cowboy-平松の部屋

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フューエルタンクの設計

2019-11-27 18:01:07 | おもしろパーツ-全般
おもしろパーツー  全般-1

フューエルタンクの設計

 デイトナのオーバルコース(外周路)ではガス(燃料)が横Gで右によせられガス欠を起こしました、対策
ですが インフィールドを走行中に外周を走れるガス容量を小部屋に溜めておくのです、小部屋の入口
に加速 減速時に移動するガスを隔壁に当てて小部屋に導きキープします、 直4,6のENGのクランク
ケース内のオイルも横Gの影響で潤滑不足になるようで、各気筒間に隔壁が設置してあるようです。
125ccのタンクにもこのような隔壁を乗り超えたインナー小部屋が設置してあります。
 ガスタンクの容量は○○ℓ(リットル)必要なのか知ってますか、GP500クラスは32ℓ、耐久は24ℓです
一斗缶(石油缶)は18ℓですね、32ℓでは一斗缶を1.77個、24ℓでは1.33個積んでいる訳です、こんな
デカイ重たいタンクを抱えて走っている訳ですから、形状とか設置位置をチャント考える必要がありますね。
 フーエルコック位置はキャブフロート室より上方になければなりません、エンプティー時のENGが要求する
ガス流量により100mmは必要です。又、急開時(アクセルを急に開ける)はキャブ室の容量、ファンネル
より前方の壁の距離が小さいと燃焼室に充分な燃焼ガスが流入せずに、息つき(ENGのもたつき)
等が発生します。KR1000(カワサキ)のガスタンク後方が二股になっています、これはキャブへの流入
エアーを考慮しての形状です。
 GP500のタンク(32ℓ)を設計せよと言われると ゾッ としますよ、ライディングポジションからニー(膝)グリップ
エルボー(肘、上腕部)グリップ・ハングオン時のエルボーグリップも重要ですね、レーサーはコーナー性を重要視
してますから、直進性(トレール90mm以下)は劣るジオメトリーになります、ストレート走行でも何らかの
外乱を受けハンドルが振られることがあります、ハンドルの振られを肘、上腕部でタンクを軽くホールドし
『自分の肉でプルプルと吸収するんだ、強くホールドし過ぎるとリヤまで振られ操縦不能になるぞと
”阿部語録HRC時代”に書きました参照ください』てエネルギーを吸収するんだと阿部ちゃんから
叩きこまれました。フェンスに激突死したライダーがいました、原因は不明です。  実はレース前に
このBIKEに跨った事があります……。原因は推測できますが、私は事故を直に見てないので
解りません。私は設計者として万分の一でも原因にならないように、タンク、シートを自分で削ります、
もちろん皮つなぎを着て各シュチュエーションを想定し、阿部ちゃんに成りきって。
 タンクの容量は排水量チェックでしますが、外れますね。TR750(スズキ)では完成後タンク容量が足りず、
タンク前方に弓状の小部屋を増設し左右にブリーザー室、給油口、を設け失敗を巧く隠しました。
 KR500にモノコックを採用した理由:ドデカイ・タンクとフレームの間に三角形の落とし込みが有ります、数ℓ
しか容量が無く フレームに接着されたラバークッションを薄くして容量を稼ごうとかしても、RG500や
TZR500より小さくコンパクトなBIKE(タンク)は期待できない。常人なら同形態のフレームやタンクを採用し、
後を追いかけていくのでしょうが、三角形の落とし込みの部のまわりがガス容量になるなら相当
コンパクトに出来そう、フレームとタンクを溶接(一体に)すれば、落とし込み部のガス容量はコンパクト化に
繋がり、チョットでもRGやTZRに近ずけそう、そんなイメージです。当然勝ちたかった
 RCB400のタンク形態:前傾インライン4、ダウンドラフトぎみのキャブですから、フロート室は相当高くなります
YZR400といっしょですが タンクをキャブ上方にL/Oすると相当デカク コンパクトとは程遠くなるでしょう
このENG形態はミッションケース上方、キャブ後方にかなりの空間があり市販車では野放し状態です
そして、この空間はほぼ重心位置なんです、この部位に比重は0.9程度ですが集まれば(タンクを
設置)運動(慣性、ヨーイング)性能は向上できるかな、期待しましょう。フューエルタンクの最下部はミッション
ケースの上方に位置し タンクにインタンク・フューエルポンプ(スノーモビルの負圧ポンプ)を設けてキャブのフロート室
より、120mm上方の小部屋に常時流入させます、オーバーフローしたガスはメインタンクに戻す形態にしま
した、タンク本体はラバータンク(4輪レーサーで採用されてるガスバック)です、ミシュランのビバンダムみたいな
かっこうしてます。電動フューエルインジェクションを採用している現在のBIKEの先駆けですかね
ミッション上方にガス容量が確保出来たので、キャブへの空気通路やライポジの適正化、コンパクト化に
的確な設計ができました。RCB400はワンシーズン(3レース)しか走れませんでした、実績は残せてない
です。 私の設計(意思のこもった)したはBIKEのベスト・5にはいります。
おもしろパーツ-全般-1

おもしろパーツ、四角いキャリパー

2019-11-07 12:32:11 | おもしろパーツーkawasaki編ー
おもしろパーツーkawasaki編ー3

 おもしろパーツ、四角いキャリパー、小島さんよりF1のキャリパーを借りましたCUTするなよ。

KR250のキャリパーはカワサキ・トキコで製作し、KR250はフロントはシングル、750,500はダブルで採用してま
した。コークはハードブレーキライダーではなく、スローインファーストアウトのクレバーなライダーでしたが、350は250と
同スペックで、350はスピードが出る分、フロントはプアーになるので、強力なブレーキを作ってと要請があり
ました、だだ、ダブルの必要はないので、キャリパーの改良を選択しました。現在では4ポットだ6ポットだ
分割パットだ、とありますが、当時はSPLメーカーさんは無く、異径4ポットを構想してますが、自社で
製作するしかありません。 F-1のフロントキャリパーはロッキード社製の4ポットキャリパーが装着されている
のは知っていたので、京都の小島さんからF-1のフロントキャリパーをお借りしました。
『解った ただしカットするなよ バラしても良いけど 使える状態で返せよ』 でした。そのキャリパー
からオイル通路、エアー抜き通路、剛性のだし方、左右の結合方法等を(カットせずに)勉強しました。
2ポットと同等のピストン面積の異径4ポットをチョイスするのは、2ポットで経験したパッドの偏摩耗対策を
おり込んだ設計をするつもりです。
1、ディスクの回転方向のリーディング側のパッドは減りが多いいです。ドラムブレーキでも 2・リーディングの
方が効きます、食らいつくんでしょうね、食らいつく方が摩耗します。
2、ディスクの外周の方が周速が速いので、パッドの減りが多いいです。左右、上下対称の2ポットでは
最大45分(45/60度、角度)程の偏摩耗がありました。スプリントでは大きな不具合になりません
(フル偏摩耗前にパッド交換)が、耐久ではパッドの偏摩耗が寿命(パッド交換)に大きく影響し、
MAX偏摩耗時にはピストンロック(圧力をキャンセルされたピストンが斜めに戻る為)も考えられます、
量産のでかいキャリパーはピストンの長さがあるのでピストンロックすることはないでしょうが、レーサーの
キャリパーはダストシールも無し(コンパクトに)、そして、ピストン長も短い為バランスの良い設計を要求されます
3、(このピストンロック対応でキャリパーのピストンボア加工を奥方向に45分広がるテーパー加工し対応
 したこともあります、ピストンのボア奥側の面取り角度や、Rにも注意が必要です)
4ポットキャリパーの設計には、小径ピストンはリーディング側に、ワンサイズ大きなピストンはトレーリング側に
ピストンの径方向のセンターはパッドが摺動する外径と内径のセンターより内側ニ、パッドが均等に摩耗
するように設計しました。 もちろん特許は取得しましたよ。
角リングは既成サイズ(ピストン径に共した、インチサイズ)があり、ブレーキフルードに対応する特別な材料で
加工方法も研磨加工で仕上げていて素人さんには手が出せない領域です。
メーカーさんのパーツを流用させてもらいました、
角リング溝は市販キャリパーを数個カットし、断面を精密測定し姿バイトを製作し加工してもらいました。
角リング溝の形状はロッキード社が特許を取得してます。
(溝の底辺の角度、面取り、締め代が絶妙な形状してます、後日 解説いたします。)
一作目はピストンの裏蓋(詳細部を加工後裏蓋でシールする工法)のOリングが動いてしまい、
マスターシリンダーのレバーがフニャヌニャでNG,Oリングを締め込む方式に設計変更し対策しました。
ようやく、コークでテストしたら、効きすぎるから、不要でした。まあシーズン中でしたからジャストフィット
しなければ、コークは使いませんね。でもこのテストの情報をUSA・カワサキのロブ・マジーが嗅ぎつけて
E・ローソン用のブレーキにどうしても欲しいでした。KZ1000のスーパーバイク仕様用にですから、当時の
最大径であろう、φ330のDISKと左右対称の4ポットキャリパーをエディー(E・ローソン)に送りました。
#21のデカDISKと無骨な4ポットキャリパー、けっこうカッコいいですよね。また仏カワサキ(パフォーマンス)の
耐久チームが使用していた4ポットキャリパーと同じです、制動力、パッドの摩耗性等で耐久レースでも
使われたんでしょうね。ソウトウなるエキスが投入された逸品だと思っています。
注意:レーサーのキャリパーはダストシールが無い為、マシン(キャリパー)を洗浄する時に”石油系”の洗浄スプレー
を使用すると、内部の角リングに付着し膨潤させてしまって、ピストンが戻らず引きずりを起こして
しまう事が有ります、キャリパーの洗浄は台所洗剤で洗浄し水洗いが宜しいようです。
ブレーキフルードはアルコール系(非石油系)です、洗浄スプレーを使いたい方は成分をよく確認しましょう。

