量が足らないと分割した複数のラジエターが必要です、レイアウト的に大変なんです
ラジエターの設計はフレーム屋なんですよ、はっきり言って、無理難題を押しつけられているだけで、やりたくないですね。
7、後方排気の3気筒は上記6よりチャンバーが、よりレイアウトが辛いでしょうね、ましてENG下部のトグロチャンバーは性能
向上の余地はないでしょう。チャンバーは何度でも言いますがストレートでレイアウトしたいですよね。
結論:さて、#2シリンダーと#3シリンダー間からパワーを取り出したMX250のピストンリ―ドバルブのシリンダーを3個積んだ
エンジンが手に入ったらチャンバーからレイアウトします、#1チャンバーはチェーン側にチェーンスライダーは必要でしょう
#2#3はチャンバーは右側にスイングアームはへの字を採用し#2チャンバーを大きく逃げ、#3も通すレイアウトが必要
でしょう。リヤリンクサスのフレーム下側の支点が#2チャンバーと干渉するぐらい、そのへんのレイアウトが楽しそうですね
私たちフレームデザイナ―はいつもENGありきなんですよ、ENGデザイナー系が偉いさんに、社長に、宗一郎さんもENG系ですよね、
最高出力さえあれば勝てると思っているENG屋が、多いいですね、サーキットで阿部ちゃんに、どうかねパワーは足りてるかねと
陣中見舞いに来た“ミスターホースパワーさん“にしっかり阿部ちゃんがパワーについてお話ししたそうですが.。?でしたね
そして、スズキでRG500を担当した時にENGマウント位置はフレーム屋の私が決めたいと懇願しました、トータル的にバランスの
とれたマシンにしたかったからですね。 はい、今回テーマにしたトータル的にバランスの取れたマシンをレイアウトするって、
難しいですよね。
COWBOY-平松
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます