空はどんよりと雲って、ときどき
ザーっと雨が落ちてきていた。
雨雲を見上げる私の瞳は、灰色で
何も見つめてはいないように見えるに
違いない。
私はまた、マリー・デケイルウのことを
思い出していた。
マリーは、大切な友だち。
それはずっと、変わらない。
変わりようがないのだ。
先日、マリーと会った。
もう、時の経つのも忘れるくらい楽しくて
嬉しかった。
もし、私とマリーの姿を知っている人がいたら
「あいつらは何でくっつかないんだろう?」
と思うに違いない。
なぜ?
友だちだから・・・としか言いようがない。
マリーもきっと、同じ事を考えているに違いないのだ。
あなたを愛する資格は
私にないね
ふいにこんな詞が口をついて出た。
私には、彼女を幸せに出来ないであろう。
悲しい目に遭わせるだけだ。
と、思っていたが、突然逆の考えが頭に浮かんできた。
マリーを悲しい目に遭わせるのが怖いのではない。
「自分が」悲しい、辛い目に遭うのが怖いのだ。
現実は、直視せねばならない。
私は、かつて彼女を傷つけた・・・。
その時のことが無かったら、おそらく今のように
何でも話せる友だちにはなれなかった、ということもまた
事実だ。
良い事なのか、悪い事なのか。
たぶん、良かったのだ、これで。
運命を恨んだことは、もう過去の話。
これから、マリーも私も、より良い「未来」を
作って行けば良いのだ。
マリーは、ずっと大切な友だち。
この先、苦しいことも辛いことも、たくさんあるに
違いない。でも、君が生きていてくれるだけで
きっと私は頑張れる。
綺麗な夏の雨に打たれながら、久しぶりに
ブルーになってみた。