KR250のフロント/リヤーキャリパーのピストン径違い

2019-11-07 12:24:51 | おもしろパーツーkawasaki編ー
おもしろパーツーkawasaki編ー2

KR250のフロントキャリパーとリヤーキャリパーのピストン径違い

601Cになる前に、すべての部品を見なおした、ワールドチャンプをとるにはすべてのパーツは美しくないとね
谷田部でブレーキテストをしたことがあります。200Kmから、フロント・リヤー併用、フロントのみ、リヤーのみ
制動距離は80m、80m、250mとなりました。ブレーキ性能はフロントブレーキが100%寄与している
ようですが、フロントブレーキのみの制動はリアがフラツイて非常に危険だそうです。
RRブレーキはRRタイヤを路面にトレースさせる制動力が必要なだけなのを確認できました。又、
コーナーリング中のリヤーのばたつきに、リヤーをなめす制動力が必要なのもライダーの要求で解った。
要するに鈍感な足でリヤーの姿勢をコントロールできる程度のブレーキで宜しいようです。
フロントキヤリパーより 2・サイズ小さい径をリヤーのピストン径をチョイスし あとは、マスター径、PADのミユーで
セッティングしました。
 ですから、後日 HRCで設計したRS125RのリヤーキャリパーはHONDAの量産で最小であった
スクーター(リード)のフロントをチョイスしました、’87はリードの赤色のままでした。又 エアー抜きが逆で失礼
DISKも最小径をチョイス、水切り加工穴の螺旋方向が逆なのに気が付いた方いますか?
 ピストン径はインチ系で各サイズありまして。近ごろは、4ポット、6ポットなど、リーディング方向等により
ピストン径や加工位置を変更したり、又パッドも分割パッド等 おもしろいキャリパーがあるようです。
(おもしろパーツ、四角いキャリパーを参照下さい)

KR250の2ポットタイプキャリパー

2019-11-07 12:18:43 | おもしろパーツーkawasaki編ー
おもしろパーツ―kawasaki編ー1

KR250の2ポットタイプキャリパー(とにかくしっかりしたキャリパーが欲しかった)

601Cになる前に、すべての部品を見なおした、ワールドチャンプをとるにはすべてのパーツは美しくないとね
KR750,TZ250、TZ700までも市販の丸型コレット,2ポットタイプを流用してました。RG500はスズキ
社内製で対抗2ポットタイプです。601Bを開発するに当たり、トキコに製作依頼しましたが、設計、
鋳物製作は出来ない、加工だけならお手伝いできますとの返事。今なら、ブレンボやNISSINさん
らがキャリパーやDISKの専門メーカーですよと、ありますが当時は2輪レース専用ブレーキ製品は
ありませんでした。
当時、私はキャリパーの機能の詳細、角リング部の加工、ピストンクリアランス、角リングの種類等、熟知して
おりませんでしたので、キャリパー、DISK、ブラケットの取り付け、レイアウトに専念しました。
キャリパーの木型は、アウトとインの1個ずつ、ピストン径の加工違いでフロント(48φ)とリヤ-(38φ)と別け
ます、連結パイプと、ブリーダー、の組み合わせ違いでフロントのR/Lが組み立てられます。
601Cのフロントキャリパーは右側シングルで、500や750,1000はR/Lのダブルになります。
(350は、シングルですと、最高速が601より出るため、ちょっとプアーだそうです、が
四角いキャリパーのKR350の話になります、後ほどに。)
部品を見直すために専門メーカーさんと打ち合わせし、自分達でやる事、メーカーにお願いする事
キチンと仕分けし、鋳物はKAWASAKIでふき、加工はトキコ(北爪さん)さんにお願いしました。